2013年1月26日土曜日

『Believe in Me』Masa Sumidé

 2011年。住出勝則。ソロギター・アルバム。
 久しぶりにギター・インストを聴くと、耳がついていかなくて戸惑う。押尾コータローやマイケル・ヘッジス(Michael Hedges)の場合はあんまりそんなことはないんだけど、他の人の曲の場合は慣れるまで時間がかかる。どうしてかはわからない。このアルバムもそうだった。住出はもともと好きなタイプのギタリストではないのだが、昨年出た『Half & Half』 (私の記事)が思いの外よかったものだから、その前年に出たこのアルバムも聴いてみようと思った。
 フレーズはあるがメロディがない。そんな感じの曲が多い気がする。ライナーノーツのなかで『Love Dance』は究極のコードメロディをめざしたと書いているので、全体的にそういった曲作りをする人なのかもしれない。もしかすると私ははじめこれらの曲のなかにメロディを探していたので戸惑っていたのかもしれない。こういうものだと聴き慣れてくるとそんなに悪くはないのだ。好きな曲も結構ある。暖かい日射しを感じる『Sunny Afternoon』、心に響くバラード『Dreaming of You』、さわやかな海の風景『Blue Water』、心を洗い清めてくれる雨をイメージした『Gentle Rain』。私はあまり激しくない曲が好きみたい。

2013年1月23日水曜日

『十七音の海』堀本 裕樹

 KANZEN。副題「俳句という詩にめぐり逢う」。
 著者の言葉をそのまま引用。

「正岡子規以降の近代から現代までの作品のなかで、私が好きで皆さんに知ってもらいたいと思った俳句を百四句選びました。」

 そしてその104句に著者の解説が添えられている。すごくわかりやすく、言葉遣いもやわらかで優しい。それぞれの句に対する愛情が感じられる。
 私は俳句を詠まないし、読めもしない。けれども著者の導きにしたがって句を読んでいくと、その句の持つ世界が目の前に現れてくる。たった17音の言葉のなかにこんなにも大きな世界が広がっているのか、と感動に似た思いに包まれる。俳句っていいな、とそんな気にさせてくれる。この本を読むと、俳句が近くなる。素敵な本。

2013年1月17日木曜日

『Covers』Norah Jones

 2012年。『カヴァーズ~私のお気に入り』ノラ・ジョーンズ。
 その名のとおりのカヴァーアルバム。わりと昔の録音が多く、『The Fall』 (私の記事)、『Little Broken Hearts』 (私の記事)といった最近のアルバムからの曲は入っていない。いや、正確には『The Fall』のデラックス・エディションの付録CD『Live at the Living Room』に入っていた曲は2曲入っている。でも、彼女の作風が大きく変わったこの2つのアルバムのような雰囲気はこのカヴァーアルバムにはなく、初期の頃のノラのイメージの残るアルバムになっていると思う。その点で、昔のノラが好きだったファンにはうれしいアルバムなのではないだろうか。
 映画『東京タワー』の主題歌であったエヴァリー・ブラザーズ(The Everly Brothers)の『Sleepless Nights』、ボブ・ディラン(Bob Dylan)の『I'll Be Your Baby Tonight』、パッツィ・クライン(Patsy Cline)の『Sweet Dreams』、M.ウォード(M. Ward)と一緒に歌っているビル・キャラリー(William Callery)の『Hands on the Wheel』なんかが結構好きだが、一番の私のお気に入りは、グラム・パーソンズ(Gram Parsons)の『She』でした。

2013年1月13日日曜日

少年201301

 いつも「絵」を描いてる。でもちょっと「イラスト」を描いてみたくなった。それで写真を見ながら絵画っぽくならないように注意して描いてみたら、こんな風にアニメっぽくなってしまった。
 「絵」と「アニメ」の中間くらいを狙っているのだけれど、うまくいかないものですね。

2013年1月12日土曜日

『ブラス&ストリングスアレンジ自由自在』松浦 あゆみ

 Rittor Music。副題「知っていると知らないでいるとでは大違い」。
 この本で主に扱っている「ブラス」は、トランペット、トロンボーン、サックス(アルト、テナー、バリトン)で、「ストリングス」は、バイオリン、ビオラ、チェロ、ダブルベース(コントラバス)である。それぞれの楽器の構造、運指、音域、奏法、特徴の記述に始まり、ブラス、ストリングス単独のアレンジ、それらを合わせたときのアレンジについて、初心者が知っておいた方がよいと思われるものについて触れている。生の楽器のアレンジはもちろん、打ち込みにおける注意点なども書いてある。CDが2枚付いており、豊富な実例を実際に聴きながら読み進められるのがいい。ふだんこのような楽器に囲まれて暮らしているわけではないので、実際の楽器の音を聴けるのはかなりうれしい。打ち込みのコツなども、実例に則していてわかりやすい。そしてアレンジの例もかっこいい。
 ずっと手元に置いておきたい本だ。いい本を買った。

