2017年2月26日日曜日

『特級白毫銀針(2016)』遊茶

 とっきゅうはくごうぎんしん。
 白茶に分類される中国茶。白茶は揉んだりする工程(揉捻)がなくて、摘んだら自然乾燥させて(萎凋)釜炒りする(乾燥)というシンプルな作り方をしているお茶だ。微発酵茶とか弱発酵茶とも呼ばれる。この白毫銀針は銀色の産毛に覆われた大白茶種の新芽のみを使っており、英語では「silver needle」という名称で知られているという。
 見た目が美しいので、今回は蓋椀を使って飲んでみた。蓋椀はその名のとおり蓋付きの茶碗で、茶碗の中に直接茶葉を入れて蓋をして蒸らす。そうやって煎れたお茶を茶海などの他の器に移してから飲んでもいいのだけれど、私は面倒くさいので、蓋をずらして茶葉が出てこないようにしてそのまま口をつけて飲んでいる。そしてお茶の量が3分の1くらいになったらまたお湯を足してを繰り返し、何煎も飲める。
 強い甘みが口の中に広がり、上品なまろやかさとともに、口を楽しませてくれる。味もしっかりしていて、とてもおいしい。

遊茶』東京都渋谷区神宮前5-8-5

2017年2月25日土曜日

『Underneath』HAU

 2015年(2014年かも)。The soundtrack made for torse.
 東京の世田谷にあるカフェ「torse」の移転と6周年記念(2014年)のために製作したサウンドトラック。ヘニング・シュミート(Henning Schmiedt)のピアノによる即興演奏に、ausがヴァイオリンやチェロなどの音を加えて作られたアルバム。あくまでピアノの音が主となっていて、そのほかの楽器がやさしく寄り添う。静かなピアノの旋律が美しく響く。穏やかな時が過ぎていく。

「雨と休日」でみてみる

『ブラジル・シチオ・ダ・ポンテ/ナチュラル(2016)』横井珈琲

 Brazil Sitio da Ponte。ブラジルのシチオ・ダ・ポンテ農園のコーヒー。ナチュラルは豆の処理方法。
 オレンジ、カシス、ナッツといった印象。やわらかい苦味と香り高い酸味のバランスがとれたコーヒー。ナチュラル・プロセスのコーヒーなんだけれど、ナチュラル独特のネチっこさみたいなのがなく、飲みやすい。だけどこの香りはナチュラルだからこそ出てきた香りなんだろうなと思う。バランスがとれたと書いたけれど、単に中性的な味というのではなくて、よいアンプとスピーカーからでてくる音楽のように、粒立ちのしっかりした立体的な印象を受ける。おいしいです。

工房 横井珈琲』札幌市西区発寒9条11丁目2-11(地図

2017年2月19日日曜日

『龍珠花茶(2016)』遊茶

 りゅうじゅかちゃ、りゅうじゅはなちゃ。
 花茶というのは、花の香りを茶葉に移したお茶のこと。この龍珠花茶は、茉莉花(まつりか)の香りをつけた中国茶。白毫(茶葉の産毛)の多い品種を使用して、球状に仕上げている。茉莉花はジャスミンのことだから、結局ジャスミンティーのことです。控えめながらも上品な香りが心地よく鼻をくすぐる。香りづけしたお茶は香りを優先して味は今ひとつということが多いけれど、このお茶は味もとてもしっかりしていておいしい。高級感漂うジャスミンティーです。

遊茶』東京都渋谷区神宮前5-8-5

2017年2月18日土曜日

『Dreams』Miz

 2005年。
 今日はMizを聴きたいと思って、持っている3枚のアルバムを聴いてみて、今の気分に一番しっくりときたのがこのアルバムで、午後いっぱいずっとエンドレスで流している。彼女は北見出身の日本人だけれど、このアルバムは全曲英語歌詞で歌っている。初めは日本でよりもスウェーデンで売れたほどだから、英語はうまい。声を含めた歌もいいし、曲もいい。ロックを歌う女性歌手の中では、日本人、外国人も含めて私が一番好きな歌手なんだけど、最近はアルバムを出していないのでちょっとさびしい。でも一時期引退話もあった中で、今でも細々とでも活動しているようなので、それはちょっとうれしい。本当にいい歌手だと思う。また再ブレイクしてほしい。

