2016年1月31日日曜日

『グァテマラ・サン・ラファエル・ウリアス』横井珈琲

 Guatemala San Rafael Urias。グァテマラのアンティグアにあるサン・ラファエル・ウリアス農園のコーヒー。
 冷めてくると苦味が和らいでくるけれど、淹れ立てはわりと苦味が強く感じられる。苦味系のコーヒーは久しぶりかも。せいぜい中深煎りで、決して深煎りではないんだけど。口に含んだ感じは、カカオとかチョコレート(同じか?)っぽい雰囲気がある。時間が経つと、ナッツ系の風味が前に出てくる。口当たりは滑らかながら、どっしりとしている。朝じゃなくて、夜にゆったりと飲みたい。

工房 横井珈琲』札幌市西区発寒9条11丁目2-11(地図

『「科学的思考」のレッスン』戸田山 和久

 NHK出版新書。副題『学校で教えてくれないサイエンス』。
 2部構成になっている。
 第I部では「科学的に考えるってどういうこと?」と題して、科学というものがどうやって世界を捉えて、どういう風に営まれているか、つまり科学とはどういうものかについて書かれている。理論、事実、仮説、実験、観察などがキーワードになっていて、プレートテクトニクスの話とかニュートンのやったこと、疑似科学などを例にしながら解説しており、とてもわかりやすい。
 第II部では、「デキル市民の科学リテラシー」と題して、被爆リスクを例にとり、科学者でない市民にとって科学リテラシーを身につける意味、そもそも科学リテラシーとは何か、市民とは何かという問題を扱っている。こっちの方は被爆リスクという実例があって、それに関連づける形で「デキル市民の科学リテラシー」を10個挙げているのだが、そのつながりは少しわかりづらい。とはいえ、市民を大衆とは区別して、市民が科学とどう向き合い、科学で解決できる部分と解決できない部分をどう見極め、科学とともにどのようによりよい社会を作っていけばいいのか、多くの示唆を与えてくれる。思うにこの後半部分に対する著者の思い入れは強かったのではないだろうか。内容的にもこの社会のあり方をも含む大きなテーマなので、新書版の一部を占めるだけの紙幅ではいい足りない部分も多かったのではないか。少しかけあしすぎて消化不良になった感があるので、第II部だけで1冊の本にして、十分な議論を展開してもらいたい気がした。
 全体としては、科学という営みについて知るためのよい参考書であると思う。

2016年1月29日金曜日

『Trio』Debbie Poryes

 1982年の録音。デビー・ポーリス(piano)。Hein Van De Geyn (b)、Hans Eykenaar (ds)。
 デビー・ポーリスのデビュー・アルバム。知らない人だったのだが、いつもやってしまうジャケ買い。彼女はこのアルバムのあと25年間も消息を絶っていたという(音楽活動から、ということなのだろうが)。2007年の『Song in Jazz』以降、また活動を始めたらしい。
 このアルバムはとても聴きやすい。重くなく軽いタッチでさらっと弾いている感じ。ベースの絡みもよく、トリオという形式はこのピアノに合っているような気がする。ちょっとビル・エヴァンスっぽい雰囲気もあったりする。わりと好き。

2016年1月25日月曜日

『コスタリカ・ラ・リア・サンタ・ローサ1900/レッド・ハニー(2016)』横井珈琲

 Costa Rica La Lia Santa Rosa 1900。コスタリカのラ・リアという小規模生産処理場(マイクロミル)のコーヒー。サンタ・ローサ1900は農園名。レッド・ハニーは豆の処理方法(レッド・ハニー・プロセス)。
 ネクタリンのような、ちょっとねっとりとしたフルーティな風味がある。でも全然嫌みな感じではなく、すっきりとしていながらもやわらかい酸味が心地いい。苦味はほとんど感じられず、甘さが際立つ。とてもバランスの取れたおいしいコーヒー。

工房 横井珈琲』札幌市西区発寒9条11丁目2-11(地図

2016年1月24日日曜日

『南澤大介のソロ・ギター・アレンジ入門』

 シンコーミュージック・エンタテイメント。副題『お気に入りのメロディをギターの独奏曲にする方法』。
 好きな曲をギターソロで弾けたらどんなに楽しいだろう。だったら自分でアレンジして弾いちゃおう、というコンセプトでこの本は書かれている。
 まずは『アメイジング・グレイス』を使ってアレンジの基本手順を学び、そのあとで、『オーラ・リー』、『ホーム・スイート・ホーム』、『きらきら星』、『荒城の月』で、「飾り」、「雰囲気」、「メロディ」などに注目して様々なギター・ソロ・アレンジを見せてくれる。最後に音楽理論についても少し触れているが、基本的には音楽理論を知らなくてもまずはアレンジしてみようという感じで、気楽に取り組めるようになっている。ジャズアレンジとかボサノヴァアレンジとか特殊奏法は簡単にはいかないなという感じはしたが、その他のアレンジはすぐにでもできそうな気がした。
 きっちりと理論的にアレンジすることを読者には求めておらず、この本に載っている多くのアレンジ例を参考に自分でやってみてはどうだろうかというスタンスの本だ。移調の仕方をどうしてこんなめんどくさい方法で説明してるんだろうと思ったりもしたが、入門としては本書くらいの内容でいいのかもしれない。

