2016年10月29日土曜日

『さんかくらいふ(2016)』横井珈琲

 2016年9月1日発売の新ブレンド。以前この珈琲店では「横井のさんかくらいふ」というブレンドを出していて、これはそのリニューアル版ということなんだと思う。ホンジュラスの深煎りがベースになっていて、それにグァテマラ、ブラジルの豆を合わせているとホームページにはあったが、購入した袋には、コスタリカ、ブラジル他と書いてあった。ブレンドはその時々によって豆の構成が変わるらしい。また、「さんかく」というのは、生産者と客と横井珈琲で三角をつくるということらしい。
 (アメリカンチェリーじゃなくて)日本のサクランボとかビワのような、すっきりとした風味がある。ちょっとナッツっぽいところもある。キレがあって、凜としたたたずまいをしている。値段の割においしいので、お得な感じ。

工房 横井珈琲』札幌市西区発寒9条11丁目2-11(地図

2016年10月28日金曜日

『Day Breaks』Norah Jones

 2016年。ノラ・ジョーンズ。4年ぶりのニューアルバム。
 久しぶりにピアノを弾いている気がする。ここのところギターを手にしていたから。カントリーは封印して、ジャジーなアルバムに仕上げている。ホレス・シルバー(Horace Silver)の『Peace』とか、デューク・エリントン(Duke Ellington)の『Fleurette Africaine』とかのカヴァーもあったりして。そういえばニール・ヤング(Neil Young)の『Don't Be Denied』なんかも弾いている。オリジナルでは、『It's a Wonderful Time For Love』とか『Carry On』がいい雰囲気を出していて好きですね。基本的にジャズ寄りだけれど、ロックっぽい『Flipside』みたいなのもある。
 正直なところ、すごく好きな曲は『Carry On』くらいだけれど、悪くないです。ここのところずっと聴いていました。

2016年10月16日日曜日

有象無象百楽繪 vol.4 秋

 2016年10月18日~10月23日。うぞうむぞうひゃくらくかい。
 北海道を中心に活動している趣味の絵描きやイラストレーターが集まってできた「針槐(はりえんじゅ)の会」のグループ展です。札幌にある大通美術館というギャラリーで開催されます。画材も描きたい絵も違う22人が参加する何でもあり(写実から抽象画、童画、似顔絵等々)の展覧会なので、楽しめるかと。私も詩月あきという名前で3点出品しています。お暇な人はぜひ。

針槐の会HP
大通美術館』札幌市中央区大通西5丁目11 大五ビル

2016年10月15日土曜日

『Nashville Sessions』Jake Shimabukuro

 2016年。ジェイク・シマブクロ。ナッシュビル・セッションズ。
 この日本盤にはボーナストラックが3曲入っている。本編とこの3曲は分けて考えなければならない。
 本編は、ウクレレがジェイク・シマブクロ、ベースにノーラン・ヴァーナー(Nolan Verner)、ドラムスにエヴァン・ハッチングズ(Evan Hutchings)というトリオ構成で、アメリカのナッシュビルで行ったスタジオ・セッションによるものだ。そしてこれらの曲はロックやジャズといった様々なアプローチから、ウクレレとは思えない迫力の音楽を繰り広げている。ほんわかとしたウクレレのイメージを根底から覆してくれる。ディストーションを利かせた音質の点だけではなく、リズム、メロディすべてがぶっ飛んでいる。ありていに言えば、すごくかっこいい。
 それに対してボーナストラックの3曲は、ウクレレらしいからっとした音の、明るくてさわやかな音楽だ。これらもいい曲ではあるけれど、このアルバムの趣旨からすると、余計なトラックだと思う。 セッション1本でまとめてほしかった。

『若き芸術家たちへ』佐藤忠良、安野光雅

 中公文庫。副題『ねがいは「普通」』。
 彫刻家・佐藤忠良と画家・安野光雅による3回の対談をまとめたもの。それぞれの幼少期から今までの生活や出会いの話や、芸術についての話など、ざっくばらんに語られる。自然から学ぶ大切さ、実物をよく観察して書くことの大切さ、奇をてらう必要なんてないことなど、とても大事なことが書かれていると思う。写真についてやスーパーリアリズムについての考え方に対して、それは古い、と思う人がいるかもしれないけれど、私はなるほどと腑に落ちた。最近の私は絵を描くときに考えすぎてしまって袋小路に陥ることが多いのだが、周りに振り回されずに原点に立ち返って絵を描く大切さを教えられたような気がする。

