2012年1月29日日曜日

『Saxophone Colossus』Sonny Rollins

 1956年の録音。『サキソフォン・コロッサス』。ソニー・ロリンズ(テナーサックス)。
 わざわざアルバムを買ってまでジャズを聴かない人でも、これに入っている「St. Thomas」と「Moritat」は聞いたことがあるんじゃないかと思う。明るくてキャッチーなメロディを奏でる、やわらかく優しいテナーサックスの音色が心地いい。落ち着いたトミー・フラナガン(Tommy Flanagan)のピアノとダグ・ワトキンス(Doug Watkins)のベースのサポートも心強い。ドラムスのマックス・ローチ(Max Roach)は時に派手ですが。
 たぶん上の2曲がこのアルバムの中心のような気がするけれど、私が好きなのは、3曲目に入っている「Strode Rode」だったりする。何となく他の曲よりもテナーサックスの音が力強い気がするのだ。この曲のベースとピアノの絡みもなかなかいい。
 全体として、派手さは少ないですね。

 余談ですが、私の買ったこのバージョンはもう売られていないかもしれない。でも大丈夫。『Saxophone Colossus』で検索すると、たくさんのバージョンが引っかかってきます。

2012年1月28日土曜日

『コーヒー「こつ」の科学』石脇 智広

 柴田書店。副題「コーヒーを正しく知るために」。
 コーヒーを上手に淹れる「こつ」が書いているわけではない。だから深煎りのマンデリンをおいしく淹れるためには、何度くらいのお湯でどれくらいの時間をかけてどうやって淹れたらいいのか、なんてことはこの本には「直接は」書いていない。ただし、どうやって考えてコーヒーを淹れれば、自分にとっておいしいコーヒーに近づけられるのか、ということはわかる。でも本当は、この本がいいたいことはそんなことではない。これは単なるハウツー本ではなくて、コーヒーに関する事柄全般をよくわかってもらうために、科学を交えて丁寧に説明している本なのだ(と思う)。
 コーヒー豆ってどうやってできるのか。その生産から流通。そして焙煎や抽出の話。コーヒーの成分の話。コーヒー豆の種類や地域による違い。その他諸々を、全部で87のQ&Aで答えてくれる。コーヒーにはいろんな迷信がつきものだけれど(例えば深煎り豆は浅煎りに比べてカフェインが少ない、だとか)、科学的にはどうなのか、筆者の考えを知ることができる。どこまでが今の科学で説明できて、どこからがわかっていないのか。その説明は謙虚ながらも説得力がある。しかもわかりやすい。
 よい本だと思う。筆者の姿勢に好感が持てる。

2012年1月25日水曜日

風邪予防にアロマを

 ティートゥリーとかユーカリが抗菌作用があって風邪予防にいいんだよ、と聞いたので、最近ユーカリをディフューザーでくゆらすことが多い。ユーカリはちょっときつい匂いがするのでこれまでは避けてたんだけど、ここにきて活躍している。幸い風邪は引いていない。タイムも抗菌作用が強いらしい。

2012年1月24日火曜日

『Moanin'』Art Blakey And The Jazz Messengers

 1958年の録音。モーニン。私にはよくわからないんだけど、もしかしたら「Moanin'」は通称で、本当のアルバムのタイトルは「Art Blakey And The Jazz Messengers」なのかもしれない。その辺のことはジャズに詳しい人にでも聞いてみてください。私はいつまで経ってもジャズ初心者です。あと、もともとのアルバムは6曲構成ですが、私が持っているのはリマスター盤で、8曲構成です(下のアマゾンへのリンクもこれです)。
 アート・ブレイキーはドラム奏者。このアルバム、すごいです。ザッツ・ジャズみたいな。私は初めて通しで聴いたはずなのに、知っている曲ばかり。単にメロディを知ってるんじゃなくて、この人たちのアレンジとして知っている。それだけ世の中でよくかかっているんだと思う。表題曲「Moanin'」は言うに及ばず、「Are You Real?」、「Along Came Betty」、「The Drum Thunder Suite」、「Blues March」、「Come Rain or Come Shine」のどれもいい。さすがに「The Drum Thunder Suite」ではアート・ブレイキーが目立っているけれど、他の曲ではトランペットのリー・モーガン(Lee Morgan)とテナーサックスのベニー・ゴルソン(Benny Golson)の掛け合いがたまらなくいい。「Are You Real?」のハモりなんかが特にいいです。

