2011年1月29日土曜日

『プルースト逍遥』室井 光広

 五柳叢書。五柳書院。副題「世界文学シュンポシオン」。シュンポシオンはプラトンの『饗宴』のことだから、つまるところ、プルーストの『失われた時を求めて』を題材にしていろいろと考えを巡らせて、「世界文学饗宴」を繰り広げよう、という内容の本である。
 現在日本で全訳されている『失われた時を求めて』には3種類ある。淀野隆三他訳の新潮社版、井上究一郎訳の筑摩書房版、鈴木道彦訳の集英社版(ちなみに私は筑摩書房版を2度読んだ)。本書はこれら3種の訳本を行きつ戻りつしつつ、ギリシャ神話、アリストテレス、プラトン、ラブレー、ベンヤミン、セルバンテス、キルケゴール、カフカなど、蒼々たるメンバーを引き合いに出しながら、気ままにプルーストの世界を逍遥(ぶらぶら歩きってとこですね)している。中でも著者の大のお気に入りは、プルースト、カフカ、セルバンテス、キルケゴール、ドストエフスキーの5人である(と私は受け取った)。
 この本は難しい。なのに下らないので、真剣に読む気が失せる。でも真剣に読まないと何が書いているかわからない、という、厄介な書物である。正直なところ、私はいらいらさせられ続けだったのだが、その理由はいくつもある。ただしここでその文句を蕩々と述べたからと言っておもしろくも何ともないので、ひとつだけ挙げるにとどめる。それはダジャレである(これを掛詞、地口、同音異義語、言葉遊びと取る向きもあるかもしれないが、私にはダジャレとしか思えない)。この書物で張り巡らされている思考の渦は、基本的にダジャレでつながっているのである。例えば、ユダヤ人を表すJewは「重」という漢語あるいは中国語の「チョン」につながっており、それはコリア語の「チャル」につながり、さらにそれは日本語の「チャラにする」と融合している、などとのたまい、それらすべてが『失われた時を求めて』とこれこれこういう具合に関わっているんだよ、と論を進める。もちろんこれらは語源的に何の関係もない。音が似ているからってそれはないだろう、と私は思うのだ。確かにプルーストはこの手の言葉遊び的なことを小説の中で繰り広げたりしているのだが、その小説を論ずるのに日本語のダジャレで応じる必要もないだろう、と私は思う。これが、私がこの本が下らないと思う第一の理由である。他にも多々いらいらさせられる理由はあるが、もういいだろう。
 実は著者はこれらのことをわかってやっている(そこがまた腹立たしいのだが)。本書は、著者の思考に忠実である。ただ、それをそのまま出版してしまう著者の神経がよくわからない。否、その神経はよくわかるのだが、それをやっちゃ駄目だろう、というのが私の個人的な意見。
 著者の思考に振り回されたい人は、是非手に取ってみてください。

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2011年1月27日木曜日

「タイプディレクターの眼」

 デザインの現場オフィシャルブログ「タイプディレクターの眼」の紹介。ライノタイプ社のタイプディレクターをしている小林章さんのブログ。

 街中のさりげない看板、空港のサイン、チラシ、雑誌・・・。実にたくさんの写真が掲載されている。それらの写真の主役は「文字」。ふだんあまり気にしていない、文字あるいは書体に自然と興味を沸かせてくれる、素敵なブログ。
 この字はFrutiger(フルティガー)、これはCaslon(キャスロン)、これはGaramond(ギャラモン)、これはUnivers(ユニヴァース)・・・と、ひとつひとつ教えてくれるのを見て、プロってすごいな、と感嘆の声しきり。Futura(フツラ)はナチスを連想させるから使っちゃいけない、という間違った都市伝説(そんな都市伝説があったなんて、最近まで知らなかったけど。ついでに言えば、私はこの字、好きです)を、実例を交えて論駁してくれたりして、ためになる。ショックなこともあった。某OSに搭載されている、Arial(アリアル)、Book Antiqua(ブックアンティーカ)が、それぞれHelvetica(ヘルベチカ)、Palatino(パラティノ)の悪質なコピーだったなんて。Book AntiquaをExcelのデフォルトフォントにしていた私は複雑な気分。
 それはさておき、そんな欧文書体にまつわるいろいろな話がいっぱい載っていて、すごく楽しい。小林さんの飾らない人柄もいいんですね、きっと。