2017年2月17日金曜日

『会いたかった画家』安野 光雅

 山川出版社。
 本人も画家である著者が会いたかった画家。クレー、ロートレック、モディリアーニなどのよく知っている画家から、小村雪岱、張択瑞、ピロスマニのようなほとんど馴染みのなかった画家まで、二十数名について書いている。画家その人について、画家の描く絵について、それが生まれた時代背景について、淡々とテレビのナレーションが流れていくかのように、著者の声が頭の中を通っていく。ただ単に事実を並べているようでいてそうではなく、著者の思いがこちら側に伝わってくる。画家をとおして、実は芸術のあり方みたいなものを伝えようとしているのではないかとも思える。著者の考える芸術は、いい意味で素朴な感じがする。そんな素直で純粋な素朴さになぜかほっとさせられる。この世の中はお高くとまっている芸術論があまりに多いから。

2017年2月13日月曜日

『ブラジル(2017)』徳光珈琲

 シティロースト。
 苦味はやわらかく、酸味のあまりない中性的な味。ナッツっぽいところにラズベリーの風味を加えた感じ。ホームページの「ブラジル」の欄には、N.S.カルモ、バイヤ、マカウマ・デ・シーバ、ダテーラなどの農園の名前が連ねられているけれど、今私の飲んでいるこのコーヒーはいったいどこの農園のものなんだろう。記載されている農園の特徴と自分の感覚とを比べて考えてみる。う~ん、マカウマの記述に近い感想を持ったけど、なんとなくパルプトナチュラルな感じもするし、だとするとマカウマではないし。結局決定打はなく撃沈。
 久しぶりにこの国のコーヒーを飲んだけど、飲みやすいところがいかにもブラジルって感じで、たまにはこういうさらっとしたコーヒーもいい。

徳光珈琲

2017年2月10日金曜日

『アニメーターが教えるキャラ描画の基本法則』toshi

 エムディエヌコーポレーション。
 私の描く人物はどうにも動きが硬くて、画面全体もなんだかぎこちない雰囲気になってしまうきらいがある。それがこの本の中の人物は、実際に動いている途中の一部を切り取ったみたいなポーズをとっている(一部不自然なのもあるが)。あ、こんな人物を描きたい、と思って、(私の絵の分野とは違うけれど)手に取ってみた。人物を描くというと人物ポーズ集みたいなのに載っているポーズしか今まで思い浮かばなかったけれど、ふとしたしぐさや動きっていうのは、こんなにたくさんあるんだと思った。この本は基本的な人物デッサンについてはあまりきちんと書かれていないので、その点は他書に当たった方がいいと思うけれど、その次の段階としてはひとつの殻を破ってくれる本だと思う。ただ単に読むだけでなくて、実際に本に沿って手を動かしながら読み進めていくうちに、自分の絵も少しずつ動きがやわらかくなっていった。私にとっては役に立つ本だった。

2017年2月7日火曜日

『白牡丹(2016)』遊茶

 はくぼたん。
 白茶に分類される中国茶。白茶は揉んだりする工程(揉捻)がなくて、摘んだら自然乾燥させて(萎凋)釜炒りする(乾燥)というシンプルな作り方をしているお茶だ。この白牡丹は、福鼎(ふくてい)大白茶、政和大白茶をベースに、水仙種の茶葉をブレンドして作られている。三つをブレンドしてるので、別名「三白」とも呼ばれるらしい。口に含んだときに口の中に広がる、甘くてふくよかな香りがとてもいい。質の高いダージリン・ファーストフラッシュの味に近いと思う。飲んだ後に長く口に残る余韻がたまらない。とてもおいしいお茶です。

遊茶』東京都渋谷区神宮前5-8-5

2017年2月6日月曜日

『SEASON 1~4』みやんち×THE BOOM

 沖縄県沖縄市に、THE BOOMの宮沢和史さんがプロデュースしたカフェがある。「みやんちSTUDIO & COFFEE」だ。バリアフリーのこぎれいな建物で、中もゆったりしている。ちょっとひねりのきいた沖縄そばやアサイーボウルなんかもあって、カフェご飯もいただける。
 そこで流れている音楽が、『SEASON 1』~『SEASON 4』まである、みやんちとTHE BOOMのコラボしたインストゥルメンタルアルバムだ。往年のTHE BOOMの名曲の数々を、ギターの小林孝至さんとベースの山川浩正さんが弾いている。原曲に近いアレンジをしたもの、ほんの少しばかりの遊び心を加えて雰囲気をがらりと変えたものなど、いろいろだ。THE BOOMはいい曲を作っていたんだなとしみじみ思う。残念ながらバンドは解散してしまったけれど、レガシーは残っている。

