2013年6月30日日曜日

『日本の七十二候を楽しむ』白井 明大

 東邦出版。副題『旧暦のある暮らし』。
 日本には七十二の季節がある。1年を4つに分けた四季。それをさらに6つずつに分けた二十四節気。立春とか夏至とかが二十四節気ですね。そしてそれを3つ(初候、次候、末候)に分けた七十二候。この本は、その季節それぞれについて「候のことば」「旬の魚介」「旬の野菜」「旬の行事」・・・といった具合に紹介している。それらを読んでいると、ふだん日常に流されて気づかなかった季節の移り変わりに思いをはせ、日本にはこんなに豊かな四季に恵まれているんだ、という感慨を覚える。添えられている有賀一広の挿絵がまたいい。水彩と色鉛筆で描かれた(と思われる)写実的ながらやわらかい雰囲気のイラストだ。
 でも不満もある。それぞれの季節が新暦のどのくらいの時期なのかは書いてあるが、それに対応する旧暦の日付は書いていない。そして七十二候の表記の仕方。例えば今の季節は夏至の次候「菖蒲華」の頃だが、この本には「菖蒲華さく(あやめはなさく)」と書いてある。漢字3文字の横に「あやめはなさく」と書けばいいと思う。もうひとつ、漢字が少ない。「あんこう」を「鮟鱇」と漢字で書くんだったら、「まぐろ」や「うなぎ」も漢字をつけてほしい。
 とまあ不満はあるけれど、素敵な本だと思います。

2013年6月26日水曜日

『Royal Blue Stilton』Coombe Castle

 イギリス産のブルーチーズ。スチルトンは3大ブルーチーズのひとつで、他のふたつはロックフォールとゴルゴンゾーラ。
 ちょっと硬めのブルーチーズだが、口に含むと多少のねっとり感もある。塩が利いていて、青かびの刺激はあるものの、そんなにきつい味ではない。わりに食べやすくておいしいと思う。でも1回に食べる量はひと切れ、ふた切れ程度で十分。一人で食べているとなかなか減らない。

『Bedtime Story』Satoshi Gogo

 2013年。伍々慧。ギターソロアルバム。
 まず聴いてみて耳に残ったのは、カヴァー曲のアレンジのすばらしさ。ちょっとマリオチックで愉快で楽しいビートルズの『When I'm 64』。そしてしっとりと歌い上げた『Moon River』。ファンキーがかった『Autumn Leaves(枯葉)』。こんな素敵なアレンジはなかなかない。
 オリジナルももちろんいい。メロディセンスとアレンジセンスとギターの巧さが際立っている。これまではさわやかな感じの曲が多かったような気がするが、たとえば『Distace』や『Ticket to Starry Sky』、『つぼみ』のような味のあるバラードもいい。『雨の日はワルツを踊って』などは、伝統的なクラシカルミュージックのような貫禄すらある。さわやかな感じのものでは『風待ち』が好きだった。
 確かデビューは15、6歳の頃だったんじゃないだろうか。2005年の 『MELODY』というミニアルバムが最初だった。それから何枚かアルバムを出しているが、いつも気づいたときには「再入荷の見込みが立っていません」で、これは私にとって久々の2枚目の彼のアルバムだ。これからもフォローしていきたい。

『バッコスの末裔』

 2013年7月2日から7日まで、「GALLERY フェーマス」にて展示されています。『第15回アート・コンテスト選抜展』。
 バッコスは酒の神様です。現代に生きるその子孫はまだ子供だから酒を飲まず、缶ジュースを飲む。でも妖精としてはせっかくだからワインを飲んでもらいたい。とまあそんな設定です。
 特に優秀な作品に送られる特別賞に選出されると、原宿のギャラリーでも展示されるのですが、この作品は残念ながら選ばれませんでした。まだまだ精進しなければいけないようです。

『GALLERY フェーマス』東京都文京区本駒込3-20-3 講談社FSビル1F

2013年6月23日日曜日

『ブラジル・セハード2013』横井珈琲

 Brazil Serrado。カルモ・デ・ミナス地区の農園。
 前に飲んだとき(私の記事)よりもちょっと浅煎りにしているんだろうか。やや酸味のまさった香り高い仕上がりになっている。舌の上に残るナッツのような余韻がいい。味がしっかりとしている。昨年飲んだものよりも豆自体に主張があって、今回の方がおいしく感じる。ブラジルというともう少し中性的な味を思い浮かべるけれど、こんな感じのブラジルもいい。

工房 横井珈琲』札幌市西区発寒9条11丁目2-11(地図

2013年6月10日月曜日

『グァテマラブレンド』珈琲問屋 豆源

 口の中にやわらかい苦味がひろがり、そのあとで喉の奥に感じるガツンとしたパンチ。飲みやすさとグァテマラの力強さが絶妙な感じで同居した、素敵なブレンド。豆源の豆は安いのにこんなコーヒーを売ってたりするから、スペシャルティコーヒーを売っている他の店に手を出しつつも、たまにまたこの店に立ち寄ってしまう。ある日忽然と姿を消した初代店長のことを思い出しつつ。