デザインの現場オフィシャルブログ「タイプディレクターの眼」

2011年1月25日火曜日

『文字は語る』DTPWORLD ARCHIVES

 DTPWORLD編集部。副題「デザインの前に耳を傾けるべきこと」。以前コメントした「『文字は語る』モリサワ」とは違う本。本書は、月刊DTPWORLDに2006年から2008年に掲載された、文字に関する記事を再編集したものである。当然のごとく、「文字は語る」という連載記事が中心になっている。グラフィックデザイナーやアートディレクターといった「使い手」の立場からと、フォントデザイナーやフォント制作会社などの「作り手」の立場からの記事が、ひとり(あるいはひとつの会社)につき4ページを割り当てて、紹介されている。そしてその他に、独立したコラムとしていくつか掲載されている。
 プロのデザイナーらが、文字やタイポグラフィについてどのように考えているのかが伺えておもしろい。私のような素人からは考えられないような繊細で緻密な感覚をもって、文字に対峙しているのがわかり、私にもその真剣さが伝わってきた。以下に、興味深かった記事を羅列してみる。
・小宮山博史「書体の選択に必要なこと」
・水野昭「イワタUDフォントの挑戦」
・高岡昌生「活版の職人」
・鳥海修「“普通の書体”游ゴシック」
・河野英一、鈴木竹治「ディスプレイでこそ美しく」
・小宮山博史「レタリングから生まれるもの」
・小林章「欧文書体を使いこなす秘訣」
・小宮山博史「日本の活字書体はどのように作られてきたか」
・太田幸夫「ピクトグラムの歴史と意義」

 本題とはあまり関係ないことだが、「special issue」という章の、最初の「s」と「p」の文字が合字(リガチャ)になっていて、洒落ているな、と思った。

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2011年1月23日日曜日

『Ume Vert』LUPICIA

 ウメ・ヴェール。「甘酸っぱい梅で日本緑茶を香り付けしました。銀色に輝く白茶と梅の果肉もブレンド。うららかな日よりのような、ふんわりと柔らかい風味です。」

 梅緑茶。
 お茶を飲むために顔をカップに近づけると、かすかに梅の香りが漂ってくる。味もそれほど梅を主張していない。あくまで控えめに感じさせる程度。それだけに緑茶本来の味が重要になってくるのだが、このお茶には、ルピシアの他のフレーバードティーよりもちょっとだけ良い緑茶を使っているような気がする。白茶がブレンドされているせいなのかもしれないし、本当にただの気のせいなのかもしれないのだけれど。
 このお茶の控えめな梅の香りは、上品で良いです。

LUPICIA

『Acoustic Guitar Jazz』中村 たかし

 2010年。中村たかしは、「北野タダオとアロージャズオーケストラ」のギタリスト。ウクレレデュオ「T.T.Cafe」のメンバーでもあって、5「In My Life」では、きれいなウクレレサウンドも聴かせてくれる。アルバム名のとおり、アコースティックギターを中心にしている。ソロギタースタイルあり、バンドスタイルあり。
 3「Princesa」、7「Awaji Saudade」、11「Waikiki Sunrise」の3曲は中村の作曲だが、それ以外の9曲はすべてカヴァー曲である。スティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)の1「Isn't She Lovely」、ビートルズ(The Beatles)の5「In My Life」、6「Can't Buy Me Love」、10「Come Together」など。ウエス・モンゴメリー(Wes Montgomery)の9「The Thumb ~Blues for Wes」なんかもいい。押尾コータローの12「Earth Angel」まである。2「Sesame Street Theme」の洗練されたアレンジも好きだ。
 中村の曲もカヴァーもすべてひっくるめて、まるでひとつの作品のようにまとまっている。アルバム全体のバランスがよく、アレンジも落ち着いて安定しているので、聴いていて心地がよい。メロディが立っているので、すんなり耳に入ってくる。ジャズではあるが、イージーリスニング系といっていいかもしれない。逆にまとまりすぎていておもしろくない、という人もいようが、私はこの安心して聴ける、という点がものすごく気に入っている。私の中のお気に入りデータベースに入れてしまおう。

