2018年4月5日木曜日

『老人の取扱説明書』平松 類

 SB新書。
 タイトルはちょっと悪意を感じないでもないけれど、内容は実にまっとうで、とてもよかった。
 老人はキレやすいし頑固だし、赤信号を平気で渡ったり、都合の悪いことは聞こえないふりをするくせに突然「うるさい!」と怒鳴ったりする。そんなあるあるは、実は性格が悪くなっていたり認知症になっていたりするためではないんだということを教えてくれる。
 ではなぜか。それは老化のせいなのだという。まぶたが落ちてきて遠くが見えなかったり、歩く速度が落ちていたり、高い音が聞こえなくなっていたり。その老化のせいで、若い人にとってはわけのわからない行動に見える行動が、実際にはごく当然の反応だったのだということがよくわかる。さらに、その老人の行動に対して他の人はどのように接すればいいのか、自分がそうならないためにはどうすればいいのか、もし自分がそうなってしまったらどうすればいいのかについて、わかりやすく解説してくれている。
 ひとつひとつの話題が、そのどれもがなるほどとうなずけるもので、とても役に立った。老人の行動に困っている人は、ぜひ本書を手にしてみてほしい。ひとつやふたつは腑に落ちることが書いてあるだろうと思う。そうすれば、老人との付き合いも少しは良いものになることだろう。

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