2014年12月31日水曜日

『至上の愛』John Coltrane

 1964年録音。『A Love Supreme』。ジョン・コルトレーンのテナーサックスにマッコイ・タイナー(McCoy Tyner)のピアノ、ジミー・ギャリソン(Jimmy Garrison)のベース、そしてドラムスがエルヴィン・ジョーンズ(Elvin Jones)。
 重たいジャズだなと思った。「至上の愛」とはこんなに重たいものなのだろうか。私なら押しつぶされてしまいそうだ。サックスだけじゃなくて、すべてのパートがみんな同じ方向を向いている。短いモチーフが繰り返される。決してメロディアスとは言えないその旋律が耳の奥にしっかりと残る。名盤たる所以か。でもずっとエンドレスでかけ流しておくのはちょっとつらい。存在感がありすぎる。

2014年12月30日火曜日

『あの夏の日(仮題)』

 今は冬ですが……。
 手前の女の子の後ろ姿が印象的だったので、絵にしてみました。昨年京都に行ったときの南禅寺の近くで見た光景を元にしています。すごく暑い日だった。

2014年12月29日月曜日

『Standards Live』Keith Jarrett

 1985年の録音。キース・ジャレット・トリオ。邦題『星影のステラ』。キースのピアノに、ベースがゲイリー・ピーコック(Gary Peacock)、ドラムスがジャック・デジョネット(Jack Dejohnette)。
 スタンダードが6曲。ピアノが中心で、ベースとドラムスはサブという感じがする。ピアノがすごくいい。乗りに乗ってる感じ。実際ライブでも乗っていたのだろう。キースのうめき声とか叫び声がたくさん入っている(これが気になる人はもしかするといるかもしれない)。『Stella By Starlight』ももちろんいいけれど、『Falling In Love With Love』『Too Young To Go Steady』『The Way You Look Tonight』が聴いていて楽しかった。

『エチオピア・ハチラ(2014)』横井珈琲

 Ethiopia Hachira。「ハチラ」という名前は、農園の名前でも地域の名前でもない。以前取り上げた「ネキセ」(私の記事)と同じく、アメリカのナインティ・プラス社が定めた、コーヒーの風味、特性、味のプロファイルからつけられた名前だという。エチオピアのArichaという地域で行われた、とあるプロジェクトから名付けられた造語である。
 これはおいしい。すごく好み。完熟メロンやアプリコットのような風味を感じる。とてもフローラルでフルーティー。苦味とか酸味とかそんな括りでは説明できないようなコーヒー。香りもまた珈琲のそれではない感じ。豊かで立体的な感覚が口の中いっぱいに広がる。コーヒーは何を飲んでも同じ味がすると思っている人にこそ飲んでほしい。お薦め。

工房 横井珈琲』札幌市西区発寒9条11丁目2-11(地図

2014年12月27日土曜日

『人はなぜ、同じ間違いをくり返すのか』野崎 昭弘

 ブックマン社。副題『数学者が教える「間違い」を生かすヒント』。
 テスト問題の解答、仕事上の不手際みたいなものから、戦争への参加といったものまで、著者は幅広く「間違い」というものを捉えている。それらの間違いはどうして起こるのか。そもそも間違いは悪いことなのか。そんなことをやさしく丁寧に教えてくれる。例えば人間を「落雷型」「猫のお化粧型」「めだかの学校型」など7つのタイプに分け、それぞれの思考法が陥りやすい間違いを指摘し、それらにどう対応すればよいのか解説している。また、「間違えること」の意義や、「間違い」から何を学ぶかなんてことも書いている。
 小難しいことは書いていなくて、気軽に読める本である。ただ、あまりしっかりとした論拠をもって「間違い」について論じた本ではない。「数学者が教える」といいつつも、内容は数学とはほとんど関係がなく、著者が数学者である必要性はまったく感じない。そこがちょっと物足りない。こういうタイトルを掲げるのであれば、「間違い」に対する著者の考え方だけじゃなくて、脳科学的にみるとこうだとか心理学的にみるとこうだとか、きちんとした根拠をもって書いてほしかった。本書をエッセイとして読むのなら別にいいのですが。

2014年12月24日水曜日

『Jingle Bells』LUPICIA

 ジングルベル。フルーティーなスパークリングワインの香りというのがコンセプトらしい。もちろん聖なる夜を意識した紅茶。
 ふだんはあまりフレーバードティーを飲まないのだけれど、何だか無性に飲みたくなって購入してみた。いくつかの紅茶の香りを試してみて、これが一番よかった。今日という日にもふさわしいネーミングだ。きつすぎもなく弱すぎもないちょうどよい香り。そして味。適度にドライクランベリーとヒースフラワーが効いている。
 うん、おいしい。クリスマスじゃなくても楽しめるお茶。