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2011年1月21日金曜日

『丸隆そば』

 沖縄そばの店。国道58号線を北上すると、名護市に入ったところにある世冨慶(よふけ)の交差点の角にローソンがあるのだが、そのすぐ左隣にこの店がある。建物に大きく店名が書かれているので、すぐ見つかることと思う。ちなみにこの交差点を右に行くと、辺野古(へのこ)である。
 店内はものすごく広くて、200程の席がある。こんなに広いそば屋さんには初めて来た。ふつうの名前のそばもあるのだが、「丸隆そば」という名前のそばを頼むと、三枚肉とソーキの両方の味を楽しめる。麺は平麺で、汁の味もごくオーソドックスに感じた。私が家で沖縄そばを作ると、こんな感じになる。もちろんこれほど美味しくはならないけれど。

『丸隆そば』沖縄県名護市東江5-22-20(地図

2011年1月20日木曜日

第33回本部八重岳桜まつり

 もとぶやえだけさくらまつり。2011年1月15日~2月6日。会場は、八重岳桜の森公園。国道58号線を北上して、名護市内で左折して県道84号線に入り、美ら海水族館方面に向かう。1回目に出てくる八重岳方面案内の青看板は無視して、しばらく行くと、八重岳桜の森公園の案内の看板が出てくるので、そこを左に登っていく。すると、そのうち公園に出る。くれぐれも1回目の看板にだまされないように(タンカンのみかん狩りをしたい人はだまされてもいいかもしれない)。
 日本一早い桜祭り。初日にお邪魔してみた。雨の中、風の中。濃い紅紫色の寒緋桜(カンヒザクラ)の並木が続く風景を期待していたのだが、まだ一分咲きか二分咲き程度。ちょっと寂しい。まだ1月中旬ですものね。

『八重岳桜の森公園』沖縄県国頭郡本部町字並里921番地(地図

2011年1月19日水曜日

『山原そば』

 やんばるそば。沖縄そばの店。
 国道58号線をずっと北上し、名護市内で県道84号線にぶつかったところを左折して、美ら海水族館方面に車を進めると、左手に突然その店が姿を現す。申し訳ないけれど、掘っ建て小屋みたいで、危なく見落とすところだった。店内は結構広かったのだが、昼前にも関わらず、ものすごく混んでいた。止めてある車はほとんどがレンタカー以外だったので、地元の人に人気があるようだ。注文したソーキそばには、盛り上がるほどの麺が入っており、さらにその上には5個もソーキが乗っかっていた。ボリュームたっぷりでそれだけでお腹いっぱいになるのに、周りのテーブルではそれにライスもつけるし、汁も全部飲んでしまうで、それにも圧倒された。
 豚骨とカツオベースの汁は、やや細めの麺としっかりと絡み合い、よい味を出していた。表面が甘い醤油味のソーキは、あまり煮込んではいないらしく、ちょっとかためで歯応えがあった。それにしても量が多い。十分満足。

『山原そば』沖縄県本部町伊豆味70-1(地図

2011年1月14日金曜日

『うちなー茶屋 ぶくぶく』

 那覇市にある壺屋やちむん通りをずっと下っていって、その通りも外れに近いところの左手に、「新垣陶苑」という店と、「清正陶器工場」という店が、道を挟んで建っている。その間の道は、結構な登り坂になっているのだが、そこを頑張って歩いていくと、右手にこのお屋敷の門がある。貼り紙によると、10歳以下はお断りらしい。でも私はそんなに若くないから大丈夫。この店は、店名からもわかる通り、ぶくぶく茶という、昔琉球の宮廷などで飲まれていたお茶を供することで有名である。ぶくぶく茶は、さんぴん茶(沖縄でよく見るジャスミンティー)の上に、こんもりと泡が盛ってあるお茶である。店のホームページを見ていただけると、その雰囲気がわかる(店内は撮影禁止だったので、写真を掲載できませんでした)。点てられたお茶は、結構壮観な眺めだ。その泡は、炒った米を煮出してできたお湯とお茶を混ぜたものを、大きな茶筅で思いっきり泡立てて作ったものだ。ちょっと苦めのさんぴん茶と、この泡の組み合わせはなかなか楽しい。一緒にトッピングされている、細かく砕いたピーナッツの香りも、また良い。沖縄に来たら、是非一度試してみてはいかがだろうか。
 今日は麦と小豆を使った黒蜜のぜんざいもいただいたが、控え目で自然な甘みがとても良かった。

