2015年1月26日月曜日

『コスタリカ・エルバス・ゲイシャ(2015)』横井珈琲

 Costa Rica Herbazu Geisha。コスタリカのエルバス農園のコーヒー。ゲイシャは品種名。
 ピーチ、アプリコットを口にしたような甘み。なめらかな舌触り。上品な香り。口の中に広がるふくよかな余韻。そう、後味がすごくいいんです。ずっと時間が経っても口の中に残る豊かな酸味。とてもおいしい。ほんのちょっとだけ感じる苦味が余分に感じるときもあるけれど、それはこれ、コーヒーだもの。

工房 横井珈琲』札幌市西区発寒9条11丁目2-11(地図

2015年1月25日日曜日

『須賀敦子全集 第2巻』須賀 敦子

 河出文庫。
 単行本『ヴェネツィアの宿』と『トリエステの坂道』、そして1957年から1992年までのエッセイが収められている。『ヴェネツィアの宿』は日本とヨーロッパを行き来しながらの主に日本の家族のこと、『トリエステの坂道』はイタリアを舞台としたイタリアの家族のことが描かれている。いずれもエッセイではあるが、豊かな人物描写や風景や光景、時代背景の記述が、やわらかながら確かな筆致で書かれているせいか、まるで小説を読んでいるような気になってくる。でも私小説とは違う、不思議なエッセイ。戦後パリに留学し、後にイタリアに住むようになりその地で夫を迎えた須賀の、飾らない等身大の経験が語られる。彼女の文体と描かれている内容との絶妙な距離感が、読者を引き込む。第3巻も読んでみたくなる。

2015年1月21日水曜日

『Ballads』John Coltrane Quartet

 1961年録音。『バラード』。ジョン・コルトレーン(ts)、マッコイ・タイナー(McCoy Tyner, p)、ジミー・ギャリソン(Jimmy Garrison, b)、レジー・ワークマン(Reggie Workman, b)、エルヴィン・ジョーンズ(Elvin Jones, ds)。
 甘くメローなテナー・サックスの音色が、しっとりとしたモノトーンの夜に色を添える。もしお酒を嗜めるなら、赤ワインでも片手にソファーに横になりたいところだ。
 斬新さとかドキッとさせるような新しさはないかもしれない。でも抜群の安定感がある。じわーっと音が体にしみこんでくる。惜しむらくは30分ちょっとと、アルバムにしては短いところ。

2015年1月18日日曜日

『Fontographer』David Bergsland

 副題『Practical Font Design For Graphic Designers』。
 フォントを作るソフトに、FontLab社が出している「Fontographer」というものがある。プロの現場では同社からでている「FontLab Studio」というソフトが使われることが多いようであるが、Fontographerでも一通りのことはできる。本書はそのソフトの解説書である。
 フォントの形を決めてソフトに入力して、文字間隔の調整をするといったところまで、順を追って説明している。実際のソフトの操作方法だけでなく、フォントを作るコツも説明してくれているので、本書を読めば、初心者でも欧文書体が作れるようになるだろう。ただしプロなら気にするであろう細かいところがかなり雑に扱われているので、そのあたりはちょっと残念な気はする。また、オープンタイプ機能についてもさらっとしか書かれていないので、その辺も物足りなかった。オープンタイプ機能はFontographerでは操作しづらいのかもしれない。ちなみに本書が対応しているバージョンは5.1であり、現在販売されているのは5.2である。
 この本は欧文書体についてしか書かれていない。でもFontographerは和文書体も作れる。Fontographerで和文書体を作るための解説書は出版されていないようだが、『Macで文字デザイン―コンピュータ時代の文字づくり』の中に一部解説もあるし、『TYPOGRAPHY(タイポグラフィ)01』『TYPOGRAPHY(タイポグラフィ)04』の中でも記事になっている。ネット上でもFontographerで和文書体を作る方法が載っているサイトはある。ご参考まで。