2012年1月22日日曜日

段落頭のスペース

ホームページとかブログとかのいわゆるウェブ上のコンテンツで、日本語で使うスペースを入れるのって邪道なんだろうか。
日本語の文章を書くとき、ふつうは段落の頭は空白で始める。でもウェブ上でそれをやるのって、やっかいなときがある。私のブログはbloggerというブランドのものを使っているけど、このブログを始めたときは簡単に空白を入れることができたのに、今はふつうにスペースを入れて記事を書き始めても、実際のブログのページでは空白が入らない。だから私は最初の段落を空白で始めたいとき、「 」だとか「 」、「 」とかの文字列を入力して、空白を表現していた。でも最近ではそれでも空白にならないときがある(例えばこの記事は段落の初めには空白が入っていない)。ウェブの仕様だからしょうがないのかもしれないけれど、日本語の慣習が無視されているような気がして悲しい。だからこそ「 」とかいう日本語を入力するには不自然な文字列を使ってまでもスペースを挿入してそれに抵抗してきたのだけれど、ついに私もウェブの慣習に折れるかも。だって私には無理なんだもの。
いや、それじゃいけない、と思って、この記事にはきちんと空白を入れようと試行錯誤したけれど、やっぱり無理でした。テンプレートを使っているからしょうがないのかな。

以上、愚痴でした。

『Singell FTGFOP1 2011-DJ6』LUPICIA

シンジェル。2011年の春摘み紅茶(ファーストフラッシュ)。
 シンジェルは、ダージリン地方のクルセオン・ノースにある茶園の名前。まず香りがいいです。若々しい春の匂いがする。味も、ファーストフラッシュだから当然青臭さはあるんだけど、これは清々しさすら感じさせる。何となく台湾茶のようなイメージをもあわせもった紅茶。おいしいです。お薦め。

LUPICIA

2012年1月21日土曜日

『PRELIMINARIES』Ben Powell

 2010年。ベン・パウェルのデビューアルバム。ソロギターアルバム。
 チベット仏教の若い修行僧が本格的に修行に入る前の準備期間のことを「PRELIMINARIES」というらしい。ベンは、その期間を自分のギタリストとしての準備期間にかけて、こういうタイトルにしたという。また、インドやチベットを訪れたときの経験もこのアルバムに影響を与えているようだ。それはジャケットがヒマラヤっぽい山(高原)の景色であることにも現れている。でも全体を聴いた印象では、高原のイメージというよりは、のどかな小春日和の秋の風景を思わせる、やわらかく優しいギターの音色。音楽としては昔っぽいわけでもないしタッピング系というわけでもない独自の系統。ピエール・ベンスーザン(Pierre Bensusan)にそっくりだという人もいるけれど、私はあんまりそんな印象は受けなかった。ピエールの方がクセがある。
 初め聴いたとき、メロディラインがジャストなテンポよりもほんのちょっと遅れ気味になる時があるのが気になったが、それは些末なことですね。ずっとかけ流していると、心がゆったりとしてきます。4「Farewell Ladakh」、10「Dorje's Place」なんかがいいです。全体としても悪くはない。

Shop at Pooh Cornerで見てみる

2012年1月15日日曜日

『シェーグレンと共に vol.2 患者篇』シェーグレンの会

 前田書店。『シェーグレンと共に』(amazonで見てみる
)の続篇。『シェーグレンと共に』は私がブログを立ち上げる前に読んだ本なので、私の記事はありません。病気そのものについて知りたい方は、患者篇と併せて読むことをお勧めします。
 シェーグレン症候群は国の特定疾患(難病とも)にも認定(医療費助成の対象となっているのは一部の都道県だけだけど)されている膠原病類似疾患で、一般には目と口の乾燥症状(つまり涙と唾液が出づらい)を主訴とする病気だと認識されている。しかし実際には、乾燥症状以外にも全身の至るところに不具合が出る病気で、他の膠原病(関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、強皮症等)を併発していることも多い。だから患者は、内科(膠原病内科、リウマチ内科、血液内科、一般内科等含む)だけでなく、眼科、耳鼻科、皮膚科、泌尿器科、歯科、口腔外科、心療内科(神経科、精神科等含む)など、様々な専門医を渡り歩くことにもなる。患者の症状は多様で、患者が100人いれば100とおりの症状があるともいわれる。そんなわけでシェーグレン症候群と認定されるまでに何年もいろんな病院にかけずり回り、原因不明と言われ続け、時を過ごすことになる人も少なくない。
 この本は、そんなシェーグレン症候群の患者30人(日本人25人、外国人5人)の体験談を主軸に、それに対する医療関係者の助言、薬の情報などのコラムなどを合わせてまとめたものである。患者の思いは切実である。病気の症状そのものからくる苦しみはもちろん、医者や周囲の人の病気に対する無理解からくる苦しみも無視できない。症状によっては外出もできない人もいる。また、症状の重さとは裏腹に一見元気そうに見える患者も多く、仮病扱いされたりして苦しむ人もいる。医師に、「あなたの病気は治らない。対症療法しかない」と言われ、そのショックから立ち直ることのできない人だっている。でもそういった人でも、長い時間がかかってこの病気を受け入れ、「シェーグレンと共に」生きる決心が付いてくる。険しい道だけれど、その境地に達すると少しだけ精神的に楽になる。本書は患者をそこに導く本なのかもしれない。
 この病気にかかって苦しんでいる人はぜひ読むべきだと思う。身近にシェーグレン症候群の患者がいる人にも読んでもらいたい。周囲の人が病気を理解してくれると、患者は少し生きやすくなります。患者の声だけでなく、医療関係者による助言も正しい理解の手助けになってくれます。

