2012年4月29日日曜日

『椿サロン 札幌本店』

 以前この場所は『カフェ アトリエテンマ』(私の記事)という喫茶店だった。いつ『椿サロン』というカフェに変わったのかどうかはわからない。でも内装は一緒で、ゆったりとした洗練された空間は変わらない(そういえば卓球台が置いてあった場所には、代わりにおしゃれなオリジナルグッズが置いてあった)。オーナーもたぶん同じアトリエテンマだ。メニューも若干変わった。ピザ中心だったのだが、それにパスタが加わった。
 ホームページを見ると、『椿サロン』は東京銀座と北海道日高にもあるらしい。北海道を正しく美味しく伝えるカフェだという。今回食事したときにはそんなコンセプトには気づかなかったのであるが。

椿サロン 札幌本店』札幌市中央区北7条西19丁目momijiビル(地図

『ろいず珈琲館(旧小熊邸)』

 札幌市電の「ロープウェイ入り口」から藻岩山ロープウェイに向かう道の途中にある。かなり急な坂だ。その坂から直接はこの建物は見えないかもしれない。右手のちょっと奥まったところに建てられている。といってもこの旧小熊邸、もともとこの地に建てられていたわけではない。札幌市の中心部にあったものが、1998年にここに移築された。市民運動による保存活動があり、喫茶店として生き残ることになったらしい。
 桜の季節になるとテラス席が設置される。この日は暖かかったのでテラス席でコーヒーを飲みたかったのだが、残念ながらまだ設置されていなかった。それで仕方なく、たばこの煙のくすぶる店内へ。禁煙席もあるらしいのだが、私は座ったことがない。
 外からの見た目はいうに及ばず、店内の造りもかなりおしゃれ。木で作られた窓飾りなど、なかなか雰囲気があっていい。

ろいず珈琲館(旧小熊邸)』札幌市中央区伏見5丁目(地図

2012年4月21日土曜日

『Bitches Brew』Miles Davis

 1969年の録音。マイルス・デイヴィス。2枚組。日本では『ビッチェズ・ブリュー』として売られている(なぜ「ビッチーズ・ブルー」じゃないんだろうとは思うんだけど、「マイルス」も本当は「マイルズ」なんだろうから、日本語と英語は違うという、ただそれだけのことなんだろう)。
 半世紀近くも前の録音なのに、今を感じる。クール。これは好きです。特に2枚目がいいですね。「Spanish Key」とか「Miles Runs The Voodoo Down」とか、ぞくぞくする。当時はかなり斬新だったんじゃないかと思う。アルバム全体として山あり谷(?)ありなのも飽きさせなくていい。

2012年4月16日月曜日

『Aged Mandheling』Tully's Coffee

 エイジド・マンデリン。
 生豆を2年間寝かせて熟成させたあとに焙煎したものだという。正直なところ、コーヒー豆をエイジングすることが抽出されたコーヒー自体にどんなよい影響をもたらすのかはわからない。でも、このコーヒーは確かにおいしい。マンデリンの持つ苦みを損なわせることなく、まろやかな味に仕上げている。ほどよい甘みもある。飲みやすいのに軽くない。これはいい。
 意外にも、今のところタリーズで購入した豆に外れはない。驚く。
 なお、この豆は期間限定だと思う。

