2018年4月10日火曜日

『ムダな仕事が多い職場』太田 肇

 ちくま新書。
 日本の職場には無駄が多いという。非効率でだらだらと続く会議、稟議制などの意思決定の仕組み、重箱の隅をつつくようなマイクロマネジメント、顧客に対する過剰なサービス、部分最適化した完璧主義、そして無謬主義等々。これらの無駄によって先進国の中でも日本の生産性は低くなってしまっているのだという。著者はこのように現状の仕事上の無駄を分析し、その原因がどこにあるのかを指摘し、処方箋を与えてくれる。
 この無駄をなくすためには「改善」ではダメで、「革新」が必要なのだという。そして、その「革新」には外圧や内圧が必要であるとする。そのモデルとなってくれるのは、意外にも日本の中小企業なのだという。これらの企業の置かれた状況は、欧米のそれに似ており、「革新」のヒントが多く含まれているというのだ。
 現状分析、そしてそこから脱するための処方箋ともに、実に穏当な議論をしていると思う。ただ、それはわかるんだけれど、その「革新」を行うために、日本の大企業や役所がどうやって変わっていったらいいのか、それを乗り越えるためのその壁の高さに絶望的になる。これらは構造的なものだから、社会全体の仕組みを変えるほどの外圧が必要なのではないかと感じる。今、企業や政府(行政?)の膿みがどんどん明らかになってきている最中なので、もしかしたらこれを機会に大きく変革が行われるのではないかという期待を胸にしている。

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