2017年11月26日日曜日

『マイケル・ヘッジス アコースティック・ギターの革新者』南澤 大介

 リットーミュージック。
 マイケル・ヘッジス(Michael Hedges)は私の好きなギタリストベスト3に入るミュージシャンだが、これまで手に入る楽譜集としては本人らの監修による『Rhythm, Sonority, Silence』(7曲収録、英語)くらいしかなかった。それが今回、日本語で、押尾コータローのスコアの採譜や『ソロ・ギターのしらべ』シリーズでも知られる南澤大介によって、楽譜集が刊行された。わずか43歳という若さでこの世を去ったヘッジスの生い立ちや音楽の話、奏法の解説に加えて、9曲のスコアが掲載されている。前著と重なる曲も2曲あるけれど、解説が詳しいのでうれしい。収録されている曲は以下の通り。

  • The Happy Couple
  • Baby Toes
  • Peg Leg Speed King
  • Eleven Small Roaches
  • Silent Anticipations
  • Aerial Boundaries
  • Hot Type
  • Ragamuffin
  • Two Days Old
 マイケル・ヘッジスの登場以降、アコースティックギター・シーンは明らかな進化を遂げ、ヘッジス・フォロワーと呼ばれるギタリストも数多く誕生した。私のブログで取り上げているギタリストの中にも、彼の影響を受けた人は多い。彼のテクニックは確かにすごいのだけれど、それ以上にその音楽性を知ってもらいたい。そんな彼の曲を自分の手で弾ける手助けをしてくれる本書の刊行は、素直にうれしい。

2017年11月25日土曜日

『 鳳凰單欉黄枝香(2017)』遊茶

 ほうおうたんそうこうしこう。広東省潮州市潮安県鳳凰鎮が産地のお茶。單欉(たんそう)は一株のことで、元々お茶の木一株からできたお茶だから、こんな名前になっている(たぶん)。分類的には青茶のひとつ。元来の漢字は「黄梔香」なのだそうで、「梔」はクチナシのこと。
 ものすごく香りがいい。花のように華やかで、芳醇な香り。味もしっかりしていて、雑味がなく、とてもおいしい。青茶は烏龍茶系のお茶だけれど、そんじょそこらの烏龍茶とは桁違いのおいしさを味わわせてくれる。これはお薦め。

遊茶』東京都渋谷区神宮前 5-8-5

2017年11月23日木曜日

『なるほどデザイン』筒井 美希

 エムディエヌコーポレーション。副題「目で見て楽しむデザインの本」。
 主に雑誌やフライヤーなどのデザインについて書かれた本。
 デザインというと素人にとっては雲をつかむような感じて、なかなかどこから手をつけていいかわからなくなるけれど、この本は実にわかりやすい。ほとんどのページにイラストか写真、またはそれらを含むデザイン例が掲載されていて、まさに「目で見て楽しむデザインの本」である。デザインの要素をわかりやすいように分解してひとつひとつ丁寧に解説してくれているので、デザインのポイントの押さえどころが自然と身についてくる(気がする)。ぱっと見で意図のわかるデザインがどのようにして作られるのか、デザイナーの頭の中がよくわかる。そして、デザイナーの頭の中がわかってくると、自分でもそれを再現することが少しはできるようになってくる。たぶん著者はそれを狙っている。もちろんすぐには読者に伝わるデザインをできるようにはならないだろうけれど、そこは個々人のこれからの実践(訓練)次第。私も努力しよう。

2017年11月17日金曜日

『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』西野 亮廣

 幻冬舎。
 著者は過去に『えんとつ町のプペル』という絵本を30万部以上の大ヒットに導いている(そしてたぶん今も売れ続けている)。この絵本の発行はこれまでの常識から考えると異例づくしだった。一人で絵本を作るのではなく、チームで作った。クラウドファンディングで1億円以上も集めた。絵本の内容をすべて無料公開した。本人が発売前に一般人から予約を募り、自分で出版社から1万冊もの絵本を購入した。『プペル展』の開催を一般の人に委ねた等々。
 これらの中には大バッシングを受けたものも多数あったようだが、本人は動じていない。本書では、なぜこのように異例の方法で絵本を売り出すことにしたのか、詳しく解説している。バッシングに動じない理由もそこでわかる。著者は周到に計画を練った上で、これらのことを実行している。
 ネット社会あるいは情報社会が広がることで、当然ビジネスモデルは変わって然るべきだ。これまでの出版業界はそれらにうまく対応して来なかった。社会の変化に対応して、柔軟に売り方を変えて行かなければならない。そのためには○○が必要だ、というのが著者の主張である。彼の主張は実に論理的である。彼を嫌う人も多いし、彼の普段の言動からその理由もわからないわけでもないけれど、少し耳を傾けてみると得られることも多いのではないか。この本を読んで、そんな気がした。

2017年11月11日土曜日

『The Bluebird of Happiness』Lotte Kestner

 2013年。ロッテ・ケストナー。
 2013年盤と、『Ties That Bind』を1曲追加した2017年盤がある。ロッテ・ケストナーは、トレスパッサーズ・ウィリアム(Trespassers William)のヴォーカリストだったアンナ・リン・ウィリアムズ(Anna-Lynne Williams)のソロ・プロジェクト。ほとんどの曲はギターかピアノのシンプルな伴奏で、時折ストリングスやパーカッションが入る。そしてそれらをバックに、彼女のささやくような、細いながらも芯のある淡々とした歌声がメロディーを奏でてゆく。とてもゆったりとしていて静かな音楽に癒やされる。最近疲れていることが多い自分にはぴったりのアルバムだ。7曲目の『Halo』は、もしかするとビヨンセの曲かもしれない。