『珈琲問屋 豆源 北19条店』札幌市北区北19条西4丁目2-24片野ビル(地図

2013年6月8日土曜日

『FLYING SAUCER 1947』Harry Hosono & The World Shyness

 2007年。ワールド・シャイネスをしたがえての、バンド・スタイルの細野晴臣である。
 一聴、わあ、アメリカだあ。それも今のアメリカじゃなくて、もっと古い時代のカントリー&ウエスタン。1940、50年代のC&Wのカヴァーである最初の2曲、『Pistol Packin' Mama』、『The Wayward Wind』はもちろんなんだけど、それ以外の細野による曲の数々、たとえば『Body Snatchers』、『Morgan Boogie』みたいな日本語の歌までそんな感じでご機嫌だ。日常会話での声使いとたいして変わらないような自然でやさしいヴォーカルが、うまい具合に力の抜けた感じになっていて、肩肘の張らない細野ワールドを形づくっている。いいなあ、このアルバム。
 カントリーだけじゃなく、ジャパニーズな感じの『Shiawase Happy』とか『Yume-Miru Yaku-Soku』みたいなのもある。森高千里、忌野清志郎、坂本冬美が絡んでいたりもする。でも全部細野さんなんですね。
 1947年、細野は生まれ、その同じ年にアメリカ・ニューメキシコ州ロズウェル近郊で円盤が墜落した。タイトルはつまり、そういうわけである。ジャケットもいいですね。よく見ると・・・

2013年6月5日水曜日

『さくらブルボン』珈琲問屋 豆源

 なんだかかわいい名前のコーヒー豆が売られていたので買ってみた。もちろんブルボン種。でもそれ以外の豆の情報がわからない。桜の季節、ではない。さすがにこの札幌でも。ソメイヨシノやエゾヤマザクラは終わってしまったし、八重桜や枝垂れ桜も申し訳程度に花がついている程度。
 話がそれてしまった。このコーヒーのちょっと生豆っぽい感じのえぐみ、この感覚は久しぶりかもしれない。お手頃価格のマンデリン、そんなイメージ。もうちょっと味に深みがあったほうがいいなとは思う。香りもそれほど豊かではないし。でも、あんまり好みではないと思いながらも何回も淹れていると、不思議と舌になじんでくる。そんなに悪いコーヒーではないのかもしれない。
 さて、こんなデザインのカップはうちにはないのだけれど、「さくらブルボン」のイメージで描いてみた。

『珈琲問屋 豆源 北19条店』札幌市北区北19条西4丁目2-24片野ビル(地図

2013年6月2日日曜日

『街場の文体論』内田 樹

 ミシマ社。著者による神戸女学院大学での最後の講義「クリエイティブ・ライティング」14編をまとめたもの。
 「クリエイティブ・ライティング」とは何なのかよくわからないまま読み進め、ああ、この講義は「生成的な言葉とは何か」について色んな方面から検討しているんだな、とわかったのが最後から2講目。そして最終講義を読んでなるほどと思い、全部読み終わってから目次を眺めて、やっと腑に落ちた。これは壮大な文体論です。著者の思いが詰まっている。ただ私がついていけなかっただけ。
 個々の授業は間違いなくおもしろい。時折交じる断定口調に「?」を感じながらも、ぐいぐい引き込まれる。エクリチュール(彼によれば「集団的の社会的なふるまい方を規定する無意識的な縛り」のことらしいが、ちょっとわかりづらい概念だと思う)と階層社会についての議論などは、目から鱗が落ちる思いだった。村上春樹は世界中で訳されるのに吉本隆明はなぜほとんど翻訳されないのかだとか、宮崎駿は世界を見ていないだとか、興味深い話が随所に転がっている。
 著者もいうように、この講義全体をとおして、「響く言葉」「届く言葉」「身体に触れる言葉」とはどういうものかということについて論じている(私は最後の方になるまでそのことがわからなかったのだけれど)。そのうち「届く言葉」と「届かない言葉」の違いはどこにあるのか、ということに関して、著者の思いは強い。そしてその思いは読者である私の元にも届いてくる。
 この本は最終講義、つまり14講目とあとがきを先に読み、その後で最初からとおして読むといいのだと思う。そうすれば、一見「クリエイティブ・ライティング」と関係がなさそうな話も、実は根っこのところでしっかりとつながっているということがよくわかるのではないか。まあ、そんな読み方をしなくても、何も考えずにただ著者の話の流れに身を任せているだけで、十分におもしろいのであるが。

2013年6月1日土曜日

『トゥマレロレッドペッパー』

 イタリア産のセミハードタイプの羊のチーズ。このチーズ、ネット上でも情報が非常に少なく、イタリア語のスペルがわかりませんでした。しかもセミハードなのかどうかも自信がない。食べた感じで、たぶんハードではなくセミハードだろうと判断しました。
 唐辛子をちょっと粗く刻んだものがたくさん入っていて、結構辛い。でもこのピリリとした辛みがうまく羊臭さを隠していて、意外といける。かなり好きな味。ただし私の身近にいるほんのちょっとの羊臭さもいやな人によると、これでもだめらしい。この辛さとチーズの組み合わせはクセになると思うんだけど。私個人の意見としては、お薦めです。