2016年12月30日金曜日

『ウガンダ』宮越屋珈琲

 ふだんから宮越屋珈琲のカフェはよく利用しており、店内でコーヒーを飲む機会はあるのだけれど、豆を購入したことはなかった。今回「ウガンダ」が安売りしていたので、つい購入してしまった。
 味はカフェで出すコーヒーと同じく、ガツンとしたパワフルな苦みが口に刺激を与える。そしてその苦みの中に、ナッツやチョコレートの風味が感じられる。こう言っては失礼かもしれないが、思っていたよりもちゃんとした豆で、期待以上の味を楽しむことができた。深みのある苦みがとてもいい。

宮越屋珈琲

2016年12月29日木曜日

『いま哲学に何ができるのか?』ガリー・ガッティング

 ディスカヴァー・トゥエンティワン。Gary Gutting。外山次郎 訳。
 学術的哲学とは違って、本書は専門的で特殊な研究を社会に適用していく大衆哲学の視点から、様々な社会問題に切り込んでいる。政策論争についてや、科学の限界の話、無神論と有神論、資本主義社会における教育、アートの価値、人工妊娠中絶といった問題について、哲学はどう取り組んでいるのか解説している。
 興味深い論点も提示されているし、その解決策も新鮮でおもしろかったりもする。でも私にはこの本がいったい何を言いたいのか、実のところよくわからなかった。そんなに難しい単語が使われているわけでもないし、言葉遣いもやさしい。なのに何度読んでも文の意味がさっぱりとれないところが結構あった。私の理解力のなさが原因なんだろうとは思う。初心者向けの本ではないのかもしれない。本を読む力が最近落ちてきたような気がして、気持ちが沈んでしまった。

2016年12月15日木曜日

『清香黄金桂(2016)』遊茶

 せいこうおうごんけい。
 青茶(烏龍茶系)で、発酵度が低めの中国茶。鉄観音と同じ福建省の安渓が原産だけれど、こっちの方が上品で澄んだ感じがする。品種は黄旦(こうたん)。透明感のある黄金色の見た目と、桂花(キンモクセイ)の花を思わせる香りとから、黄金桂と名付けられたという。でも実際に煎れてみると、水色は黄金というよりは緑がかっている。甘い乳香と呼ばれる香りがして、舌を包み込む甘みもまたいい。おいしい。

遊茶』東京都渋谷区神宮前 5-8-5

2016年12月11日日曜日

『chouchou』上白石萌音

 2016年。かみしらいしもね。
 テレビの歌番組で『なんでもないや』を歌っているのを聴いて、いいなと思った。楽曲はメロディもとりづらいし今っぽい曲ですんなり受け入れづらかったけれど、上白石のちょっとハスキーがかったところのある伸びやかで透明感のある声がとても印象的だった。何度か聴いていると、この曲のゆったりとした感じが、彼女の特長を表現するのにぴったりな曲だと思い直した。
 このアルバムは彼女のデビューアルバムで、洋画や邦画、アニメで使われていた曲をカヴァーしたものだ。バラードっぽい曲が多く、彼女の声をしっとりと聴かせてくれる。英語の曲はちょっと苦手だったけれど、『366日』、『Woman "Wの悲劇"より』、『変わらないもの』など、日本語の曲は好きだった。

2016年12月10日土曜日

『いま世界の哲学者が考えていること』岡本 裕一朗

 ダイヤモンド社。
 はじめの章では20世紀以降の哲学の流れを概観しつつ、21世紀、つまり今の哲学の潮流を解説している。そしてその後の章で、個別の事例について世界の哲学者がどう考えているのか紹介している。
 SNSやスマートフォンの普及、マイナンバー制度の創設、人工知能といったIT革命が人類に何をもたらすのかという問題。クローン人間の権利をどう考えるかや、再生医療で寿命が延びることや犯罪者となる可能性のある人は隔離すべきかといったバイオテクノロジーの問題。資本主義が生む格差は本当に悪なのかといった資本主義の今後についての問題。文明の衝突などの宗教の問題。環境保護論は正しいかといった環境問題。これらの問題に対して、今、世界の哲学者がどういったアプローチをしているのか、複数の立場から紹介している。
 ただ、著者は「いずれかの立場に与して、その観点から主張を押しつけるような書き方をして」いないと述べているが、そんなことはないと思う。クローン人間はいてもいいじゃないかとか、地球温暖化論は重要じゃないとか、そういった立場からの主張を著者もまた受け入れているように思われる。それは一般の日本人からするとドキッとする内容であろうから、もしかすると著者は一般常識と思われる考えも実は間違いなのかもしれないとの例を出すことによって、我々を揺さぶり、議論のバランスをとろうとしているのかもしれない。実際私はこの本を読むことによって、自分の考えとは違う人たちの主張の存在を知り、元々の自分の考えが正しかったのかどうか反省し直す契機になった。当たり前のように感じていたことが実はそうではないかもしれないと思い返すきっかけになった。何が正しくて何が正しくないのか容易にはわからないし、容易にわかろうとしてもいけないのだろう。いろいろな立場からのものの見方を学び、自分の考えをまとめていく作業の重要性を感じた。