LUPICIA

2014年12月23日火曜日

『デジタル作画法 アニメで見た空と雲のある風景の描き方』Bamboo

 ナツメ社。アニメの背景美術制作会社Bambooによる解説本。
 とてもきれいな背景画がたくさん掲載されており、それぞれについて数頁を使って、空や雲を含んだ風景の描き方を説明している。デジタルソフトはAdobe PhotoshopとCOREL Painterの両方を使っている。ある程度これらのソフトの使い方を知っていることを前提にしていて、ソフトの使用法についてはそんなには詳しく書かれていない。その代わりデジタルで背景を描く時の考え方や流れがきちんと書かれているので、違うソフトを使っている人でも役に立つと思う。四季の移り変わりや時間による変化を描き分けるテクニック、雲の種類、色や形、光の当たり方など、色々な観点から解説されているので、様々な風景に対応できる。
 本書の中で何度か、こうやって描くと写真みたいになってしまうから、アニメではあえてこう描く、といったようなことが書かれていて、おもしろいと思った。写真とアニメは違うのだ。
 この本を読んでも簡単にはこんなにきれいな風景が描けるようにはならないとは思うけれど、ここで解説されていることを実践していけば、それなりの絵が描けるようにはなりそうだ。デジタルでの背景画の描き方だけにとどまらず、手描きの時にも応用できることがたくさん書いてあって、とても参考になった。良い本だと思う。

『akiko』矢野 顕子

 2008年。プロデューサーにT・ボーン・バネット(T Bone Burnett)を迎えてのアルバム。
 英語の曲がいくつか交じっているせいか、ちょっとアメリカンな感じがする。はじけたノリノリの曲はなくて、彼女のアルバムの中でも落ち着いている部類に入ると思う。音作りに高級感があって、安定感もある。宮越屋珈琲(札幌を中心に展開するカフェ)でかかっていても全然違和感がないような気がする。 Led Zeppelinの『Whole Lotta Love』をカヴァーしているのはちょっと意外な気がした。矢野にしては原曲の雰囲気を残したアレンジ。
 私のコメントはあまりぱっとしないけれど、このアルバムは本当に気に入っています。いいです。

2014年12月20日土曜日

『コスタリカ・エルバス・ヴィジャサルチ(2014)』横井珈琲

 Costa Rica Herbazu Villa Sarchi。コスタリカのエルバス農園のコーヒー。ヴィジャサルチは品種名(初めて聞いた品種名。ブルボン種がこの土地独自に変化した土着品種だという)。
 オレンジピールみたいな雰囲気。とてもなめらかな舌触りで、やわらかい甘さがある。苦味はあまりなく、かといって酸味も強くない。そう書くと特徴がないみたいに思われるかもしれないが、とても力強いコクとほんの少しのクセがあって、芯の強さを感じる。コスタリカはすっきりとしたイメージがあるけれど、このコーヒーは飲んだ時にはそんな感じはしない。でも飲み終わってしばらくすると、ミントを食べたあとのようなさわやかさが口の中に拡がる。その感覚がとても不思議。

工房 横井珈琲』札幌市西区発寒9条11丁目2-11(地図

2014年12月19日金曜日

『科学コミュニケーション論』藤垣 裕子、廣野 喜幸[編]

 東京大学出版会。
 本書は「科学コミュニケーション」とは何かということよりもむしろ「科学コミュニケーション論」とは何かについて書かれている。私は科学コミュニケーション論の理論的枠組みがどうなっているのかということについてはあまり興味がなかったので、さしておもしろい本だとは思われなかった。「東京大学科学技術インタープリター養成プログラム」の中の授業のために整備された本だということを知って、なるほどとは思った。教科書であれば、こういう内容になってもしょうがない。「歴史と背景」「理論」「実践と実態調査」「隣接領域との関係」という章立てになっている。
 でもおもしろい部分はあった。私たちはこう考えがちだ。市民が科学に対して良いイメージを持っていないのは、科学知識が足りていないからだ。だから、教育や科学コミュニケーションによって市民の科学知識を増やしていけば、科学に肯定的な意見もまた増えてくるだろう、と。でもそういう考え方は「欠如モデル」と言われ、実態とはかけ離れているという批判が多く寄せられているのだという。科学コミュニケーションとは、科学者から市民へという一方向のものなのではなく、市民から科学者へと向かう線もある双方向的なものなのだという。科学コミュニケーションがきちんと成り立つためには、「一般市民が適切な科学技術リテラシーをもつだけではなく、科学者も市民リテラシー・社会リテラシーを身につけるべきだ」というのだ。言われてみれば確かにそうかもしれない。科学を専攻した者にとってはあまりに馬鹿げたことだと思われる事象がわりと世の中では起こっていて、それは科学知識が足りないせいだと科学の側からは思いがちだ。そして一般市民に対して科学の言葉で情報発信しても一般市民には分かってもらえない。そんなことがよく起こる。でもそれは一般市民だけが悪いわけではない。科学者の方もまた悪い面があるのだ。そこに双方向のコミュニケーションが成り立っていないせいで、科学側と一般市民側が折り合えないのだ。今までそういう風に科学コミュニケーションを考えたことがなかったので、目から鱗だった。科学コミュニケーション論の世界ではそんなことはもうずっと昔から言われていたことだとはいうのだが。
 こんな風に、ところどころに興味深い内容が書かれてはいるものの、全体的にはちょっとお堅いイメージがついて回った。科学コミュニケーション論を系統的に学ぶ人にはいいのかもしれないが、「一般市民」向けではない。