『作詞の勉強本』島崎 貴光

 リットーミュージック。副題『「目線」と「発想」の拡大が共感を生む物語を描き出す鍵となる』。
 本の内容は副題が見事に適切に説明してくれているのだが、作詞で重要なのは「共感を生む」ことであり、そのために「目線」と「発想」をどうやって拡大すればいいのか、重点的に解説している。
 例えば「目覚め」ひとつを取っても、誰からの視点で見るか、状況はどうなのかというのは様々に考えられるし、「リンゴ」にしてもいろんな方向に連想することができる。ふだん何気なく生活しているとすべてが今起こっているようにしか見えなかったりするけれど、目線の取り方を変えたり、いつもとは違う発想をしてみると、どんどん世界が広がってくる。この本を読むと、そうやって世界をいろいろな角度から見ることができるようになる。そのための訓練が自然とできる。
 これは作詞の本だけれど、ここに書かれていることは絵を描いたり絵本のストーリーを考えたりするのにも応用できると思った。私は発想力や創造性が非常に乏しいのだが、この本を読むことでそれらを伸ばすためのヒントをもらったような気がした。
 なお、本書は「目線」と「発想」の拡大を重点に置いているので、曲に詞を当てはめるためのコツだとか、作詞自体のテクニックとかそういうものにはあまり触れていない。そういうことを知りたければ他書にあたる方がいいと思うが、本書を読んで得られるものの方が大きいと思う。

2016年1月23日土曜日

『walzer』Henning Schmiedt

 2015年。ヘニング・シュミートによるピアノソロ・アルバム。
 ダンスにインスピレーションを受けてレコーディングしたのだそうだ。タイトルはワルツだけれど、3拍子の曲ばかりというわけではなく、4拍子など他の拍子の曲も交じっている。大きくダンスという括りで捉えればいいのだろう。低音があまり多くなく、シンプルなメロディの軽やかな印象の曲が多い。でも決して明るいイメージばかりではない。ちょっと哀愁を感じさせるものもあり、聴く方としてはあまりダンスとは関連づけないでただ音に身を任せていればいいのだと思う。何をしていても邪魔にならない音楽なので、ずっとかけ流している。『fernblau』が特に気に入った。

2016年1月20日水曜日

『ゼロからの作詞入門』井筒 日美

 ヤマハミュージックメディア。副題『プロ直伝の考え方とテクニック』。
 確かに初めての人にもわかりやすい。作詞は何から始めればいいのか。テーマ、ストーリー、構成はどうすればいいのか。フレーズのつくり方や比喩、対句などのテクニック、作詞力を付けるための方法など。作詞についての大まかなところを網羅している。実際に著者が作詞したものからの例文も多く、実践的でもある。
 しかしながら、この本を読んで作詞ができるようになるとは思えなかった。本に書かれている内容と著者による作詞例の間にはどうしても超えられないような壁を感じた。これをきっと作詞センスというのだろう。この本はあくまで作詞を始めるきっかけであり、実際にまともな詞を書けるようになるためには長い長い道のりが必要であるように思った。だからこそ本書は「入門」と銘打っているのだろうが。

2016年1月19日火曜日

『薬学教室へようこそ』二井 將光

 講談社ブルーバックス。副題『いのちを守るクスリを知る旅』。
 クスリとは何かから始まって、創薬や法律、感染症や長寿社会との関わり、投与や代謝、薬剤師についてなど、クスリについて様々な観点から教えてくれる(なぜ本書では薬のことを「クスリ」と表記しているのか、私にはわからない)。しかし実際のところ本書の構成は、抗菌薬やガンのクスリやアルツハイマーのクスリなど個別のクスリについての解説が3分の2、クスリ全体の仕組みなどについてが6分の1、薬剤師や薬学部についての話が6分の1くらいの割合で書かれている。それぞれについての解説は基本的にはさらっとしていて、薬学について広く紹介しているという感じだ(たまに急に難しくなったりするけれど)。
 薬学について概要だけをざっくりと知りたい人にはいいかもしれないけれど、ちょっと淡々としすぎているように感じた。どこかの薬学部の募集パンフレットみたいだと思った。