Tully's Coffee

2012年4月14日土曜日

『リラクセーション』成瀬 悟策

 講談社ブルーバックス。副題「緊張を自分で弛める法」。
 たぶん一般に、緊張という言葉には2種類ある。体がかたくなってかちかちになっている身体的な緊張。そして、緊張した、とか、あがってしまった、とかいう場合の心理的な緊張。著者によると、この場合の心理的な緊張も、実は心が緊張しているのではなくて体が緊張しているのを、心がそう感じているだけだという。そしてこの本ではもっぱら、体の緊張を(物理的に)自分でどうやって弛めていけばよいのか、ということについて述べている。だから自律訓練法などのように心から体にアプローチするというよりは、体そのもののリラクセーションを直接に扱ったものといえる。
 40肩や50肩、肩こり、腰痛といったものは、すべて体の不当な緊張からきているという。これをどのように弛めていけばよいのか、写真や図を絡めながら丁寧に説明している。例えば40肩の場合、だらりと垂らした腕を体の前側を通って上まで挙げることはできなくなっている。それをいかにして上まで挙げられるようにするか。その過程での本人の意識の持ち方、補助者の役割、そんなことを解説する。手から腕、肩、腰、足まで、全身を扱う。それらの弛め方は、ストレッチングやヨガともつながる部分があるが、それそのものではない。しかし、ストレッチングやヨガを行うときに、著者のいうような意識を持つことは実は効果的なことなのではないか、と感じる。
 おもしろいことに心と体はつながっている。阪神大震災の時の被災者が、すっかりかたくなってしまった体を弛めることで、心理的にも前向きになったりした例があるそうだ。そんな実践を重ねる著者は、もともとは心理学の先生である。

2012年4月10日火曜日

アルストロメリア

 20日ほど前に花束を買った。その中にひとつだけ、今でも元気に咲いている花がある。アルストロメリアだ。つぼみだった花も次々と咲き出し、それだけで活けても十分なほどのボリュームがある。コップからあふれんばかりの白い花は、まわりの空気をきれいにしているような気がする。澄んだ清楚な空間が、花を取り囲むように拡がっている。

2012年4月8日日曜日

南部鉄器のティーポット

 岩鋳製南部鉄器急須3型平アラレ。色はダマン青色。岩鋳は海外では「IWACHU」として知られ、フランスの紅茶店Mariageで扱われていることでも有名。この3型平アラレは全部で5色ある。ダマン青の他に、チョコ、若草、こげ茶、黒。黒が定番だろうけれど、Mariageに商品展開するときにいろんな色をつくったらしい。色が付いている方が垢抜けている気がして、この商品を選んだ。アラレ(ぶつぶつ)があった方が南部鉄器らしくていいと思った。この3型は350mLで、一人分といったところ。少なめで十分だというなら二人分入りますね。鉄器でお茶を入れたら鉄分がタンニンと結びついて真っ黒なお茶になるんじゃないか、という心配は無用。内部は琺瑯(ほうろう)引きしてあります。我が家では紅茶用のポットです。

2012年4月7日土曜日

『Beautiful Imperfection』Aṣa

 2010年。『ビューティフル・インパーフェクション』。アシャ。フランスの女性シンガー。
 風貌からの印象とは異なり、少し幼さの残る声をしている。フランスとは言ってもナイジェリアで過ごしていたので、歌詞は英語とヨルバ語らしい。 何かの本で絶賛されていて購入したのだが、ソウルフルな感じを想像していたので、ポップな作風に初め戸惑った。少しレゲエっぽいところもあるとはいえ、基本ポップスなのだ。でも意外といい。ノリのいい曲からしっとりとした曲まで色々あり、どれも王道的で聴きやすい。個人的にはもうちょっとクセのある方が好きだけれど、これはこれでいい。聴き込むというよりは、かけ流している。歌い出しのギターの伴奏が印象的な8「Dreamer Girl」とか、明るい気分にさせてくれる11「Broda Olé」なんかいいですね。他にもたくさんいい曲が入ってますけど。

2012年4月4日水曜日

夕暮れのイスラム寺院(習作)

(もともとここには自分の描いた絵を載せていたんだけど、参考とした写真に似すぎていると思い、削除しました。景色ってどうしても構図が同じようになってしまうから駄目ですね。いつかスペインに行って同じ場所から写真を撮れればいいんだけど)