『Return to Forever』Chick Corea

 1972年録音。チック・コリア(electric piano)、ジョー・ファレル(Joe Farrell, flutes/soprano sax)、フローラ・プリム(Flora Purim, vocal/percussion)、スタン・クラーク(Stan Clarke, elec. bass/double bass)、アイアート・モレイラ(Airto Moreira, drums/percussion)。
 かっこいい。チック・コリアって、勝手にふつうのピアノを弾く人だと思っていた。このアルバムでのエレピはとてもいけてる。フュージョンの走りだという。ベースのノリもいいし、合間に入るフルートもまた素敵だ。ヴォーカルもこれらの音にぴったり合っている(ヴォーカルが主体のアルバムではないけれど)。そのメロディアスなヴォーカルと明るい伴奏のせいか、ちょっとラテンチックな感じもする。聴きどころは20分以上もある『Sometime Ago-La Fiesta』なんだろうと思うけれど、『What Game Shall We Play Today』など、他の曲もいい。

2015年1月14日水曜日

『Des'e My Blues』内田 勘太郎

 2014年。『ディーズ マイ ブルース』。
 「Des'e my blues」は黒人の古いスラングで、「This is my blues」ということらしい。つまりこのアルバムは内田のブルースが詰まったアルバムだということである。そしてすべてがギターだけで奏でられている。愛用のChaki P-1やK.Yairiのギターを使ってのプレイである。ボトルネックや指弾きでの、いなたいギターの音色が格別だ。ブルースっぽくない曲がぽこんと入るのも、いい息抜きになる。久しぶりにこういうアルバムを聴いたけれど、やっぱりブルースもいいな。

2015年1月12日月曜日

『哲学思考トレーニング』伊勢田 哲治

 ちくま新書。
 本書は、哲学をする上での思考のスキルの一端を紹介することを目的としている。そしてそのスキルとしてクリティカルシンキングというものを取り上げる。クリティカルシンキングをそのまま訳すと批判的思考ということになるが、それは簡単に言うと、ある意見について筋が通っているかよく考える、といったようなことである。この手法について、自動車と飛行機のリスク比較や、ダーウィン進化論と今西進化論、生きる意味とは何か、といった実例を取り上げて解説している。
 この中で、議論の明確化、文脈の特定、前提の検討、推論の検討といったクリティカルシンキングの主要な要素について、 とてもわかりやすく解説している。懐疑主義とどう折り合いをつけるかという点が興味深い。哲学というと何となく揚げ足取りばかりしている印象もあるが、「思いやりの原理」という相手の身に立った考え方もあることを知り、堅苦しい哲学のイメージが少し和らいだ。
 クリティカルシンキングはとても論理的なスキルである。このスキルは哲学的思考だけでなく、実際に論理的な文章を書く上でも役に立つと感じた。そしてまた、この本自体も論理的に構成されていてわかりやすい。参考文献についての親切な解説も書いてあるのが嬉しい。

『クールの誕生』Miles Davis

 1949、1950年録音。『Birth Of The Cool』。マイルス・デイヴィス。9人編成と人数が多いので、他の演奏者は省略。
 それまでのアドリブを中心としたビバップというジャズから、クール・ジャズというジャズが演奏されるようになった。そのきっかけとなったアルバムとされる。
 何となく統制されたジャズだと感じる。アドリブがないわけではないがそれは主役ではなく、入念に練られた当初の曲想が演奏する中でも忠実に再現されているというような。聴きやすいし安定感も抜群なのだけれど、躍動感には乏しい。あまりあっと驚く感じはしない。それこそがクールなのかもしれないが。

2015年1月4日日曜日

『コロンビア・エル・ミラドール(2014)』横井珈琲

 Colombia El Mirador。ウィラ県ピッタリート地区にあるエル・ミラドール農園のコーヒー。
 深煎りで、砂糖を焦がしたような、つまりカラメルのような苦味があり、酸味はほとんどない。ダークチェリーみたいな雰囲気もある。飲みやすいけれど、あまり特徴のないコーヒー。可もなく不可もなくという感じで、ふだん気楽に飲むにはいいのかもしれない。