2017年11月8日水曜日

『MORIHICO.TSUTAYA美しが丘店』

 札幌の美しが丘にあるTSUTAYAに併設されているカフェ。入り口にあるカウンターでドリンクやスイーツを頼んで、店内に持ち込むパターンのお店。スタバと一緒ですね。入り口のカウンターがとってもお洒落なんだけど、店内もゆったりしていて気持ちいい。森彦のコーヒーは苦めの力強い味のラインナップが多い。
 イラストはコーヒーを飲みながら軽くスケッチしてきたものを記憶を頼りにCLIP STUDIOで描き起こしたものなので、細部はかなり違います。ほぼ適当。そういえばクリスタで絵を完成させたの初めてかも。

MORIHICO
『MORIHICO.TSUTAYA美しが丘店』北海道札幌市清田区美しが丘3条4丁目1番10号

2017年11月7日火曜日

『デザイナーになる。』永井 弘人

 エムディエヌコーポレーション。副題「伝えるレイアウト・色・文字のいちばん大切な基本」。
 著者も述べているように、この本はデザイナーになりたい人のための「入門の入門書」である。「デザインの心構え」、「デザイン手法の基本知識」、「デザイン事例から学ぶ」の3部構成からなっている。全然難しいことは書いていなくて、言われてみれば当たり前のことなんだけど、そういう当たり前のことが書かれている本というのは意外になくて、この本は初心者に対してとても優しい。デザインは何のためにするのかとか、デザインを起こしていく過程とか、根っこのところから教えてくれるので、ただ「デザイナーになりたい」と思っていて、でもどうしたらいいのかわかっていない人にはとてもいい。世に出回っている本は、既にデザインをしている人に向けた本が多い気がするので。デザインというのは自己表現ではないことがよくわかる本。

2017年11月5日日曜日

『デジタルイラストの「服装」描き方事典』スタジオ・ハードデラックス

 SBクリエイティブ。副題「キャラクターを着飾る衣服の秘訣45」。
 私が人物を描こうとすると、つい上はトレーナーかシャツ、下はジーンズかスカートとなってしまうので、服装の幅を広げる参考としてこの本を買った。「デジタルイラストの」と書かれているけれど、そこのところはどうでもよかった。中身を見てみても、デジタルに限定して書かれているわけではないし。
 トップス、アウター、ボトムス、オールインワン、アンダーウェア/インナー、シューズ/バッグ、学生服、スーツ/礼服について、どんな種類があって、どういう構造になっていて、どうやって描いたらいいのかが載っている。コートひとつ、スカートひとつをとっても、こんなに種類があるんだ、と思いながら読んだ。街を歩いている人の服装は限りなくバラエティに富んでいるはずなのに、意外と見ていない。こうやって対象を分類してまとめられていると、わかりやすくなるんだなと思った。私には役に立ちそうな本だ。

2017年11月4日土曜日

『Honduras Las Golondrinas (2017)』ハニー珈琲

 ホンジュラスのラス・ゴロンドリナス農園のコーヒー。ニカラグアにもラス・ゴロンドリナス農園があったような気がしてたので、自分の中でちょっと混乱。
 酸味が少し強めのコーヒーだけれど、劣化した酸味とかそういうのではなく、フルーティーで豊かな酸味だ。青リンゴのような酸味に焦がしたオレンジのような苦味がアクセントになっていて、とてもおいしい。
 福岡空港のTSUTAYAに併設されている店舗でこのコーヒー豆を買ったら、エチオピアのイルガチェフェを1杯タダで提供してくれたので、とてもお得な気分。イルガチェフェもおいしかった。

ハニー珈琲

2017年11月3日金曜日

『安溪祥華鉄観音(2016)』遊茶

 あんけいしょうかてっかんのん。
 中国の青茶(烏龍茶系のお茶)。安溪県祥華でとれる鉄観音。見た目はかなり黒っぽくて重たそうだけれど、飲んでみると意外とさっぱりしていて飲みやすい。鉄観音には「韻香」と呼ばれる花のような香りや「音韻」と呼ばれる柑橘類のような口に広がる甘みがあるといわれるけれども、なるほど確かにそうだと思わせる。このお茶はとてもおいしい。今日は「萬順」の月餅に合わせてみた。

遊茶』東京都渋谷区神宮前5-8-5

『新・桃山展 大航海時代の日本美術』九州国立博物館

 2017年10月14日~11月26日。
 たまたま太宰府に行っただけなのだが、歩いてすぐそこのところに九州国立博物館なるものがあって、ちょうど今『桃山展』をやっているというので、閉館ギリギリのところを駆け込んだ。
 たいして期待もしていなかったのだが、入ってみてびっくり。教科書で見たザビエルの絵がある、豊臣秀吉がいる、織田信長がいる、徳川家康がいる、かの美しい油滴天目がある、白天目もある、南蛮屏風がある、本物の火縄銃がある。狩野永徳の花鳥図襖もあるし唐獅子図屏風もある。とても閉館までの30分では見きれないくらいの見応えのある多くの美術品が展示されていた。
 こんなことなら閉館ギリギリでなくてもっと余裕を持ってくればよかったと後悔もしてみる。でも太宰府に博物館があることも知らなかったし、桃山展をやっていたのもたまたまだったので、むしろ運がよかったと言えるのかもしれない。ただ、見終わってからあらためてフライヤーを眺めてみると、表紙に出ている狩野永徳の檜図屏風と長谷川等伯の松林図屏風を見た記憶がない。よく調べてみると、この2点の展示は11月14日からだった。この2枚の屏風はとても好きな絵だったので、かなり悔しい。また何かの機会に出会えることを願っている。

九州国立博物館』福岡県太宰府市石坂4-7-2