2014年5月29日木曜日

『TYPOGRAPHY 05』

 グラフィック社。
 第1特集は「楽しく学ぶ文字入門」。和文書体と欧文書体の違いとか、書体の見分け方とか、きれいに見える組み方のコツとか、ちょっと気になる文字の世界への扉を開いてくれる。書体デザイナーにはどうやったらなれるのか、なんて話題もある。そんなに難しいことは書いてなくて、「見る」だけでわかるように書かれているので、これまでタイポグラフィに触れてなかった人でもすんなり入っていける。見開きページごとに違う書体で組まれていて、この特集自体が組み見本になっているのがおもしろい。
 第2特集は「文字をめぐる旅」として、ベルリンやロンドンなどの美術館やショップなどを紹介している。海外に行く予定はないなあ。
 ほかにおもしろかったのは、ソニーのコーポレートフォント「SST Font」についての記事とか、連載ものの「欧文書体のつくりかた Vol.05 FF Clifford徹底解剖」。特に後者はお薦め。
 余談だけれど、「文字っ子度テスト」というのがあって、私は文字っ子ではないとの判定だった。設問がすごくマニアック。私はそこまで文字好きにはなれないなと思った。

2014年5月25日日曜日

『Fearless』Taylor Swift

 2008年。
 テイラー・スウィフトのアルバムは初めて購入した。アマゾンでも評価が高かったこのアルバムが初めてにはいいかなと思った。とてもキャッチーで耳に残りやすい曲ばかりで、素敵なアルバムだとは思う。彼女はカントリー・シンガーということで通っているけれど、ポップスという感じがした。まあ、ポップスはいろいろなジャンルを包含する言葉ではあるのだろうから、カントリーでもおかしくはないのだけれど。
 売れるのはよくわかる気がする。でも声がちょっと幼く感じられるので、私としてはもう少し大人びていた方がいい。自分が歳をとってしまったせいなのかもしれないけれど。
 正直なことをいうと、あまりに聴きやすくて少し物足りないのです。

『手足の描き方マスターガイド』横溝 透子

 廣済堂出版。
 漫画やイラストを描く人のための手足の描き方の解説本。解剖学についての記述も少しはあるけれどそれは付け足しに過ぎなくて、すぐに実践に結びつくような内容で占められている。いろいろな角度から見た写真と図が豊富に掲載されていて、手足のポーズもたくさんあるので、とても参考になる。描く上でのポイントが図に丁寧に書かれているのがいい。
 表紙イラストが典型的だけれど、作例が微妙な(というか怖い)のはたまにある。でもそれらの作例も、手足だけはきちんと描かれているので、安心していいと思う。私にとって、とても役に立ちそうな本。

2014年5月24日土曜日

『ポピュラー音楽作曲のための旋律法』高山 博

 Rittor Music。副題『聴く人の心に響くメロディラインの作り方』。
 コードからメロディを作るとかのアプローチをした本は見かけることがあるけれど、メロディそのものをずばり扱った本はあまりないような気がする。だからこの本を見たときはつい購入してしまった。ポピュラー音楽を作曲する気はさらさらなかったにもかかわらず。
 この本を読むまで、旋律を分析的に見ることはまったくなかった。音楽を聴いていても、ただ何となく時間の流れに沿ってメロディを聞き流していただけだった。もちろん、ああ、このメロディいいな、好きだなと感じることはあった。でもそのメロディがどうしていいのか、その前後のメロディとの関連はどうなっているのかなんてことは考えたこともなかった。音の高さ、音の長さ、リズム、上昇したり下降したりといった動き、旋法、歌詞と旋律の関係、全体的な曲の構成。目から鱗の話題ばかりだった。付属DVDも役に立った。ポピュラー音楽はこういう風にできあがっているのか。
 旋法についての話題だけ難しくてついていけなかったけれど、万が一自分が曲を作る立場になったなら、この本に書かれていることを役立てよう。曲を作らないにしても、これからは音楽を聴くときに今までとは違う視点から眺めることができるようになったような気がする。

『Voyage』Double Rainbow

 2013年。『ヴォヤージュ』。ギタリストである小沼ようすけとピアニストである宮本貴奈が組んだデュオ、ダブル・レインボウによるジャズアルバム。
 これまで、ピアノとギターの相性は悪いと思っていた。ところがどうだろう。こんなにも透明感豊かに、それぞれの楽器の良さが損なわれることなしに自然と溶け合ってひとつの音楽を織りなしている。主旋律と伴奏が入れ替わりながら、ときにはシンクロし合いひとつの旋律をなぞり、清らかな世界を作っていく。すごいテクニックを使っているわけでもなく派手さは全然ないのだけれど、単なる癒やし系の音楽にとどまることなく、しっかりと聴かせてくれる。
 すっかり気に入ってしまって、この数週間ずっとかけ流している。