工房 横井珈琲』札幌市西区発寒9条11丁目2-11(地図

『モントルー・ジャズ・フェスティヴァルのビル・エヴァンス+1』Bill Evans

 1968年録音。『BILL EVANS At The Montreux Jazz Festival』。ビル・エヴァンス(p)、エディ・ゴメス(Eddie Gomez)(b)、ジャック・デジョネット(Jack deJohnette)(ds)。
 ビル・エヴァンスのピアノは繊細かつリリカルと言われたりしている。そして私の持っている彼のアルバムもそんな表現にぴったり合うものばかりだった。でもこのアルバムは違う。何だかわくわくするような勢いがある。乗りに乗って飛ばしている。『Mother Of Earl』や『I Loves You Porgy』のような静かで繊細な感じの曲もある。でも全体的には高揚感にあふれている。そのピークとなるのは(私の好きな曲というせいもあるが)『Someday My Prince Will Come』なんだと思う。そして、ピアノが主役の1人なのはもちろんなのだが、エディ・ゴメスのベースがなかなかいい味を出している。ドラムスもいい。
 アルバムの初めにフランス語でのプレーヤー紹介がある。これがライブ盤の雰囲気を醸し出しているのは確かだろう。でも蛇足に感じる人もいるかもしれない。あと、このアルバムは「+1」がついている。『Quiet Now』だ。もともとのアルバムは明るくてちょっとひょうきんな感じもする『Walkin' Up』で終わる。でもこのアルバムは静かで落ち着いた『Quiet Now』で終わる。たぶんこの違いは大きいと思うのだ。『Wlkin' Up』で終わった方が、このアルバムの意図に合っていたんじゃないかと思う。
 でもこのアルバムは好きです。

2015年1月2日金曜日

『Photoshopで描く 漫画、イラストのための背景画の教科書』菊池 杏子

 エムディエヌコーポレーション。
 「部屋を描く」「街を描く」「自然を描く」「街を描く」として、4枚の絵の描き方をとても丁寧に解説している。まさにPhotoshop(Adobe)を使い倒すという感じで、このソフトにあるさまざまな機能を幅広く使っている。こんなにたくさんの種類のブラシやレイヤーの描画モードを使ったことがなかったので、参考になった。Photoshopの使い方が載っているのはもちろん、パースや光、色、質感表現などの絵を描くための基本も掲載されている。ちょっと難しく感じる部分もあって入門者向けではないと思うけれど、さまざまなレベルの人に対応できるよい本だと思う。背景画を描いているムービーをYouTubeで見ることもできる。私はアナログの絵を描くための下絵や構想の段階でしかPhotoshopを使ったことがなかったのだが、この本を読んで、デジ絵を完成品として仕上げることができそうな気がしてきた。初心者にとっては、本書に書かれているように、下絵から完成までを通した作画の流れを知ることは有用なのだ。

2015年1月1日木曜日

『グァテマラ・エル・モリート(2014)』横井珈琲

 Guatemala El Morito。グァテマラシティの東部にあるエル・モリート農園。横井の説明書きには【COE2013 2位】(COEはCup of Excellence)と書いてあるので2013年のコーヒーなのだろうか。でも購入したのは昨年末なので、2014年ということにしておいた。
 とても大きな豆で、マラゴジッペ(パカマラ?)という品種。とてもバランスの取れたおいしいコーヒー。飲み終わったあとにしばらく続くさわやかな余韻がいい。ほんの少し柑橘系の酸味がある。一瞬プルーンぽいなと思ったんだけど、そんなに重たい味ではない。口当たりがやわらかくて繊細な感じがする。冷めてもおいしいし、これはいいです。

工房 横井珈琲』札幌市西区発寒9条11丁目2-11(地図

2015年始

 いつもは年賀状の写しをアップしていますが、今年は都合によりアップしません。

 昔は年始にその年の目標を立てていましたが、もっとゆるく生きようと思って、最近は目標を立てないでいます。今年は新たな挑戦をする予定はありません。すでに色んなことに手を出しているので、それらの趣味をもっとブラッシュアップしていきたいなと思っています。絵もうまくなりたいし、ギターもうまくなりたいし。でもあえて目標にはしないでおこうと思っています。持病のこともあり無理はできないので、 やりたいときにやって、やる気のないときはサボってという感じで行こうかなと。
 あっ、そうだ。いつも好きな音楽を聴きながらおいしいコーヒーを飲んでいたいなと思っています。

 そんなぐうたらな1年を過ごす予定でいますが、今年1年よろしくお願いいたします。