2014年10月28日火曜日

『エチオピア・イルガチェフェ・ボルボーヤ(2014)』横井珈琲

 Ethiopia Yirga Chefe Borboya。イルガチェフェ村のボルボーヤ・ステーションという生産処理場の豆。エチオピアのコーヒーというのは、ひとつの農園のひとつの品種という分け方が難しいのだそうだ。この豆も、複数の小規模生産者がボルボーヤ・ステーションに持ち込んで作られた豆だという。いろんな豆が混じっていると書いてある情報もあったけれど、これはたぶん単一種。とても小さなかわいらしい豆で、小豆みたい。エチオピアとかイエメンというと、つい「モカ」だな、と思ってしまうけれど、本当のところ「モカ」ってどういう定義なんだろう。実はよくわかっていない私。
 花のような香りがする。何の花だろうと考えて、ふと、あ、これはダージリンのファーストフラッシュの香りだ、と思った。そう、とっても紅茶っぽい香りがする。でも味はしっかりとコーヒー。エチオピアは酸味のあるイメージだけれど、この豆はそれとは違って結構苦味もある。後味に甘みも感じられて、舌を楽しませてくれる。想像していたのとは違う雰囲気を持つコーヒーだけれど、ちょっと気に入った。

工房 横井珈琲』札幌市西区発寒9条11丁目2-11(地図

2014年10月24日金曜日

『Virtuoso』Joe Pass

 1973年録音。ジョー・パス。ジャズのソロギター・アルバム。
 ベースもドラムスもピアノも歌も何もない。ただギターだけ。しかも最近はやりのニューエイジ系のような派手さもない。淡々と、なのに感情豊かな。
 聴いてるうちに、パブロ・カザルス(Pablo Casals)の弾く無伴奏チェロ組曲(J.S.バッハ)を思い出した。ジャズとクラシックで全然違うのに、なぜか似たところがあるように感じた。バッハは全然こんな風じゃないけれど。不思議。

2014年10月22日水曜日

『ブラジル・シャパーダ(2014)』横井珈琲

 Brazil Chapada。ソレダデ・デ・ミナスの農園。
 中煎り。ブラックチェリーのような風味の苦味がある。酸味はほとんどない。口の中の上の方に苦味が強く残り、舌の上ではまろやかさを感じる。その苦味とまろやかさは決して混ざり合うことなく、独立に存在している。その2つの感覚の間がぽっかりと空いたような感じがして、なんだか不思議な感覚を覚える。苦味と言ってもそれほど強いものではないので、どちらかと言えば中性的な味ではある。でも何かの南国のフルーツを焦がしたような風味もあって(上ではブラックチェリーのようなと表現してみたけれど、これとは別に)、これはあまり経験したことのないものだ。ちょっとおもしろい。

工房 横井珈琲』札幌市西区発寒9条11丁目2-11(地図

2014年10月18日土曜日

『On My Way』宮本貴奈トリオ

 2013年。ジャズ。ピアノ:宮本貴奈、ベース:マット・ペンマン(Matt Penman)、ドラムス:ユリシス・オウエンス・ジュニア(Ulysses Owens Jr.)。
 「旅」をコンセプトにしたアルバム。軽妙なタッチで重々しさを感じないピアノは、まるで風のよう。楽しい旅を予感させる『On My Way』で、このアルバムは始まる。バート・バカラック(Burt Bacharach)の『A House Is Not a Home』、ビル・エヴァンス(Bill Evans)の『Peri's Scope』のようなスタンダードの中にあって、全然引けをとらない宮本自身の曲。静かで落ち着いた曲もあるのに、全体としては楽しい気分でサーッと聞き流してしまえる。ちょっとこんな風に聞きやすすぎるところが物足りなくもあったりするのだけれど、たまにドキッとさせられるメロディセンスににやけてしまう自分もまたいる。バド・パウエル(Bud Powell)の『Parisian Thoroughfare』、オスカー・ピーターソン(Oscar Peterson)の『Wheatland』のあとに『この道』を持ってきてアルバムを締めるなんて、心憎い。よい意味でBGMとして最適。

2014年10月13日月曜日

『思う女201410』

 軽く放心状態で、何かを思う女。
 子供のこと?
 夫のこと?

