2010年9月29日水曜日

『簿記の考え方・学び方』中村 忠

 税務経理協会。
 まえがきには、この本が初心者向けであることが書いてはある。しかしながらこの本は、今まで全く簿記の勉強をしたことがなく、これから簿記を学ぼうとしている人に向けた本でもない。そういった人には本書の内容は理解できないように思う(頭の良い人は違うのかもしれないが)。少なくとも私は数ページ読んでさっぱり訳がわからなかったので、『超スピード合格!日商簿記テキスト&問題集3級』(成美堂出版)を一通り勉強してから読み始めた。そこまでしてこの本を読む意義があるのがどうかと言えば、「ない」と私は思う。なのにそれをしてしまった私が自分でもよくわからない。単なるバカなのかもしれない。
 閑話休題。本書を読んでおもしろいと感じる人は、日商簿記3級に受かるか受からないかの瀬戸際にいる人以上であって、2級に受かったばかりの人以下なんだと思う。仕訳、借方、貸方、総勘定元帳の読み方すらわからない人は手にとってはいけない。
 本書は、基本的には簿記学習にまつわるエッセイ集である。現代簿記の問題点であったり、海外の簿記教育との比較であったり、簿記の歴史など、様々な話題についての著者の考え方などが述べられている。ざっくばらんに、しかし緻密に。著者の簿記に対する立ち位置は非常にはっきりしているので、読んでいて小気味好い。内容も興味深いものが取り上げられており、文章も論理的ですっきりしている。
 簿記を勉強している途中で、気晴らしに読むような本である。学習者であればおもしろいであろう。

amazonで見てみる

2010年9月26日日曜日

『ライチ烏龍』LUPICIA

 「中国福建省の烏龍茶を、楊貴妃が愛したという南方の果物、ライチで香りづけしました。独特の甘い香りが、茶葉の甘みを引き立てます。」

 ルピシアで作っているお茶で、ライチを使った烏龍茶としては、『Exotic Orchard』(記事)がある。そっちにはプーアールがブレンドしてあるが、この『ライチ烏龍』は烏龍茶だけのフレイバードティーだ。そのせいか、『Exotic Orchard』よりもあっさりとしていて、すっきりした味になっている。説明書きにあるとおりのちょうどいい感じの甘みが特徴的で、飲みやすくて結構おいしい。私は好きである。『Exotic Orchard』には敵わないが。

LUPICIA

2010年9月25日土曜日

『Santa Barbara』丸美珈琲店

 サンタ・バーバラ。豆は小さくて、中深煎りくらいで焙煎してある。産地はブラジルのコーヒー農園である。なのにこの豆の特徴は深みのある酸味なのだ。苦味のないグァテマラといった感じ。中煎り以上で焙煎してあるブラジルで、こんなに酸っぱいコーヒーは記憶がない。私の最近の嗜好は苦味系なので、ちょっと残念ではあるが、おいしいコーヒーだとは思う。
 私はまだ数回しかこの店を利用していないが、ここで買う豆は、想像と違う味であることが多いような気がする。たまたまなのか、それとも焙煎主がわざと意外な味作りをしているのかはわからない。おいしければそれはそれでいいし、新たな出会いにもつながるから別にいいのではあるが、こういう味のコーヒーが飲みたいという希望があるときには、素直に店員に相談するのがいいのかもしれない。

丸美珈琲店』札幌市中央区南1条西1丁目2番地松崎ビル1F(地図

2010年9月23日木曜日

『いちごバニラ』LUPICIA

 Strawberry & Vanilla「いちごとバニラの香りの、ミルクによく合う抹茶入りの緑茶。」

 そのままだと、いちごの香りが強く出ていて、ちょっとだけバニラっぽい雰囲気もある。味は安っぽい抹茶である。「ミルクによく合う」というので、ミルクを入れて飲んでもみたが、水で薄めた抹茶ミルクという感じで、あまりおいしくはない。基本が緑茶で、抹茶は少ししか入っていないので薄く感じるのは当たり前なのかもしれない。いずれにせよ、ちょっと残念なお茶。