『Good As I Been To You』Bob Dylan

 1992年。ボブ・ディランが古いトラディショナルフォークやブルースばかりをカヴァーした、アコースティックギターとハーモニカと歌だけによるシンプルなアルバム。
 ボブ・ディランがノーベル文学賞を受賞したのいうので、手持ちのディランのアルバムを探したんだけれど、この1枚しかなかった。文学賞はたぶん歌詞を評価しただろうに、この曲にはオリジナルが入っていない。何とも間抜けな私だなと思う。彼のアルバムはカセットテープでは4、5枚持っていたはずなんだけど(年がばれる)、CDを買ったのはこの1枚だけだったんですね。でも他のアーティストの歌ったディランの曲の入ったアルバムなら持っている。P.P.Mの歌う『風に吹かれて(Blowin' In the Wind)』がそれ。これもまあ、微妙な話だけれど。結局ディランの歌うディランの曲は1枚もうちにはないわけで。ちょっとほかのアルバムも漁ってみようかなと思っているところ。
 それはさておき、このカヴァーアルバム、結構いいです。ギターが滅茶苦茶うまい。彼独特の声と歌い方と、この味のあるギターが絶妙にあっている。 オリジナルを歌わないディランを評価しないファンも多いみたいだけれど、こういう曲を歌うディランもまた、「ボブ・ディラン」なのだと思う。

2016年10月10日月曜日

『ボリビア・アグロ・タケシ・カトゥアイ(2016)』横井珈琲

 Bolivia Agro Takesi Catuai。ボリビアのアグロ・タケシ農園。農園が高地にあり熟成に時間がかかるので、独特の風味を醸し出しているという。カトゥアイは品種で、カトゥーラ種とムンドノーボ種を掛け合わせたもの。
 アグロ・タケシ農園のコーヒーはティピカ種は何度も飲んだことがあるけれど、カトゥアイ種は初めてだと思う。発寒本店で試飲会をやっていて、この豆の中煎りと深煎りが出されていたのだけれど、中煎りの方がしっくりきたのでこちらを購入。まだメニューには出ていないけれど、10月中旬には店頭に並ぶ予定と聞いた。口にすると、サクランボやミカン、ビワの風味を感じた。香りもフルーティで、華やかな感じがする。このコーヒーの良さは苦味よりも酸味にあるように思うので、淹れるときは苦味をあまり出さないように気をつけるといいと思う。抽出温度を高くしすぎないとか、豆の量を多くしすぎないとか、そんなとこ。おいしいです。

工房 横井珈琲』札幌市西区発寒9条11丁目2-11(地図

2016年10月8日土曜日

『Guitar Is Beautiful KW45』渡辺 香津美

 2016年。
 今年ギター生活45周年を迎えた渡辺香津美が、今をときめく11人のギタリストとともにデュオ形式で奏でる11曲の音楽。そしてそれぞれが16小節分のソロを担当して1曲にまとめた『Island-Hop』の計12曲が収められている。
 フラメンコの沖仁、ボサノヴァの伊藤ゴロー、ロックのSUGIZO、フォーク(といっていいのかな?)の高田漣、ソロギターの押尾コータローなど、出自も様々なギタリストが参加しているが、すべてに渡辺のギターが入っているせいか、全体的にジャジーな雰囲気がある。そしてデュオのどちらのギターも本気のぶつかり合いをしていて、ものすごく濃密な音楽になっている(それがちょっと聴く方としては重たすぎな面もあるにはあるのだけれど)。
 好きだったのは、Charと弾いたビートルズの『Here, There and Everywhere』、マイク・スターン(Mike Stern)との『Soleil』、リー・リトナー(Lee Ritenour)との『Ripple Ring』、井上銘との『Jammi』あたり。