 ちょっと補足。ぶくぶく茶はさんぴん茶で作る、と上では書いたが、さんぴん茶でなくて、山原(やんばる)茶や、グアバ茶、柿の葉茶などを使ったぶくぶく茶もある。実際、前回私がこの店に来たときは、クミスクチン茶のぶくぶく茶をいただいた。ただ、今この店で出しているぶくぶく茶は、さんぴん茶をベースにしたものしか置いていない。

うちなー茶屋 ぶくぶく』那覇市壺屋1-28-3(地図

2011年1月12日水曜日

『Jardin Sauvage』LUPICIA

 ジャルダン・ソバージュ。「無発酵のルイボスティー、グリーンルイボスに甘く熟れたマンゴーとシトラスで香りづけ。」

 荒れた庭、だなんてネーミングとは裏腹に(野趣に富んだ庭というニュアンスなのかもしれない)、粗野な感じはまったくしない。クセのないグリーンルイボスにシトラスのすっきりとした香りと味、それにマンゴーの甘みをわずかに感じさせて、実においしい。ルイボスも無発酵だとあまり枯れ草っぽい感じがしないみたい。見た目は白っぽいけれど、お湯を入れて蒸らすと、ちゃんと茶色になる。そういえば、以前飲んだ『Organic Rooibos Green』(記事)もおいしかったから、私はきっとこの手のルイボスが好きなんですね。あいかわらず口は渇くけど。

LUPICIA

2011年1月10日月曜日

『ピエダングロワ』

 Le Pié d'Angloys。拙訳だと「イギリスのパイ」だと思うんだけど、これらの単語は私の持っている辞書には載っていなかったので、間違っているかもしれない。
 さて、これはフランス、ブルゴーニュ産のウォッシュタイプのチーズである。見た目は白カビタイプかと思うほど白いけれど、やはり匂いはちょっとクセがあるので、ウォッシュだとわかる。口当たりはとても滑らかでクリーミー。このキメの細かい舌触りはなかなか良いです。味も、少し利いた塩味がちょうどよく、おいしい。息を止めて食べれば、ウォッシュ嫌いの人でも大丈夫かも。

2011年1月9日日曜日

『Good Wood』Stephen Bennett

 2009年。スティーヴン・ベネット。
 全曲で、曾祖父から譲り受けたという1909年製のハープギターを使って演奏している。後半の一部では彼の歌声が聴けるが、ほとんどがギター1本で演奏したソロギター中心のアルバムである。アルバム名の『Good Wood』とは、もちろんこの年季の入った100年生き続けているハープギターのことを指している。これがまた良い音を出していて、選曲のせいもあり、軽いノスタルジーを感じながら、旧き良きアメリカに思いを馳せることができる(私の場合、若きブラッド・ピットの出ていた1992年作の映画『リバー・ランズ・スルー・イット』(A River Runs Through It)の映像が思い浮かびます)。スティーヴンの作曲による11「Aunt Lu's Waltz」を除いては、1800年代中期から1900年代初期の古いアメリカ民謡ばかり。7「Londonderry Aire」(ロンドンデリーエアー)、8「Home On the Range」(峠の我が家)、15「Star Spangled Banner」(星条旗よ永遠なれ)などの例を挙げれば、その雰囲気が伝わることと思う。
 個人的に好きな曲(アレンジ)は、前出の「Aunt Lu's Waltz」の他、軽快なメロディが印象的な4「Nobody Knows the Trouble I've Seen」や、すっきりとしていながら暖かみのある10「Gentle Annie」です。
 100歳のハープギターの生音がたまらなく良く、この音を聴かせたいがために作ったアルバムという感じがします。