LUPICIA

2010年9月20日月曜日

『マックスウェルの悪魔』都筑卓司

 講談社ブルーバックス。副題「確率から物理学へ」。
 空気には色んな気体分子が混ざっているし、同じ温度の空気を考えたときでもそれらの分子の速度は速いのも遅いのも色々とある。平均的に速い分子の多い空気は高温になるし、遅い分子の多い空気は温度が低くなる。
 今、ある温度の空気をひとつの容器に入れて、真ん中を仕切りで区切ることにする。その仕切りには分子1個だけを通す穴が空いており、その穴ひとつひとつに悪魔が憑いている。右から速い分子が来たら穴を開けたままにしておき左に通し、遅い分子が来たら穴を塞ぐ。逆に左から速い分子が来たら穴を塞ぎ、遅い分子が来たら穴を通す。そのまま時間が経つと、左の区画には、右よりも相対的に速い分子が多くなり、左の区画の温度が右よりも高くなる。系全体としてエントロピーを下げてしまった!そんないたずらをする悪魔のことを「マックスウェルの悪魔」と呼ぶ。(ふつう、エントロピーは放っておけば上昇する一方なのだ)
 このマックスウェルの悪魔がいれば、新たにエネルギーをつぎ込まなくても仕事をしてくれるので、永久機関ができてしまう。そのマックスウェルの悪魔をめぐる様々な物語あるいは話題を提供してくれるのが、本書である。
 今は懐かしい平和鳥が、なぜいつまでも水を飲んでは休み、水を飲んでは休み、ということを繰り返し続けるのか。お茶はなぜ冷めるのか。超低温はどうやって作るのか。空気はなぜ積もらないか。そんな興味深い話を、エントロピー、自由エネルギーといった熱力学や統計力学の話と絡めて、わかりやすく説明してくれる。
 エントロピーを熱力学の視点からの定義だけでなく、情報科学の視点から定義しているのは目から鱗だった。また、学生時代あれほど理解に苦しんだ自由エネルギーというものを、エネルギーとエントロピーの兼ね合いから説明している件は、本当にわかりやすい。私は昔から熱力学という分野が大の苦手であったが、そんな私にも理解できるように丁寧に書いてある(明日になったら忘れてしまいそうで不安なのであるが、少なくとも読んでいる最中はわかった気になれる)。ひとつだけわがままなお願いをすれば、もう少し数式やグラフなども取り混ぜて説明してくれた方が、私としては嬉しかった。逆に言えば、これだけ数式等を使わずにエントロピーの概念をわかりやすく説明している本は、稀と言ってもいいのかもしれない。
 この本の最終章、話はとても怖ろしい方向に進んでいく。エントロピーの観点からすると、人類の終末はすぐそこかもしれない、というのだ。これは筆者だけの考えではない。「統計力学を専攻する人たちの多くは、そう考えている」と本書にはっきりと書いてある。その主張の論拠は本文に譲るが、他人事で済ませられない論点である。

amazonで見てみる

2010年9月19日日曜日

『宮越屋珈琲 西野店』

 札幌中心部から北1条宮の沢通りを小樽方面に向かってずっと進むと、琴似発寒川を横切る。その川沿いに建つ大野病院が目印にでもなろうか。そこを過ぎて少し行った右手側に、『宮越屋珈琲 西野店』の黒い建物が佇んでいる。店は2階建てだが、この絵は1階入り口近くの席からカウンターを見た光景(いい写真が撮れなかったので、私の絵で我慢してください)。そんなに広い造りではない。1階の席の多くは窓に面していて、明るい印象がある。ちょっと気分転換に近所の人がくつろぎに来ているような、そんな雰囲気が漂っていた。
 そうそう、コーヒーの話。宮越屋系列のコーヒーについてはこのブログでも何度か取り上げているので、今更、という気がしないでもないが。先日行った『ザ・カフェ』(記事)のマイルドが何となく酸っぱく感じたので、今日はフレンチブレンド。良い時間を過ごせました。

宮越屋珈琲 西野店』札幌市西区西野3条2丁目4-21(地図

2010年9月18日土曜日

シェーグレンの会会報 第19号

 2010年4月3日に行われた平成22年度シェーグレンの会総会の内容と、2009年秋にフランスのブレストで行われた第10回国際シェーグレン症候群シンポジウムの報告が掲載されている。会報そのものは、シェーグレンの会HPにもアップされているので、興味のある方はそちらもご覧いただきたい。
 今年からシェーグレンの会の事務局が金沢医科大学から日本大学板橋病院血液膠原病内科に移った。それに伴って、総会の実施場所が例年の金沢から東京に移った。私もこの総会には出席する予定だったのだが、突然の体調不良によりキャンセルせざるを得なかった。そういうわけでこの会報が出るのを心待ちにしていたところだった。以下、簡単に感想を述べたい。
 なお、このシェーグレンの会は今後NPO法人化する方向で話が進んでいる。

■ミニ講演1「シェーグレンと漢方薬」日本大学血液膠原病内科 野崎高正先生
 ここでは西洋医学と漢方医学の考え方の違いが重要になってくる。シェーグレン症候群というものは、人間の体は全員同じと考えて細胞レベルまで体を分解して考えられた病気であって、これは西洋医学の考え方によるものである。それに対して漢方医学では、体全体をひとつのまとまりとして考え、人間の体は全員違うものとして個別的に病気を捉える。したがって西洋医学の観点から定められたシェーグレン症候群という病気自体には漢方薬は効かない。しかしながらシェーグレンから来る色々な症状に漢方薬は効かないというわけではない。患者の体型や症状別にきちんと漢方薬を使い分ければ、症状の改善につながる。まったくもって当たり前の話だが、この二つの医学の違いを理解していない人は多いのだろうとも思う。