 スペイン語でモスクのことをメスキータという。でもメスキータというと、ふつうコルドバの聖マリア大聖堂のことを指す場合が多いらしい。

 それはそれとして。この絵は新しくパレットに加わった色を使いたくて描いたようなもの。それは、オペラとトランスルーセント・オレンジの2色。こんな発色になるんですね。きれいな色だ。 これらの色のほかに、コバルト・ブルー、コバルト・バイオレット・ライトなどを使っています。カドミウム・レッドとバーミリオンで真っ赤に染め上げたい衝動をなんとか抑えて。

2012年4月1日日曜日

『A Night at Birdland, Volume Two』Art Blakey

 1954年の録音。バードランドというジャズクラブでのライブを収めたもの。『A Night at Birdland, Volume One』私の記事)の続き。もちろん同日の録音。アート・ブレイキーはドラムス。
 Vol. 1と同じく、勢いがあっていいです。でもVol. 1の方が人気があるみたいですね。こっちの方がキャッチーな曲が少なくて地味に感じられるのかな。「Now's the Time」なんか、かなりいいと思うけど。「Wee-Dot」と「Quicksilver」の別テイクが、どっちにも入っている。ほぼルー・ドナルドソン(Lou Donaldson)のアルトサックスソロで占められている「If I Had You」もいいですね。この人のサックスの音は好きです。夕暮れのカフェが似合うバラード。
 Vol. 1でもそうだったけれど、ピー・ウィー・マーケット(Pee Wee Marquette)のナレーションは私にはちょっとうるさく感じられる。これがいいという人も多いとは思うんだけど。
 Vol. 1の記事では書かなかったけど、どちらのディスクにも、さりげなく「バードランドの子守唄」のフレーズが混ざっている。エンディングテーマなんだと、アマゾンのカスタマーレビューに書いてあった。ちょっとした遊び心ですよね。

『ロールズ』Ch. クカサス、Ph. ペティット

 勁草書房。副題「『正義論』とその批判者たち」。訳:山田八千子、嶋津格。RAWLS, A Theory of Justice and its Critics by Chandran Kukathas and Philip Pettit。
 前半はジョン・ロールズによる『正義論』の概説、後半はリバタリアニズムと共同体論(コミュニタリアニズム)からの批判とその応答、『正義論』以後のロールズの思想、といった構成を取っている。
 『正義論』は、道徳哲学あるいは政治哲学としての正義を論じたもの。もしも私たちが、自分が一体どんな国のどんな階級の人として生まれたのかもわからない「無知のヴェール」に包まれた「原初状態」にあるのだとしたら、どのような社会=政治的な制度配置を選ぶだろうか、というようなことを論じている。そしてそのように選ばれた政治配置は実行可能性が高いものだと想定されている。『正義論』のポイントは、契約論的アプローチと実行可能性の議論にあるらしい。ロールズが拠って立つとされるリベラリズムは、個人の自由と平等を守ろうとするものであり、アメリカの自由民主主義の価値観が根強い。その点で、世界中の様々な社会においても同じような議論が成り立つのかどうか疑問なところもあるが、「原初状態」から始まる理論の展開は、私にとっては魅力的に見えた。
 本書は一応入門書の位置づけではあるものの、『正義論』の概要を知らない人がいきなりこの本を理解するのは難しいと感じた。少なくとも私はあまり理解できていない。でも後半の、批判に対するやりとりはおもしろい。ロバート・ノージックによるリバタリアニズムからの批判と、マイケル・サンデルによる共同体論からの批判である。特にサンデルによる批判はうなずける部分も多く、ロールズ理論を少し共同体論側にシフトすると、おもしろい理論になるのではないか、と感じた。
 最後に、あくまで個人的な感想だが、訳はひどいと思った。直訳的で日本語としての体を成していない。日本語の文章を読んでいるのに、主語はどれで、どの言葉がどの言葉を修飾して、この部分は挿入で、とか考えながらでないと文の構造が理解できない、というのはどうなんだろう。本の内容を理解する以前に、かなりストレスだった。