『Undercurrent』Bill Evans & Jim Hall

 1962年録音。ビル・エヴァンスのピアノとジム・ホールのギターだけのアルバム。
 ピアノとギターの掛け合いと言うと、ちょっと軽すぎる言い方のような気がする。ジャズ風に言うとインタープレイか。2つの楽器が重なり合って溶け合って。
 派手さが全然ないので、ただ聞き流していると良さがわからないのではないかと思う。私も初め、わりと長い間かけ流していたのだが、ちっともいいアルバムのようには感じなかった。物足りないというか退屈というか。でもちょっと音量を大きくしてきちんと聴くようにしたらどうだろう。2人とも自由に弾いているようで、息がぴったりと合っていて、深さを感じる。『My Funny Valentine』なんてすごいと思う。
 BGMとしてじゃなく、ちゃんと聴かなきゃならないアルバム。

2014年12月14日日曜日

『TYPOGRAPHY 06』

 グラフィック社のデザインジャーナル。『タイポグラフィ 06』。
 今回の特集は「デザイナーなら知っておきたい最新フォント150」。2013~2014年に出された欧文フォント70種と、和文フォント80種を紹介している。個人的には欧文フォントの方が見ていて楽しかった。力強いスクリプトである「Haltrix」や、手書きの味のある「Charcuterie」「Adorn」などが好きだった。
 「新書体ができるまで」として、アドビとグーグルが共同開発した「Source Han Sans(日本語書体名:源ノ角ゴシック)」 、コントラストという概念を取り入れた「TP明朝」の紹介もしている。
 他には、モノタイプ社のタイポグラフィイベント「Type&」や、国際タイポグラフィ協会の第58回カンファレンス「ATypeI」のレポートが楽しかった。
 でも、全体的には「あっ」と驚く楽しい記事はあまりなかったように感じる。

2014年12月13日土曜日

『Blue Train』John Coltrane

 1957年録音。ジョン・コルトレーン(テナーサックス)。
 リー・モーガン(Lee Morgan)(tp)、カーティス・フラー(Curtis Fuller)(tb)、ケニー・ドリュー(Kenny Drew)(p)、ポール・チェンバース(Paul Chambers)(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(“Philly” Joe Jones)(ds)。
 すごくかっこいい。特に表題曲の『Blue Train』がかっこいい。でもそれ以外の曲も全部いい。一聴してこんなに好きなアルバムってそうない。『I'm Old Fashioned』だけ落ち着いた感じのジャズで、それ以外はノリのいい颯爽とした曲が揃っている。全然手を抜かないテナー・サックスとトランペットとトロンボーンの掛け合いがとてもいい。ジャンル的にはジャズの中でもハード・バップというらしいけれど、実は私はジャズに詳しくないのでよくわからない。詳しくなくても、聴いて良いと思えばそれでいいじゃないかと思う。これはお気に入り。