みやんちのウェブショップで探してみる
みやんちSTUDIO & COFFEE』沖縄県沖縄市与儀1-29-22

2017年2月5日日曜日

『ルワンダ・ムホンド(2015)』横井珈琲

 Rwanda Muhondo CWS。ルワンダ北部にあるムホンド・コーヒー・ウォッシング・ステーションのコーヒー。2015年ルワンダCOE(カップ・オブ・エクセレンス)3位入賞ロット。
 青リンゴを思わせるさわやかな酸味が印象的。夏みかんのような風味も感じさせる。ただ、苦味とえぐみが混ざったようなクセもあって、好みが分かれるかもしれない。薄めに淹れた方がおいしいかな。

工房 横井珈琲』札幌市西区発寒9条11丁目2-11(地図

2017年2月4日土曜日

『メキシコ・エル・ピノ/エル・セドロ(2015)』横井珈琲

 Mexico El Pino / El Cedro。メキシコのエル・ピノ農園とエル・セドロ農園のコーヒーを交ぜたもの。2015年のCOE(カップ・オブ・エクセレンス)1位の豆。
 とてもフルーティでマンゴーを思わせる風味がある。やや強いやわらかい酸味と、しっかりとしたボディが印象的。チョコレートっぽい感じもある。どっしりとした存在感のせいか、お菓子を一緒にとらなくてもお腹が満足する。堂々としていて、王者にふさわしい。

工房 横井珈琲』札幌市西区発寒9条11丁目2-11(地図

『マニエリスム芸術論』若桑 みどり

 ちくま学芸文庫。
 手法や様式といった意味の「マニエラ」という言葉から派生した「マニエリスム」は、ルネサンスとバロックの間頃に花開いた芸術の様式概念である。でもこの本が書かれた1970年代は、まだ日本では定着していなかった言葉だったのだという。そんな時代に編まれた先駆的な硬派の芸術論が本書である。
 マニエリスムというと「ねじれ」や「寓意(アレゴリー)」が特徴的なのだというおぼろげな知識はあったものの、その背後にある思想や時代背景、あるいは実際にその作品を作った芸術家についてはよくわかっていなかった。本書における中心人物のひとりであるミケランジェロは、私の中ではルネサンスの芸術家だったし、ブロンズィーノがどの時代の人だったのかすらよく知らなかった。キリスト教や宗教改革、新プラトン主義が芸術に与えた影響なんてものも考えたこともなかった。それがどうだろう。本書で行われている緻密な議論を読むと、何だかそれらが立体的に浮かび上がってくる。ただの表層的な絵や彫刻の見た目の話だけじゃなくて、その絵や彫刻がどうしてそのようにデザインされることになったのか、根本の思想から解きほぐしていく。
 文体は硬くて論文調だし、平気で専門用語を混ぜてくるし、内容も込み入っていて難しいけれど、マニエリスムがどのような芸術だったのか根っこからきちんと勉強したい人には、とてもいい参考書になると思う。

2017年2月2日木曜日

『コスタリカ・ブルマス・ヴィジャサルチ(2016)』横井珈琲

 Costa Rica Brumas Del Zurqui Villa Sarchi。コスタリカのブルマス・デル・スルキという小規模生産処理場(マイクロミル)のエル・セントロ農園(El Centro)のコーヒー。ヴィジャサルチは品種名(ブルボン種がこの土地独自に変化した土着品種)。レッドハニープロセスの深煎り。
 深煎りのせいか、酸味はあまり感じられない。コスタリカは酸味、という私の勝手な観念は破棄しなければならないようだ。ビターチョコのような苦味が醸し出す刺激が、気分をしゃきっとさせてくれる。口の中に長く残るプラムのような余韻がいい。私好みのおいしいコーヒー。

工房 横井珈琲』札幌市西区発寒9条11丁目2-11(地図