2016年12月3日土曜日

『あ、お地蔵サンタ』

 11月29日~12月25日が会期の講談社フェーマススクールズのクリスマスイラスト展に出展しました。葉書サイズの切り絵です。

『GALLERYフェーマス』東京都文京区本駒込3-20-3 講談社FSビル1F

『阿里山金萱高山茶』遊茶

 ありさんきんせんこうざんちゃ。
 青茶(烏龍茶系)で、発酵度が低めの台湾茶。海抜1,000m以上の高山で栽培される、金萱という品種のお茶。緑色にころんと丸まった形がかわいい。乳香と呼ばれるちょっとミルキーな甘い香りが特徴だけれど、清流のようにすっきりと澄んだ味がする。うまみがしっかりと出ていて、甘くておいしい。もうちょっとボディが強いほうが好みだけれど、これくらいの方が上品な感じがしていいのかもしれない。

遊茶』東京都渋谷区神宮前 5-8-5

『20thアニバーサリーブレンド/ありがとう』横井珈琲

 横井珈琲ができて20周年を記念したブレンド。今横井珈琲のサイトを調べてみたら、もう既に販売終了になっていた。でもうちにはまだちょっと残ってるのでその感想。
 グアテマラ、コスタリカなどの豆を使っている。深煎りと中煎りの豆をブレンドしているけれど、どの産地のものが深煎りで、どの産地のものが中煎りなのかはわからない。全体的に苦味系のブレンドだけれど、苦過ぎるわけではなく、やわらかい舌触りで飲みやすい。ブラックチェリーにミルクチョコの風味。結構好きなブレンドなんだけど、もう売られていないというのはちょっとさびしい。

工房 横井珈琲』札幌市西区発寒9条11丁目2-11(地図

2016年12月2日金曜日

『哲学の謎』野矢 茂樹

 講談社現代新書。
 地球上からいっさいの生物が絶滅したとして、それでも夕焼けはなお赤いだろうか。
 のっけからそんな問いに襲われる。え?赤いに決まってるじゃん。何言ってんの?とつい口にしたくなる。が、例えば赤を認識しない生物だけからなる星の夕焼けは赤いか?と考え直してみると、はじめの問いはあながちおかしな疑問ではないことに気づかされる。
 これは、哲学の謎を巡る「ぼく」と「私」の2人の対話集である。難しい哲学用語も哲学者の名前もまったく出てこない。ただ、ちょっとした疑問と、それについてのいろんな考え方だけが話される。

 世界はたった5分前に始まったばかりで、周りにあるモノもぼくたちの記憶もすべて5分前につくられた。だからそれよりもずっと前から世界は始まっている気になっているけれど、実は違うんだよ。昔の記憶ごと5分前につくられたんだよ。

 ぼくが見ている「赤」と君が見ている「赤」って本当に同じなんだろうか。実は違う風に見えていて、たまたま同じようにそれを「赤」と呼んでるだけなんじゃないだろうか。

 ホントにちょっとした疑問、でもそう簡単には答えづらい、というか答えられない疑問。そんな哲学の謎を巡るぼくたちの冒険。「ぼく」と「私」はいろいろな方向から答えを見いだそうとするけれど、答えは出ない。謎は謎のまま残される。
 哲学する、っていうのは、こういうことなんだ。思春期の頃にふっと頭の隅に沸いた「ぼくは違う星から来た王子で、それまでの記憶を全部消されて、地球の記憶だけを植え付けられたんだ」というような他愛もない妄想も、もしかしたら哲学の入り口に一歩足を踏み入れていたということなのかもしれない。 なんかそんな風に思えて、哲学が身近に感じられた。哲学は、小難しいことばかり考えている「哲学者」と呼ばれる人たちの専売特許ではないんだよ、とこの本は教えてくれる。

2016年12月1日木曜日

『KTRxGTR』押尾コータロー

 2016年。
 押尾コータローらしさの詰まったアルバムだな、と思った。
 1人で弾いているとは思えないとデビュー当時よくいわれていた、メロディとバッキングを一緒に弾くタイプの曲(『Together!!!』とか『my best season』)。低音を激しく聴かせて勢いのある『蜃気楼』や『JOKER』みたいな曲。ウクレレみたいなかわいらしさのある『えんぴつと五線譜』、『茜色のブランコ』。『同級生~Innocent Days~』、『空と風のワルツ』のような渋いギターの音を生かしたバラード。澄んだギターの音色が心地よい『Moment』、『Birthday』。パーカッションとの絡みがばっちりはまった『BE UP!』。DEPAPEPEのギターにNAOTOのバイオリンと押尾のギターの息がぴったりと合ってる『Magical Beautiful Seasons』。Galileo Galileiの尾崎雄貴の歌とのコラボ『同級生』。
 バラエティに富んでいながらも、どれも押尾らしくメロディを大事にした演奏で、バランスが取れている。そして、録音がいいのか演奏がいいのか、どの曲も使用しているギターの音の違いがよくわかる。いいと思う。