2014年12月7日日曜日

『アーティストのための美術解剖学』ヴァレリー・L・ウィンスロゥ

 マール社。Valerie L. Winslow。宮永美知代 訳・監修。副題『デッサン・漫画・アニメーション・彫刻など、人体表現、生体観察をするすべての人に』。
 全身の骨格、筋肉、腱、靱帯などについて、詳細で豊富なイラストと解説で説明している。骨の構造はどうなっていて、筋肉は骨のどの部分に接続してどのように運動するか。それによって人の体がどのように動くのかがよくわかる。すべての骨や筋肉を網羅しているわけではないが、体表に現れる人体の形に影響のある部分はほぼすべてカヴァーしているんだと思う。私には十分すぎるくらい詳しい。図版はカラーなので、とてもわかりやすい。 専門用語がたくさん出てくるので読むのは大変だけれど、丁寧に読み進めれば理解できる。ただ、本当に自分のものにするには、たまに見返してみる必要はありそう。1回読んだだけですべてを覚えられるほど簡単ではない。
 解剖学についてだけではなく、実際に人物を描く時に役立つ情報も書いてある。体表に現れるどの部分に注目すればよいか。全身を描く時にどう全体のバランスをつければよいか、など。美術解剖学についての本は、私自身に関して言えば、これ1冊あれば十分なほどの内容である。ただひとつだけ注文をつけるとすれば、実際の人物の体表に現れる膨らみやへこみが、どの骨や筋肉の膨らみによるものなのかが少しわかりづらい部分もあったので、そこについてもう少し詳しく書いてもらえれば嬉しかった。きちんと読み込めば、ちゃんと本書で触れられてはいるのだけれど。

2014年12月5日金曜日

『Jazzology』The Modern Jazz Quartet

 モダン・ジャズ・カルテット、通称MJQの3枚のアルバム、『Django』『Fontessa』『Concorde』が2枚のCDに収まっている。1枚目が『Django』、2枚目が『Fontessa』と『Concorde』。
 『Django』は知ってる曲ばかりで、2枚目の方はちらほら知らない曲が混じっていたので、後者の方が新鮮だった。MJQといえばミルト・ジャクソン(Milt Jackson)のヴィブラフォンのイメージがものすごく強いけれど、ジョン・ルイス(John Lewis)のピアノや曲作りは欠かせないだろうし、ベースのパーシー・ヒース(Percy Heath)や、ドラムスのケニー・クラーク(Kenny Clarke)、コニー・ケイ(Connie Kay) ら全員の息の合った演奏がとてもいいんだと思う。重々しいジャズなのではなく、気楽に聴かせながらも味のある、そんな感じがいい。思い返せば私がジャズのCDを買ったのはMJQが最初だった。
 『Django』1956年。Milt Jackson(vib)、John Lewis(p)、Percy Heath(b)、Kenny Clarke(ds)。
 『Fontessa』1956年。Milt Jackson(vib)、John Lewis(p)、Percy Heath(b)、Connie Kay(ds)。
 『Concorde』1955年。 Milt Jackson(vib)、John Lewis(p)、Percy Heath(b)、Connie Kay(ds)。

『Queensberry, Pekoe』LUPICIA

 クイーンズベリー。スリランカのキャンディという町にある農園。Pekoe(ペコー)は等級(というか葉っぱの大きさ)ですね。セイロンティーはBOP(Broken Orange Pekoe)タイプが多いと思っていたので、意外。
 すっきりとしていて上品な味わい。味もしっかりしていて、これはおいしい。キャンディというとアイスティー向きと言われることも多いけれど、そのままでもおいしい。今まで飲んだことのあるキャンディはあっさり目で物足りないものが多かったのだが、このクイーンズベリーはいい。

LUPICIA

2014年12月4日木曜日

『ケニア・ガチャタ(2014)』横井珈琲

 Kenya Gachatha。ケニアのニエリ地区にあるガチャタ・ファクトリーで生産処理されたコーヒー。ケニアの一人あたりのコーヒー生産量はとても少なくて、ファクトリーと呼ばれる生産処理場に持ち寄るのだという。「ガチャタ」もそういった生産処理場のひとつだ。
 カボスとか早生の温州ミカンみたいな柑橘系の香りと苦味がある。でも柑橘系ではあるものの、さわやかさとかすっきりさのような感じはせず、ねっとりとしたクセがある。舌に絡まるような酸味がある。これを味があっていいと思うか、苦手だと捉えるかは各人の好みの問題なんだと思う。私は積極的には好きではないが、なかなかおもしろいコーヒーだと思う。この独特の酸味はほかではあまりない。

工房 横井珈琲』札幌市西区発寒9条11丁目2-11(地図

2014年12月3日水曜日

『著作権で迷った時に開く本Q&A』藤原 唯人

 カナリア書房。副題『イラストレーターのための法律相談』。
 本書は、法律(著作権、意匠権、商標権に関するもの)という観点から、「クリエイターの作品を守る方法」について書かれている。だから基本的には、イラストを作る立場から著作権等を眺めた本である。でも逆に見れば、他人の作った作品を利用する立場からの著作権等も見えてくる。
 26のQ&Aと14のコラムから成っていて、かなりかゆいところに手が届いている本だ。私の中でこれまで著作権法的にアウトなのかセーフなのかが微妙だった点について、ズバリと答えてくれているところがいくつもあった。イラストの依頼者との契約書の例など、とても参考になる。
 自分の著作権を守るために、他人の著作権を侵さぬように、ぜひ手元に置いておきたい。