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2011年1月8日土曜日

『丹頂の昔』一保堂茶舗

 「而妙斎宗匠御好」とある。而妙斎(じみょうさい)は今の表千家の家元、千宗左(せんそうさ)のことであり、千利休から数えて14代目にあたる。別に、お茶を飲む立場からすると、表千家好みのお茶であろうと裏千家好みのお茶であろうと構わないのであろうが、私はつい表千家好みのものを手にしてしまう。私の点てるお茶は、裏千家のようには泡立てない表千家のものであるから、お茶もそれに合わせて表千家好みなのだ、というのは、ただの言い訳である。
 抹茶を家で点てるのは随分と久しぶりのことであるが、このお茶はおいしいと思う。十分な甘みがあり、微かに感じる苦味もまた良い。そう、抹茶って実は甘いんです。抹茶は苦くて・・・、という人は、一度ちょっと値の張るお茶を飲んでみるとよいと思います。この『丹頂の昔』はそれほど高級なお茶ではありませんが、私としては満足できるお茶です。
 つきあわせのお菓子は、金沢は『森八』の上生菓子「ねじ梅」。抹茶と生菓子の組み合わせは、最高ですね。

『森八』HP
『一保堂茶舗』HP

2011年1月6日木曜日

はちみつレモンジンジャー

 1瓶に対して、
1.シナモンスティック半分
2.クローブ1個
3.皮付き生姜のスライスを瓶の3分の1から半分くらい
4.レモンの皮を薄く除いて半月に切ったものを、入れられるだけ
5.1~4の入った瓶に、蜂蜜を上まで注ぐ
6.3日から1週間冷蔵保存
7.大さじ2、3杯をカップに取り、お湯で薄めていただく。そのとき、レモンの切れ端もカップに入れると、お洒落

 身体が温まる。でも生姜の味があまりしないのが不満。結構入れたつもりだったんだけど。まだまだ改善の余地あり。

2011年1月3日月曜日

『VIVIDLY』Pierre Bensusan

 2010年。ピエール・ベンスーザン。フランスのギタリストで、いわゆるDADGADチューニング(6弦から1弦に向かって、DADGADの順番に音が並んでいる)を多用することでも有名。5年ぶりのアルバム。私はこの人のギターが好きなのだが、どうりで、今まで私のブログで取り上げたことがないわけだ。
 彼は節(というか拍)の取り方が一種独特で、ちょっと変わった世界に入った感じになる。このアルバムは今までになく歌ものが多く、全14曲のうち実に半分が歌である。それも謀ったように偶数番号が歌、奇数番号がギターソロとなっている。歌ものは、ラテンのイメージのあるバラードが主である。テテ(Tété)っぽい6「La Java du Concessionnaire」や、スペイン風の14「Les Places de Liberté」まで。
 インストルメンタル(ギターソロ)では、穏やかな午後の日溜まりを感じさせる1「Veilleuse」、気ままに漂う雲のように心の洗われる5「DADGAD Café」、きれいな音の並ぶ7「Astres & Gnomes」あたりが、私の好きな曲。
 正直なところ、私は歌よりもギターだけの方が好きです。きれいな声だとは思いますが。

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2011年1月2日日曜日

『欧文書体』小林 章

 美術出版社。副題「その背景と使い方」。
 著者は、ヘルマン・ツァップやアドリアン・フルティガーとも仕事をしている、ライノタイプ社のタイプディレクター(フォントに興味のある人なら、彼らの名前は聞いたことがあると思う)。
 著者によると、日本で見る欧文組版には素人臭さの残っているものがたくさんあって、外国の人から見ると変なものが多いらしい。例えば日本語で言えば、「ぱ」を「ば」と書いてあったり、行の一番はじめに「、」とか「・」が書いてあったり、というような感じの。せっかくのデザイン大国の日本で、それはもったいないんじゃないの。基本的なところは押さえておこうよ、というのが、この本の趣旨のひとつである。
 この本で書いてある説明は易しい。でも内容はしっかりしている。理路整然としていて、迷いがない。欧文書体の成り立ちや構造、定番書体の特徴と使い方、書体を作る話など、欧文を組む上での基本や四方山話などが丁寧に書かれている。そのため、素人である私にもわかりやすい。良書だと思う。
 ただ残念なことに、私のパソコンにはこの本で紹介されている定番書体がほとんど入っていない。また、特殊文字の入力方法が、マックのUSキーボードでの例しか載っていないのが、惜しい。

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2011年1月1日土曜日

賀春 2011

 2011年になりました。今年もよろしくお願いします。

 木版3色刷です。やさしくてあたたかい雰囲気を目指して、なるべくシンプルにデザインしました。版画で一番難しいのは刷りの工程だな、と改めて感じました。