2016年1月17日日曜日

『もじ部』雪朱里+グラフィック社編集部

 グラフィック社。副題『書体デザイナーに聞くデザインの背景・フォント選びと使い方のコツ』。
 『デザインのひきだし』という雑誌で連載されていた「もじ部 フォントの目利きになる!」をまとめたもの。『デザインのひきだし』読者が部員となり、鳥海修、マシュー・カーター、小林章、小塚昌彦といった名だたる書体デザイナーがその都度部長となって、文字、フォント、書体についてレクチャーするという形をとっている。書体を作った背景、デザインの仕方、書体の使われ方、書体を使うときの注意など、デザイナー本人の解説が直接聞けて、とてもおもしろい。全部で14章ちょっと。文字好きな人は是非。

2016年1月16日土曜日

『子猫のロンド』近藤 研二

 2015年。
 近藤は昨年(2015年)春に栗コーダーカルテットを脱退したばかりで、これが初のソロアルバムになる。栗コーダーカルテットのメンバーの名前は彼しか知らなかったから、ちょっとさびしい感じもしていた。
 そしてこのアルバム、ギターソロとウクレレソロのみからなっているミニマムな構成で、とってもかわいいアルバムだ。メロディが聴きやすく、アレンジもいい。カントリーっぽいのもあれば、クラシックっぽいのもある。ギターはスティールギターとガットギターを使っている。すべて指弾きだけれど、雰囲気をうまく使い分けていて飽きさせない。どの曲もオリジナルとは思えない昔からあるような感じで、抜群の安定感がある。『おじいさんの11ヶ月』、『toi toi toi』、『つみきのいえ』は、もしかするとどこかで聞いたことがある人もいるかもしれない。
 ただひとつ、録音のせいか音がちょっとこもった感じがするのが残念。音質がもうちょっとよかったら最高だったのに。でもとても好きなアルバムです。

2016年1月10日日曜日

『横井のチ・カ・ラ』横井珈琲

 横井珈琲のさわやか系ブレンド。店主の名前が横井力さんとおっしゃるので、それにかけている。
 オレンジやミカンといった柑橘系の酸味がある飲みやすいブレンド。香りはあまり強くない。朝飲むと、すっきりした気持ちで1日が始まりそう。

工房 横井珈琲』札幌市西区発寒9条11丁目2-11(地図

『消費社会の神話と構造』ジャン・ボードリヤール

 紀伊國屋書店。今村仁司、塚原史、訳。
 モノを買ったり使ったりして消費するということは金銭価値を交換しているということであり、使用価値を利用してるんだと、そう捉えがちだけれど、実際は階級だったり社会的権威、幸福感の差異を示す「記号」に過ぎないんだ。しかもそれはモノの購買だけでなく、ファッションや教養、娯楽、余暇、芸術、暴力という様々なものをも包括する概念なんだ、とそんなことを言っているような気がする。消費ということを経済学で用いるように狭く考えるのではなく、もっと大きなシステムとして考えている。そして今の社会を消費社会と読んでいるのだと思うけれど、私は消費ということをこんなに大きなレベルで考えたことがなかったので、え?消費社会ってこういうことなの?消費社会を担っている人は本当は(無意識的にでも)こんなことを考えて行動しているの?と驚きの連続だった。そこまで深読みしなくてもいいんじゃないかと思うことも結構あったけれど、社会は意外と確固たるシステムをなして動いていて、我々はそんな社会の中で踊らされているだけなのかもしれない(そんなことは著者は言っていなかったかもしれないけれど)。
 とこんな風に感想を述べてみたけれど、私にとっては本書の文体も内容もちょっと難しすぎて、ついていけないところが多々あった。昔はこういう本もちゃんと読めていたと思うんだけど、ふだん新書とか軽い本ばかり読んでいると、かたい文章は読めなくなってしまうんだなと思った。

2016年1月7日木曜日

『What You Want』JUJU

 2015年。
 初めてJUJUのアルバムを買った(私はシングルは買わない)。テレビで聴いた『PLAYBACK』がとても気に入ったから。うん、やっぱりいい。ほかに『What You Want』もよかった。彼女の歌はほとんど聴いたことがなかったから、新鮮だった。全体としてよい曲が揃っていると思った。私が小学校から高校までの間に聴いたような懐かしさを覚えるキャッチーな旋律が多かった。日本的なポップという感じがした。

2016年1月3日日曜日

『RYUKYU STANDARD』比屋定篤子×サトウユウ子

 2015年。
 サトウユウ子の弾くピアノに合わせて比屋定篤子が歌う琉球の童唄。でしゃばらずに歌に寄り添い、かといって単調ではないピアノの音が心地よい。当初、力は抜けていながらもやや張りのある比屋定(ひやじょう)の声が気にはなったが、聴いているうちにこれくらい特徴のある声の方が澄んだピアノの音の上では映えるのかもしれないと思うようになった。アルバム全体としてとても落ち着いた感じで、ゆったりとした気分に浸れる。ちょっと洗練されたオシャレ感のある琉球アルバム。

2016年1月1日金曜日

2016新年

あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

画像の下半分を書いていないと、バランスが悪いですね。