2014年11月29日土曜日

『Night Steamin' Lupin』大野 雄二

 2005年。「洒落たナイトムードならルパンにおまかせ」をテーマにしている。同時発売された3枚のアルバム『night steamin’ lupin』『cafe relaxin’ lupin』『drive groovin’ lupin』のうちの1枚。
 ピアノ、サックス、トランペット、フルート、ギター、ベース、ドラムスすべてがルパンしている。ゆったりとした曲がほとんど。サックスとトランペットが絡み合いながらのウォーキングベースが素敵な『Theme From Lupin III(More Lupintic version)』は気に入った。ピアノソロ『Treasures Of Time』も味がある(映画『カリオストロの城』からの『炎のたからもの』ですね)。同じくピアノソロの『Memory Of Smile』や『Manhattan Serenade』もしっとりしていていい。他にはピアノ、ドラムス、ベースが穏やかにまとまった『LOVE THEME』(『ルパン三世愛のテーマ』です)がいい。
 同時発売3枚のうちでは、これが一番好きかも。

2014年11月24日月曜日

『エチオピア・ネキセ(2014)』横井珈琲

 Ethiopia Nekisse。「ネキセ」という名前は、農園の名前でも地域の名前でもないのだそうだ。アメリカのナインティ・プラス社が定めた、コーヒーの風味、特性、味のプロファイルからつけられた名前だという。初めてネキソが作られた「シャキソ」地域からのネクター「Nectar from Shakisso」という意味の造語だそうだ。ブレンドにつけられた名前という感覚として捉えていいのだろうか。たぶん今後は、「ネキセ」といえばいつもこの味が楽しめるということなのだろう。
 ナチュラル・プロセスっぽい味がする。ネクタリンと言われればそんな気もする。アテモヤとかマンゴスチンが熟した感じの風味がある。それにちょっと甘いチョコみたいな味を添えた感じ。
 私がナチュラルっぽい味が何となくでもわかるようになったのは、実はここ1、2年のことで、それまではそんなに意識したことがなかった。どちらかといえば苦手な方なのだが、ちょっとこの感じがあるとコーヒーの風味がより豊かになるような気はする。このコーヒーも、苦味があまりなく、フルーツっぽい風味の漂うコーヒーです。
工房 横井珈琲』札幌市西区発寒9条11丁目2-11(地図

『ソーシャルメディアの何が気持ち悪いのか』香山 リカ

 朝日新書。
 著者が感じているソーシャルメディアの気持ち悪さは多岐にわたるが、例えばこんなことを述べている。「SNSは人と人とをつなげるツールであるどころか、一方的な発信を双方向的なコミュニケーションだとカン違いさせる、世にも気持ち悪い装置なのではないか」。私としては、SNSは厄介だとは思うが、そう気持ち悪いという感覚ではない。しかし、本書の中で述べられているSNSの妙な息苦しさ、SNS疲れ、傷つけ合う人々、ネトウヨの存在、炎上、プチ正義感、いいねの拡散、依存などの事例は、確かにそういう面があるかもしれないと頷ける点も多い。私にとっての厄介さと著者にとっての気持ち悪さは、もしかすると同類のものかもしれない。
 ソーシャルメディアはコミュニケーションツールであって、コミュニケーションを濃密にさせると多くの人は思っているかもしれないが、実はコミュニケーション(特に身体性としての)を希薄にしているのではないかとの問題意識は重要だと思う。ただし本書全体を通しての著者の主張が何かということは、いくぶんぼやけているように感じる。単なる事例紹介と簡単な感想、それに終始しているように感じた。それぞれの事例について、もっと掘り下げた議論をしてくれればよかったのにと思う。また、ソーシャルメディアといっても、ツイッター、フェイスブック、LINE、ブログ、インスタグラムなどいろいろとあり、それらはそれぞれに特徴も違っているので、これらをひとくくりにする無理も感じた。ソーシャルメディアの何が気持ち悪いのかについてのまとめ的章がないので、著者のいいたいことが少しわかりづらいのが難点である。