2013年1月5日土曜日

『はじめての木象嵌』橋本 元宏

 日貿出版社。表紙には、「究極の糸鋸木工芸」、「はがき板でやさしく作る」とある。
 木象嵌(もくぞうがん)とは、その名のとおり木で作る象嵌で、樹種の違い(色や木目)を利用して異なる板を組み合わせることによって、模様や絵を表現するというものだ。本書では比較的手に入りやすい「はがき板」を使って、電動糸鋸(いとのこ)盤で作る。その方法は「重ね傾斜挽き」というもので、(たとえば)2枚の板を重ねて下の板が小さくなるように少しだけ斜めにして同時に切り抜いて、上の板を下の板に嵌め込むことによって図柄を作っていく(糸鋸の歯の厚さがあるから、うまく嵌め込むことができる)。
 説明がうまくできたような気がしない。図解すればわかりやすいのだが、言葉だけで簡単に説明するのは難しい。その点本書は図盤も写真も多く、実にわかりやすく書いてある。「木象嵌の基礎練習」として8ステップの練習課題が用意されており、それを一通り練習すると、いろんな図柄にも対応できるようになるようになっている。初心者には本当によい本だと思う。
 ただ、1番のハードルは道具をそろえることかもしれない。角度を調整できる電動糸鋸盤、かんな、グラインダー、ハンドドリル・・・。私にはこのハードルを越えることができそうにない。

2013年1月2日水曜日

青い帯のあるカップ

 その町の一番のメイン通りに面したその店は、どこか風格が備わっていた。一歩店に入ると、外の喧噪とは打って変わって静かな高級感が漂っている。まだ学生の身のわずかな小遣い程度では到底手の出ない値が並んでいる。憧れと諦めの入り混じった面持ちでそれらの商品を眺めていると、奥にまだ小部屋が続いているのに気づいた。こちら側よりも明らかに照明を落とした薄暗いその部屋は、棚もただの金属パイプをつないでつくられたもので、上に乗っている皿やカップも雑然としており、まるで倉庫のようだった。しかし書き殴ったような値札が付いているのを見ると、一応商品のようだ。型落ち品か何かなのだろう。このカップを見つけたのはその部屋を物色して少し経った頃だった。この店の他のカップとは違うシンプルでカジュアルなデザインで、それが逆に目を引いた。値段も手頃である。これが自分の小遣いで購入した初めてのコーヒーカップとなった。
 そしてこれが、今我が家にある一番古いコーヒーカップでもある。

『DTM打ち込みフレーズ制作技法』篠田 元一

 Rittor Music。
 タイトルのとおり、MIDIによる打ち込みに特化した本だ。ドラム、ベース、ギター、ホーン、ストリングス、キーボードそれぞれについて、楽器やプログラミングの解説とプログラミング・パターンが載っている。プログラミング・パターンについては、付属CD-ROMに300以上のスタンダードMIDIファイル(SMF)が掲載されている。ただしキーボードについては解説はほとんどなく、プログラミング・パターンのみを載せている。キーボードの打ち込みは当然できるものということなんだろうか。
 まったく打ち込みをしたことのない私のような人には、結構ハードルが高い。一応MIDIの基本なども解説しているのだが、まずそこでの単語がよくわからない。ネットやマニュアルで調べたりして何とかついていく感じだ。おそらく入門者というよりは初心者を対象とした本なのだと思う。でも最後まで食らいついていくと、そこそこ打ち込みのイロハくらいは身につくようになる。そういう意味でやりがいがある。
 本書は打ち込みの基本例はそれなりにジャンルごとにそろえているが、音楽理論的な面についてはあまり触れられていない。ただ、ギターについての解説だけはコード理論などがわかっていないときついかもしれない。なぜかここだけは妙に理論的だ。また、フレージングやコードヴォイシングについては別途勉強する必要があるだろう。本書だけでは音楽は作れない。譜例の切り貼りだけで音楽を作ろうとしても無理である。そういう意味ではパターンは少ない。でも、初心者が打ち込みの勉強をする目的で読むのなら、十分なボリュームがある。パターンをDAWソフトに読み込んで中身を精査するだけで、結構な力がつくと思われる。
 最後に。SMFを実際にパソコンに取り込んで聴いてみたりしてみたが、打ち込みくささというのはやっぱりある。ドラムとベースは打ち込みの音を聞き慣れているせいかあまり気にならないが、ほかのパートはちょっと気になる。楽器を自分で弾けるのであれば、その音を録音した方が当然自然に聞こえる。あと、それぞれの楽器の特性がわかっていないで打ち込むと、余計に不自然さは目立つことになる。狙って打ち込みくささを出したいのであれば別であろうが。
 私にとってはよい参考書になりそうだ。

2013年1月1日火曜日

2013年年始

 また1年の始まりです。今年もどうぞよろしくお願いします。

 絵は、型紙3枚を使ってステンシルみたいに水彩絵の具でドライブラシでたたいて表現しました。
 今年も長くしっかりと生きたいものです。