『無限論の教室』野矢 茂樹

 講談社現代新書。
 アキレスと亀という話がある。亀にちょっとしたハンデを与えて競走するんだけど、アキレスが亀のいるところまで走ると、その間に亀はいくぶんかは先に進んでいて、さらにアキレスがその亀のいたところまで走ると、やっぱり亀はいくぶんかは先に進んでいて、いつまで経ってもアキレスは亀に追いつけないというパラドックス。そんな誰もが一度は聞いたことがありそうな話題をきっかけに、カントールの無限集合論、ラッセルのパラドックス、ゲーデルの不完全性定理まで進んでいく。
 小説風の話になっていて、タジマ先生の講義を女子学生タカムラさんとぼくの2人が受けるという対話形式の体裁になっている。時にはジョークを交えながらの軽妙なタッチで描く学園ドラマ(?)はなかなかに楽しい。無限論にも実無限派と可能無限派の2派があり、実無限派の方が多数派らしいのだが、タジマ先生は可能無限派の立場をとっている。私が学生時代に習った数学は明らかに実無限派のものだったので、タジマ先生の推す可能無限派の主張を聞くと新鮮だった。そういう考え方もあるのか。
 本書全体は軽いタッチで書かれているのだが、実のところ後半は結構難しい。ゲーデルの不完全性定理なんかは正直言ってよくわからなかった。でもこの本はおもしろいです。3人の絶妙なやりとりが何とも言えない。続編があったらよかったのに。

『こく深ブレンド(2016)』徳光珈琲

 フレンチロースト。深煎りの苦味の強いブレンド。
 フレンチローストのコーヒーなんてすごい久しぶりに買った。喫茶店ではこういうコーヒーをよく飲むけれど、家ではフレンチローストのコーヒーはしばらく飲んでいたなかった。以前は酸味よりも苦味のあるコーヒーが好きだったから。いつ頃からだろう。好みが少しずつ変化してきたのは。
 さて、このコーヒー。ただ苦いだけでなく、その名のとおりコクもある。舌触りは滑らかだけれど、喉の奥の方に苦味による刺激を感じる。そのまま飲むのもいいけれど、ロイズの生チョコなんかを一緒に合わせるともっといい。今日は季節限定のマロンの生チョコにしてみた。うん、おいしい。

徳光珈琲

2016年10月1日土曜日

『My Funny Valentine』Miles Davis

 1964年にリンカーンセンターで行われたコンサートの一部を収めている。同時に録音、リリースされた『Four and More』と対になるアルバムで、『Four and More』では割と激しめの曲が、そして本アルバムではスタンダード曲を中心としたおとなしめの曲が収録されている。マイルス・デイヴィスはもちろんトランペットで、テナーサックスにジョージ・コールマン(George Coleman)、ピアノにハービー・ハンコック(Herbie Hancock)、ベースがロン・カーター(Ron Carter)、ドラムスがトニー・ウィリアムズ(Tony Williams)という構成になっている。このころのマイルスの音楽は、フリー・ブローイング時代と呼ばれるらしい。
 大分前に購入してCD用の棚に置いてあったのを久しぶりに取り出して聴いてみたら、すごくよかった。こんなに素敵なアルバムだったっけ、という感じ。もしかするとこの時代のマイルス・デイヴィスが一番好きなのかもしれないなと思った。

『しぐさで読む美術史』宮下 規久朗

 ちくま文庫。
 「走る」「踊る」「殴る」「怒り」「寝そべる」など、40のしぐさに注目して美術史を語る。取り上げている美術作品は西洋絵画にとどまらず、東洋絵画や彫刻にまで及ぶ。ほぼ2ページに1ページが図版で、しかもカラーなのがよい。これまで見たことがない作品も多く、その中に気に入ったものが結構多くあったこともうれしかった。
 ただ、「頭に手を置く」や「天を指す」などのように、裏に宗教的な意味が隠されているようなしぐさについての解説は興味深かったが、「食べる」とか「支払う」とか、特に深い意味はなくごく日常的なしぐさについての解説は多少退屈だった。同じ著者の、リンゴやユリなどの事物に絡めた『モチーフで読む美術史』については面白く読めたのだけれど。「しぐさ」は現代人にとって「モチーフ」よりも難解ではないので、新しい発見があまりないということなのだと思う。視点は悪くないと思うのだけれど。