2014年11月23日日曜日

『Take Five』The Dave Brubeck Quartet

 デジタルリマスターされた3枚のアルバム、『Time Out』『Brubeck Time』『Brubeck Plays Brubeck』が入っている。とってもお得。ジャズです。
 『Time Out』1959年。Dave Brubeck(piano)、Paul Desmond(Alto Saxophone)、Eugene Wright(Double Bass)、Joe Morello(Drums)。このアルバムに、かの『Take Five』が入っている。あまりジャズを聴いていなかった頃からこの曲は何となく好きだった。でもこの曲だけじゃなく、『Blue Rondo Á La Turk』の緩急豊かな感じとか、ピアノのきれいな『Strange Meadow Lark』とか、それ以外の曲も全部がそれぞれに個性的で、とても楽しいアルバム。
 『Brubeck Time』1954年。Dave Brubeck(piano)、Paul Desmond(Alto Saxophone)、Bob Bates(Double Bass)、Joe Dodge(Drums)。全体的に明るい感じでいいけれど、ちょっときれいにまとまりすぎている感じがして、『Time Out』に比べるとおもしろみが少ない。でも心地よいBGMになってくれる。
 『Brubeck Plays Brubeck』1956年。デイヴ・ブルーベックによるピアノソロ。彼のピアノはとても上手なわけではなく、ちょっと堅い感じもする(本当はとても上手な人なのかもしれないけれど、素人目にはそう感じたということ)。でも音の選び方が、あっ、そこでこう来るんだ、みたいな予想外のおもしろさがあって、聴いていると結構楽しめる。かけ流していて、いつの間にかCDが終わってしまうのではなく、ポイントポイントでつい耳が引き込まれる。
 3枚それぞれに良さはあるとは思うけれど、『Time Out』が一番聴いていて楽しいなと思った。

2014年11月22日土曜日

『芥川竜之介随筆集』石割 透編

 岩波文庫。
 芥川龍之介というと、やっぱり短編小説が有名なのだろう。けれども私は、個人的には警句集である『侏儒の言葉』みたいな小説じゃないものが好きだった。それで、こんな本が店頭にあったものだからつい手に取ってしまったわけだ。
 明治、大正、昭和にかけての東京のこと、文壇のこと、そして芥川の交友関係などについての話題が多い。読んでみると意外に語り口がやわらかく、ああ、彼も同じ人間なんだと身近に感じられる反面、交友関係を聞くとやっぱり遠い存在のような気もして、なんだか不思議な感じがした。また、やわらかい語り口とはいえ、芸術に対する態度はかなり鋭いものもあったりして、親しみやすさとともに、怖い(というか厳しい)イメージも持った。これを読むと芥川に対するいろいろな感情がわき出てきて、そしてそれらが全然違うタイプのものなのに不思議と同居している。それはまるで狐につままれているような感じなのに、なぜかほっとした気分になっている自分もまたそこにいる。なぜほっとした気分になるのか、自分でも全然わからない。けれども、読んでいてとても楽しい本だった。

2014年11月15日土曜日

『コロンビア・エル・セドロ(2014)』横井珈琲

 Colombia El Cedro。ウィラ県ピッタリート地区のエル・セドロ農園。
 中煎りからやや深煎りくらいで、すっきりとした苦味がいい。アプリコットやカシスのような風味がある。舌に感じるちょっとした刺激がまたいい。これは酸味成分と苦味とのバランスから来るのだろう。
 ブラジルばかり飲んでいた昔は苦手だったコロンビアも、あるときから急に好きになった。というかどこの国のコーヒーでもそれなりに好んで飲めるようになった。年をとったのかな。

工房 横井珈琲』札幌市西区発寒9条11丁目2-11(地図

2014年11月9日日曜日

『Café Relaxin' Lupin』大野 雄二

 2005年。
 「ルパンと一緒にゆったりとしたアフタヌーンを」がテーマのアルバム。過去に発表したルパンの曲の中から、コンセプトにあったものを集めている。実は『Theme From Lupin III』の他にはあまり知っている曲がない。そのせいか、ルパンのアルバムというよりは普通のジャズアルバムとして聴いてしまっている。あまり重くない軽めのジャズとして、わりといい。曲と映像が結びつく人はもっと違う印象を持つのだと思うけれど。
 ちなみに『Drive Groovin’ Lupin』『Night Steamin’ Lupin』 を合わせて3タイトルが同時発売されている。私は前者だけ購入していた。

2014年11月5日水曜日

日本シェーグレン症候群患者の会かわら版NO.6~2014年夏・秋号

 2014年夏・秋号の「日本シェーグレン症候群患者の会かわら版NO.6」が届いた(こちらをクリックすると開きます)。2014年3月29日に行われた総会に参加した人の感想、7月5日の中部ブロック(金沢)ミニ集会の報告、会員からのお便り、2013年10月10日に京都で行われた国際シェーグレン症候群患者会の報告などが記事になっている。患者の会がどんな感じの会か知るための参考になる。シェーグレン症候群に悩まされている患者、そしてその家族など、一人で誰にも相談できずに苦しんでいませんか。そんな人は、試しに患者の会に連絡を取ってみるのも手かと思います。会に入るかどうかは別にして。