2012年1月14日土曜日

『In The Moonlight』Sophie Milman

 2011年。ソフィー・ミルマン。『Take Love Easy』(私の記事)に続く4作目のジャズヴォーカル作品。
 ベルベットのような重量感と艶のあるどっしりとした歌いっぷりは前作と変わるところがない。以前のようなガツンとした衝撃こそないものの、とても質の高い安定感が感じられる。少しなまめかしさが減って、聞きやすくなったせいなのかもしれない。今回初めてストリングスが加わったそうだけれど、彼女の雰囲気を壊すことなく、ほんのちょっぴりゴージャスさを醸し出している。
 いいですね。少し薄暗い間接照明だけの部屋の中で、ソファーに身をもたせかけながらグラスを傾ける。そんな状況にぴったりです。エンドレスにかけておくのがいい。

2012年1月12日木曜日

『大家(うふやー)』

 沖縄そばをはじめとする琉球料理の店。国道58号線を北上し、名護市内で県道84号線に入る。左折して美ら海水族館方面に行くのだ。すると程なく案内看板が現れるが、この初めの看板に従うとものすごく細い道を行く羽目に陥るので、ここはスルーした方がいい。そして2番目の看板を左に行けばいい。こちらの道もたいしていい道ではないけれど。
 築100年以上の古民家を改造して店舗にしている。建物がいくつかあり、全体としてとても大きい。店内では敷地内を流れる滝を眺めながら、風流な気分で食事ができる。駐車場が100台あるだけのことはある。土産物店やパイン酢の博物館が併設されているなどして、ちょっと観光地化している。
 写真は「大家そばセット」。そばには三枚肉とソーキが乗っている。それにジューシー(混ぜご飯)と小鉢が3点付いている。そばはだしがしっかりと利いていて、ふつうにおいしい。奇をてらうところがなくて、王道的な感じがする。無難ともいえるが。

大家(うふやー)』沖縄県名護市中山90(地図

2012年1月7日土曜日

『こく深ブレンド』徳光珈琲

 フレンチロースト。その名のとおり、深煎りのコクのあるブレンド。確かに苦みは強いが、その苦みは嫌みではなく、非常に透明感のある苦み。酸味はほとんどない。雑味もなく、すっきりしていて、とてもおいしい。
 淹れるときの温度を高温にしないのがコツです。自分で落とす人なら、熱湯を注いだコーヒーポットの蓋を取り、手をかざして10秒くらい経ってから熱さに耐えられなくなるくらいの温度。たぶんそれでお湯の温度は80度代まで下がってます。いちいちお湯の温度を計るのは面倒くさいので、私はそうやってお湯の温度を調整しています。

徳光珈琲
『徳光珈琲円山店』札幌市中央区大通西25丁目1-2 ハートランド円山ビル1F(地図
『徳光珈琲大通店』札幌市中央区大通西3丁目大通ビッセ2F(地図

2012年1月6日金曜日

『嘔吐』ジャン-ポール・サルトル

 人文書院。鈴木道彦 訳。原題『La nausée』、Jean-Paul Sartre。
 主人公ロカンタンによる日記という形を取っている。ロカンタンは港町ブーヴィルでロルボンという人物について調べている。その町で「独学者」と話をしたり、かつての恋人アニーとパリで再会したりといった交流はあるものの、基本的に彼は孤独な人物である。そんな生活をしているロカンタンにたびたび訪れる「吐き気」。それは何なのか。それがこの小説のテーマである。
 訳者によると、原題の『La nausée』は「嘔吐」というよりは「吐き気」、すなわちムカムカした感じに近い意味だという。ではなぜ『嘔吐』というタイトルなのか。それはあとがきに譲るが、とにかくロカンタンはこの「吐き気」に悩まされる。結局のところ、この原因は「存在」であることが、後に明らかになる(たぶんこのことをここに書いたとしても、これからこの本を読む際の妨げにはならないだろう)。
 ロカンタンの記述はいくぶん哲学めいている。さらにこの小説の大部分はどこか退廃的なイメージに覆われていて、暗い。でもその暗さは研ぎすまされて澄んでいるように感じる。その雰囲気が妙に今の私にはしっくりときて、おもしろく読ませてもらった。ロカンタンには共感できるところも多く、アニーとやりとりしているときの彼の心は、私のふだんの心の動きにそっくりだった。
 訳はとてもこなれていて、読みやすい。万人受けする本ではないと思うけれど、自己省察の好きな人だったら楽しめるような気がする。小説の終わり方が何となくプルーストの『失われた時を求めて』を思わせて、多少の影響を感じる。そういえば訳者の鈴木も『失われた時を求めて』を訳している。気になる。

2012年1月2日月曜日

年始 2012

 2012年になりました。今年もよろしくお願いします。

 元になったスケッチはこちら