『コロンビア・モンテクリスト』横井珈琲

 Colombia Montecristo。
 コロンビア北部のセサール県にあるモンテクリスト市の農園のもの。やや深煎りで、チョコレートの苦味にほんのちょっぴり柑橘系の酸味を加えたような味。喉の奥に刺激を感じる程度の苦味がちょうどよく、結構好みのコーヒー。冷めると印象の変わるコーヒーはわりとあるけれど、これはあまり印象が変わらない。うん、いい。

工房 横井珈琲』札幌市西区発寒9条11丁目2-11(地図

2014年5月10日土曜日

『グァテマラ・エル・ヤルー』横井珈琲

 Guatemala San Jose El Yalu。
 やや深煎りで、ダークチョコにベリー系の味を混ぜたような苦味がある。酸味はほとんどなく、ほんのかすかに甘みを感じる。たぶん苦味のせいで、舌がびりっとするような刺激がある。以前はこういうコーヒーがとても好きだったのだが、最近はもうちょっと酸味があって香りのいいコーヒーの方が好きになってきた。歳をとってきたのかな。もう少し味に深みがあった方がいいけれど、十分おいしいコーヒーだとは思う。

工房 横井珈琲』札幌市西区発寒9条11丁目2-11(地図

2014年5月6日火曜日

『タイポグラフィ・ハンドブック』小泉 均 編著

 研究社。
 主として欧文のタイポグラフィのことが幅広く掲載されているハンドブック。文字の形や書体のこと、その歴史、版面の設計、グリッドシステム、封筒などの印刷物についてなど、ひととおりのことが載っている。ひとつひとつのことについてそんなにマニアックに掘り下げているわけではないが、ポイントがきちんと押さえられていて、とても役に立つ。情報量はかなり多い。全体を眺めたあとは、辞書的に使ってもいいかもしれない。帯にはこんな風に書いてある。「これまで勘や感性だけで組んでいたものに、「理屈」をプラスする便利な一冊」。異論はない。

『Full Sail』Loggins & Messina

 1973年。ロギンス・アンド・メッシーナ。
 もともと知っている曲は『My Music』と『Watching the River Run』の2曲しかなかったけれど、こんなにもお気に入りの曲ばかりでできているアルバムはなかなかないと思った。ポップ寄りのロックだろうか。力が入りすぎもせず抜きすぎもせず、いい感じで二人の歌声を聴かせてくれる。ジャケットにあるとおり、セイリングをしながら聴いてみたい(まず無理な話だけれど)。

2014年5月1日木曜日

『本を読む人のための書体入門』正木 香子

 星海社新書。
 ふだん何気なく読んでいる小説や雑誌の文字。私たちはそれらの書体を意識して読むなんてことをしているだろうか。いや、大部分の人はそんなことはしていないだろう。そして、それはちょっとさびしい、と著者は考えているようだ。文字は「記憶を読む装置」であり、「書体を「見分ける」とは、文字の中に記憶を見いだすことである」。なんだかよくわからないけれど、そんな風にして、小説などに使われている書体の印象を文字に落としていくという作業を、著者は自信のウェブサイト(文字の食卓)で実践している。このウェブサイト自体はおもしろい。でも、このおもしろさはこの本からはあまり伝わってこない。なぜか。著者は自分がなぜ書体にこんなに惹かれるのか、その本当のところがつかみ切れていないのではないか。この本はそこにフォーカスを当てようとしているのに、残念なことにそのフォーカスがぼやけてしまっているのではないか。
 この本は小学生でも楽に読めるような、とても平易な言葉で書かれている。怖そうな文字はどうして怖そうなのかとか、テレビ番組『水曜どうでしょう』での効果的な文字の使い方とか、具体例を見ると確かに興味深いし、おもしろくもある。
 でも、私には著者が本当に言いたいことがよくわからなかった。書体の違いを知ることが、一体何につながるのか、よくわからなかった。著者の「伝えたいという思い」は伝わってくるものの、「伝えたいこと自体」は伝わってこなかった。たぶん、私の読みが浅いせいなのだろう。そうでなければ、きっと書体に対する考え方が、著者と私とでまるっきり違うのだろう。