日本シェーグレン症候群患者の会HP

シェーグレンの会会報第23号

 2014年9月20日発行の「シェーグレンの会会報第23号」が届いた(こちらをクリックすると開きます)。主に2014年3月29日に行われた総会の内容で、この総会については私が以前取り上げた(私の記事)。気になったこととか興味深かったことはその記事に載せたので、そちらを見てほしい。ここでは、そこに載せなかったことで役に立ちそうなことをかいつまんで紹介したい。
○シェーグレン症候群~基礎研究から見えるもの~ 石丸先生
・アレルギー疾患やシェーグレン症候群などの自己免疫疾患は、免疫システムが過剰に反応する病気である。
・自己免疫疾患に効果的な根本的治療法がないのは、原因がはっきりしていなくて、しかも原因がたくさんあるからだ。現状は対症療法しかない。
○シェーグレンと共に(6)SS研究の動向と治療 菅井先生
・日本の診断基準と国際的なシェーグレン症候群の分類基準(ACR2011年)を紹介。日本の基準の方がいいのではないか。
・「シェーグレン症候群の「10」の問題点」「患者さんの要望」「医師に求められるもの」「患者会の役割」が掲載されていて参考になるので、是非一番上のリンクから読んでみてほしい。
○歯ぐきの病気とシェーグレン症候群 遠藤先生
・シェーグレンの人が歯周炎になりやすいかどうかは意見が分かれており、必要以上に心配することはないのではないか。
・歯の磨きすぎに注意
○眼科医からみたドライアイとその治療法 庄司先生
・ドライアイの自覚症状を正確に記録し、診断や治療効果判定に役立つ診断ツールが開発されることが期待されている。
・ドライアイの治療は、乾燥に対する治療と炎症に対する治療とに大別される。

と書いてはみましたが、私が以前書いた総会の記事(こちら)の方が内容的にはおもしろいと思います。

日本シェーグレン症候群患者の会HP

『schnee』Henning Schmiedt

 2013年。ヘニング・シュミート。ピアノ・アルバム。
 「雪」という名のアルバム。それは日本の東北地方に初めて訪れたときに見た雪の記憶であったり、故郷のドイツに降る雪であったりするらしい。ふんわりと、静かに降る雪。
 ヘニング・シュミートのCDを聴いたのはこれが4枚目だけれど、このアルバムが一番メロディがしっかりしているような気がする。耳に残りやすくて、心地いい。お気に入り。落ち着きます。

2014年11月4日火曜日

『疑似科学と科学の哲学』伊勢田 哲治

 名古屋大学出版会。
 科学って何だろう。普段私たちは、これは科学的に証明されている、なんて聞くと、それは絶対的に正しいことなんだろうと思ってしまう。じゃあ、科学の顔をしてるけど一般的には科学じゃないこと、つまり疑似科学とされているものは、どういう風に科学的じゃないんだろう。日本人なら、旧約聖書に出てくる、神がすべてを創造したとする創造科学を信じる人は少なくて、ダーウィンの進化論の方が科学的だと思うだろうけれど、創造科学はどうして疑似科学といわれることが多いんだろう。創造科学の場合は、そんな当たり前のことを、と思うかもしれない。でも占星術は?エスパーは?鍼灸とかホメオパシーとかの代替医療は?とかいっていくと、ちょっと困ったように、科学じゃないかもしれないけれど正しいかもしれないよ、と答えたくなるようなものも出てきそうだ。そのうち科学がそれらを証明したら、それらの疑似科学も科学になるかもしれない、との含みを持って。
 このとき、科学と疑似科学の間に線を引こうとすると、意外とその基準を決めるのは難しいと気づく。自分のことを科学者だと思っている人からすると、これらの違いは明白なように感じるだろうけれど、科学とか疑似科学の外側からこの問題を眺めると、そう簡単にはいかない。科学哲学というものは、科学とは何かという問題だけを考えているわけではないけれど、この問題に取り組んできた人も多い。
 この本には、そんな科学とは何かということについて、哲学者らがどのように考えてきて、どのような結論を見いだしてきたのか。そしてその結論の不完全さをどうやって補ってきて、またどんな新しい考えを生んできたのか、ということが、ざーっと、でもきちんと解説してある。
 その解説にはもちろん著者の考えが入っていて、著者なりの結論、それは線引き問題にけりをつけるという明確なものではないけれども、それなりに十分読者が納得できるようなものを用意してくれる。なあんだ、そんなことなら誰でも言えると思う人もいるかもしれないし、それは違う、とか、なるほど、とか思う人もいるかもしれない。著者の結論(らしきもの)よりも、著者が本書の中で否定的に述べていた理論の方にこそ真実がある、と思う人もいるだろう。それはどう読んでもいいのだと思う。本書にはいろんな考え方がたくさん載っている。そういう考え方もあるんだ、こういう考えもあるんだ、といちいち頷いてしまう。それが楽しい。難しいこともいろいろ書かれているし、読んでいて訳がわからなくもなったりするけれど、科学って何だろう、という疑問を持っている人には、おもしろい本だと思う。