■ミニ講演2「シェーグレンと共に」久藤総合病院 菅井進先生
 菅井先生はいつもシェーグレン症候群を俯瞰した全体的な話題を提供してくれる。今回もその流れは変わらない。私にとって新しい知見は、シェーグレン症候群を「全身性IgG4関連疾患」として捉える新しい疾患概念の提示である。シェーグレン症候群は涙腺と唾液腺だけの疾患ではなく、自己免疫性膵炎や間質性肺炎など全身の様々な臓器に障害を起こすこと、IgG4という免疫蛋白が高値を示すこと、ステロイド治療が非常に良く効くことなどからこの疾患を捉え、日本を中心にして研究が進められているという。

■「だるさとシェーグレン症候群」日本大学血液膠原病内科 北村登先生
 だるさを医学的に表現すると全身倦怠感となる。だるさと疲労の関係、疲労の分類・メカニズム・回復法、シェーグレンとだるさの関連などについて講演したようである。でもこの会報を見る限り、シェーグレンでだるさを感じるのは他の病気(身体疾患および精神疾患)を抱えているからだ、という結論になってしまっているように感じる。実際の講演でどういう風に話が進められたのかは明らかではないが、何か腑に落ちない。私のこのだるさ、疲労は、直接にはシェーグレンのせいではないの?

シェーグレンの会HP

2010年9月16日木曜日

『Big Road Blues』Tommy Johnson

 1928~1929年。トミー・ジョンスン。
 ジャクスン・ブルースを確立した人と言われている。ジャクスンはミシシッピ州の州都である。30歳頃から晩年までここに住んでいた。このアルバムには彼の録音したすべての曲が入っている。
 これらの曲を聴くと心が落ち着く。たぶん彼の奏でるブルースのテンポが私にとってちょうど良いのだと思う。ゆったりとしていて余裕がある。野太い声ながら、時にファルセットも混じっての歌声がまたいい。古き良きアメリカ、という表現は言い古されている言葉だけれど、まさにそんな感じ(1929年は大恐慌の都市なんだから良くないぞ、とは突っ込まないで)。
 お薦めです。

amazonで見てみる

2010年9月12日日曜日

『文字の組み方』大熊 肇

 誠文堂新光社。副題「組版/見てわかる新常識」。
 「組版(くみはん)とは、印刷の一工程で、文字や図版などの要素を配置し、紙面を構成すること」(Wikipedia, 20100912)である。本書は、その組版についての解説書である。「タイトルや見出しについて」、「和文本文組み」、「欧文本文組み」、「和文に欧文が混ざった場合」、「その他の資料」に章分けされており、すっきりしている。1ページ見開きで、良い例、悪い例が並んで表示してあり、非常にわかりやすい。
 それにしても、著者の組版や文字に対するこだわりは並々ならぬものがあり、圧倒される。プロとはこういうものなんだ、という意気込みに、こちらはたじたじである。それは私が実際に組版をする立場にあるわけではなく、ただ組版に興味のある一個人であるからなんだと思う。もしも私がその立場にあるのだとすれば、本書に書かれているトホホな組み方はしたくないし、してはならないのだと思う。とはいえ、世の中にはこのようなトホホな組版があふれているらしく、本書はその啓発書にもなっている。ものすごく説得力のある本である。
 思うに、良い組み方をされた本なり雑誌なりを読むとストレスが少ない。そしてそのようなストレスにならない文字組みの裏にはこんなにすごいこだわりが含まれていたんだ、ということを目の当たりにして、頭がくらくらしてしまった。普段こんなことを意識しないで本を読んでいるから余計に。まあ、意識してしまうような本の組版は、失敗か、もしくはすごく意図的な組み方をしているかのどっちかなんだろうけど。

amazonで見てみる

2010年9月11日土曜日

『ケニア』Starbucks Coffee

 今日のアイスコーヒーはケニアだった。ケニアは酸っぱいイメージがあるので、あまり飲まない。過去に1、2度購入したことがあるくらいだ。特にアイスコーヒーとなると、家では苦味系しか飲まない。ここ数年、アイスコーヒーは『豆源』の『湘南ブレンド』と相場が決まっている。
 そんなケニアのアイスコーヒーを飲んでみた。思ったよりも酸味が嫌味でなく、そこそこおいしかった。驚いたのはその味の質である。ものすごく柑橘系をイメージさせる味だった。こんなにさわやかな味なんだ。悪い意味ではなく、コーヒーっぽくない。ケニアが好きな知人がこの豆を好きな理由のひとつがわかった気がした。