2014年10月12日日曜日

『男201410』

 ちょっと水の流れに筆を任せすぎて、制御が効かなくなってしまった。こういうのを、ささっと、しかもきっちりと仕上げられるようになるのが目標です。なかなかきっちりとはいかない。

1001号

 実は前回の記事が、このブログを始めてからの通算1000号の記事だった。6年近くもかかった。初めのうちはいろんな分野について3日に2回くらいの記事を書いていた。だけど最近はサボっていて、3日に1回くらいの頻度で、内容も本とCDとコーヒーの記事ばかりと、貧弱になってしまった。でもいいや。きっとこれくらいのペースが無理のないペースなのだと思う。
 基本、自分の備忘録として書いているのですが、こうやって読んでくださる人がいるのはとてもありがたいことです。これからもよろしくお願いいたします。

『基準値のからくり』村上道夫、永井孝志、小野恭子、岸本充生

 講談社ブルーバックス。副題『安全はこうして数字になった』。
 消費期限や賞味期限、塩分摂取量、水道水の水質、放射性物質、PM2.5、農薬の基準、インフルエンザの出席停止期間、電車内での携帯電話からの電波……。世の中には、実にさまざまな基準値があふれている。でもこれらの基準値ってどうやって決められたんだろう。この基準値を守れば絶対安全なの?少しでも超えればすぐに危険ということ?そんな疑問にこの本は答えてくれる。
 水道水中の発癌性物質の基準は、一生毎日2リットルずつ飲んで、10万人に1人癌で死亡するくらいの確率に設定してある。じゃあ他の基準もこの10万人に1人の確率で決められているのかといったら、全然そんなことはない。日本人ならよく食べているある海藻は600人に1人くらいは癌で死亡する計算になる。米の基準だって結構やばい。でも米をいっぱい食べている日本人が世界でも長寿国に位置するのは周知の事実。米は食べない方がいいとは単純には言えない。水道水中の発癌性物質のようにリスクで決められている基準がある一方、現実的に守れる値に設定してあるものもあれば、できる限りゼロに近い方がいいとして決めているものもある。危険だとわかっているけれど、それよりもベネフィット(利益)の方が大きいからと決められているものもある。同じ「基準値」という言葉で括られているけれど、一筋縄ではいかないのだ。
 「受け入れられるリスク」がどれくらいかということが重要だと繰り返し述べられる。自動車事故で死亡する人が1年間に4千人(すごい高いリスク)もいるのに、便利さの方が上回るから、自動車のリスクは受け入れられている。こんにゃくゼリーは餅よりも飴よりもリスクが少ないのに、悪者にされた。
 その基準値がどういう根拠で決められたのか知っておくと、あまりパニックには陥らなくなるかもしれない。同じ農薬、同じ残留量でも、リンゴと基準値はキクラゲよりも500倍ゆるい。じゃあリンゴは危険かといえばそんなことはない。
 このように、たくさんの例がこの本には掲載されている。基準値に対してどうやって向き合っていけばよいのか、とても参考になる。放射性物質についても多くのページを割いている。物質によっては、基本となる値さえ入手できれば、実際のリスクが自分で計算できるようになってしまう。私たちは数多くの基準値に囲まれて生活している。そのからくりを知って生活するのと、知らないで生活するのとではリスクとの向き合い方も変わってくると言えるだろう。良書だと思う。

2014年10月11日土曜日

『Band of Brothers』Willie Nelson

 2014年。ウィリー・ネルソン。
 カントリーの大御所、ウィリー・ネルソン。ネットを見ていて初めて知ったんだけど、もう81歳になるんですね。それなのに昔と変わらず、親しみやすい声で飄々と歌い上げる。年を感じさせないというか、以前から熟し切っていたというか。
 最近はオリジナルが少なかった印象だけれど、このアルバムではオリジナル曲をたくさん聴かせてくれる。オリジナルじゃなくても彼が歌うとウィリー・ネルソンの曲になってしまうんだけど、やっぱりオリジナルが多いと嬉しい。オリジナルといっても「Written by Willie Nelson & Buddy Cannon」というのが正確で、プロデュースしたのもバディ・キャノン。私は比較的新しいファンなのでよくわからないのだけれど、コアなファンからするとこれも嬉しいポイントらしい。

2014年10月3日金曜日

『klavierraum』Henning Schmiedt

 2008年。ヘニング・シュミート。
 ころころとしたピアノの音が部屋の中で転がる。散らばったかと思うとまた集まって、そしてまたどこかに散らばって。それに寄り添うようにシンセの音がすべてをまとめる。静かな、でもなにかが進んでいくような。それはただの時間の流れに過ぎないのかもしれないけれど。
 このアルバムは、妊娠中の妻が暑い夏を心地よく過ごせるようにと作ったという。そう聞くと何だか涼しげな感じがしてくる。アルバムの裏面の「命のために」とは、生まれ来る子供のことなのだろう。15曲のタイトルが楽しい。小麦粉240g、砂糖20g、混合粉茶さじ3杯、塩茶さじ2分の1杯、バター110g、卵1個。一体何のレシピなんだろう。紅茶は?皿は?椅子!君と僕。ピ・ア・ノ・域。こんにちは。
 聞き終わったCDを取り出す。___あっ、これを作ってたんだ。