2014年10月28日火曜日

『エチオピア・イルガチェフェ・ボルボーヤ(2014)』横井珈琲

 Ethiopia Yirga Chefe Borboya。イルガチェフェ村のボルボーヤ・ステーションという生産処理場の豆。エチオピアのコーヒーというのは、ひとつの農園のひとつの品種という分け方が難しいのだそうだ。この豆も、複数の小規模生産者がボルボーヤ・ステーションに持ち込んで作られた豆だという。いろんな豆が混じっていると書いてある情報もあったけれど、これはたぶん単一種。とても小さなかわいらしい豆で、小豆みたい。エチオピアとかイエメンというと、つい「モカ」だな、と思ってしまうけれど、本当のところ「モカ」ってどういう定義なんだろう。実はよくわかっていない私。
 花のような香りがする。何の花だろうと考えて、ふと、あ、これはダージリンのファーストフラッシュの香りだ、と思った。そう、とっても紅茶っぽい香りがする。でも味はしっかりとコーヒー。エチオピアは酸味のあるイメージだけれど、この豆はそれとは違って結構苦味もある。後味に甘みも感じられて、舌を楽しませてくれる。想像していたのとは違う雰囲気を持つコーヒーだけれど、ちょっと気に入った。

工房 横井珈琲』札幌市西区発寒9条11丁目2-11(地図

2014年10月24日金曜日

『Virtuoso』Joe Pass

 1973年録音。ジョー・パス。ジャズのソロギター・アルバム。
 ベースもドラムスもピアノも歌も何もない。ただギターだけ。しかも最近はやりのニューエイジ系のような派手さもない。淡々と、なのに感情豊かな。
 聴いてるうちに、パブロ・カザルス(Pablo Casals)の弾く無伴奏チェロ組曲(J.S.バッハ)を思い出した。ジャズとクラシックで全然違うのに、なぜか似たところがあるように感じた。バッハは全然こんな風じゃないけれど。不思議。

2014年10月22日水曜日

『ブラジル・シャパーダ(2014)』横井珈琲

 Brazil Chapada。ソレダデ・デ・ミナスの農園。
 中煎り。ブラックチェリーのような風味の苦味がある。酸味はほとんどない。口の中の上の方に苦味が強く残り、舌の上ではまろやかさを感じる。その苦味とまろやかさは決して混ざり合うことなく、独立に存在している。その2つの感覚の間がぽっかりと空いたような感じがして、なんだか不思議な感覚を覚える。苦味と言ってもそれほど強いものではないので、どちらかと言えば中性的な味ではある。でも何かの南国のフルーツを焦がしたような風味もあって(上ではブラックチェリーのようなと表現してみたけれど、これとは別に)、これはあまり経験したことのないものだ。ちょっとおもしろい。

工房 横井珈琲』札幌市西区発寒9条11丁目2-11(地図

2014年10月18日土曜日

『On My Way』宮本貴奈トリオ

 2013年。ジャズ。ピアノ:宮本貴奈、ベース:マット・ペンマン(Matt Penman)、ドラムス:ユリシス・オウエンス・ジュニア(Ulysses Owens Jr.)。
 「旅」をコンセプトにしたアルバム。軽妙なタッチで重々しさを感じないピアノは、まるで風のよう。楽しい旅を予感させる『On My Way』で、このアルバムは始まる。バート・バカラック(Burt Bacharach)の『A House Is Not a Home』、ビル・エヴァンス(Bill Evans)の『Peri's Scope』のようなスタンダードの中にあって、全然引けをとらない宮本自身の曲。静かで落ち着いた曲もあるのに、全体としては楽しい気分でサーッと聞き流してしまえる。ちょっとこんな風に聞きやすすぎるところが物足りなくもあったりするのだけれど、たまにドキッとさせられるメロディセンスににやけてしまう自分もまたいる。バド・パウエル(Bud Powell)の『Parisian Thoroughfare』、オスカー・ピーターソン(Oscar Peterson)の『Wheatland』のあとに『この道』を持ってきてアルバムを締めるなんて、心憎い。よい意味でBGMとして最適。

2014年10月13日月曜日

『思う女201410』

 軽く放心状態で、何かを思う女。
 子供のこと?
 夫のこと?

2014年10月12日日曜日

『男201410』

 ちょっと水の流れに筆を任せすぎて、制御が効かなくなってしまった。こういうのを、ささっと、しかもきっちりと仕上げられるようになるのが目標です。なかなかきっちりとはいかない。