Starbucks Coffee

2010年9月9日木曜日

物思い

 いつも何か考えている。今聴いている音楽のこと、さっきまで読んでいた本のこと、昨日観た映画のこと、いつか見た空のこと、あの日の遠い想い出、1年後の自分のこと、地球の裏側で起こっていること、生きることと死ぬこと・・・。
 ぼーっとしている時間はもちろんある。でもそのときも何かしら考えている。当たり前のことだ。ただ他の人と違うことがあるとすれば、そんなぼーっとした時間を過ごしていることについて、意識的なところかもしれない。「考えている」という事実に対して意識的なところ。「考えている」自分を外から見ている自分がいる。自分を極力客観視しようとしているが、しかし主観的な観点から抜けることのできない自分がいること。そんな抜け出せない輪の中にいることに自覚的な私。ああ、また堂々巡りだ。いつもその繰り返し。

 でも、たぶんここにいる私はそんなに大したことは考えていない。せいぜい考えていることといえば、明日の晩ごはんのこと。

(絵について)
 初めてカドミウムレッドを背景に使ってみたけれど、結構使えるな、という印象。あと、昔書いていたサインに戻しました。S-aki(というサイン)はちょっと気恥ずかしい。

 私はこんな人になりたかった。今からでも遅くないかな。

2010年9月8日水曜日

『祁門紅茶 特級』LUPICIA

 チーモンホンチャ。「中国が世界に誇る祁門紅茶。ほのかに香る「火香」をお楽しみください。」

 日本では普通、キーマンとか、キームン、キーモンと呼ばれている。すごく手の込んだ製法で作られており、工夫(コンフー)紅茶の代表的なお茶である。時にスモーキーフレーバーと言われたりもするが、それは粗悪品のせいで名付けられた形容だという。今回楽しんでいるこのお茶は、蘭の香りを思わせるような優しく甘い香りが特徴的で、決してスモーキーではない。深みのある甘い味が舌を包む。実に良いお茶だ。
 お茶を淹れるときは、普通の紅茶を淹れるときよりも心持ち少ない茶葉で淹れた方がよいと思う。濃いと、くどくなる。
 リスンのお香を焚いて、ジャー・パンファンの二胡の響きに身を委ねながら祁門を味わうこの時間は、格別である。

今日の一枚『二胡 erhu』
LUPICIA

2010年9月7日火曜日

『コロンビア・ラス・デリーシャス』横井珈琲

 ちょっと酸味が強いので、苦手。香りまで酸味を感じる。よく缶コーヒーに使われているコロンビアってこの手のもののような気がする。もちろん缶コーヒーとは比べものにならないくらいおいしいわけだけど。前回横井珈琲から購入した『コロンビア・サン・イシードロ』(記事)の方がずっと好きだ。ちなみにイシードロの方は今でも売っている。

工房 横井珈琲』札幌市西区発寒9条11丁目2-11(地図

2010年9月5日日曜日

『宮越屋珈琲 THE CAFE'』

 藻岩山ロープウェイの電停からロープウェイに向かうと、大きく右に曲がる坂になっている。ちょうどその部分を斜め左に上がる道があり、そこを上っていくとロープウェイの入り口なのだが、その少し手前、坂になるちょっと前にこれまた左に向かう道があり、そこを入るとすぐのところにこのカフェがある。大きく右に曲がる坂は藻岩山麓通りのことだ。
 カフェのすぐ裏手は切り立った崖になっており、そこは深い緑に覆われている。店内は崖側に窓が広がっているのだが、そこから眺める景色はまるで鬱蒼とした森である。樹々に囲まれた薄暗い店内の風情がなかなかいい。そして、ちょうどその森と対峙するような形で、2階にはギターのコレクションが並んでいる。宮越屋珈琲のオーナーはちょっとしたギターコレクターなのだ。同じく2階にはグランドピアノもあり、時にコンサートも開かれる。来たる9月18日にはギターデュオの"あんみつ"によるライブがある。まあ、それはここでは関係ないことだけれど。
 宮越屋系列の珈琲は濃い。だから今日はマイルドにしたのだが、私にはちょっと酸味がきつかった。そして今回は久しぶりにケーキセットにしてみた。この店で出しているケーキはラ・ポム・ベール(La Pomme Verte)のもので、実においしい。

『宮越屋珈琲 THE CAFE』札幌市中央区南19条西16丁目6-8 (地図

『「砂糖は太る」の誤解』高田 明和

 講談社ブルーバックス。副題「科学で見る砂糖の素顔」。
 砂糖は太る。砂糖は糖尿病の原因だ。砂糖と摂りすぎるとキレやすくなる。そんな砂糖にまつわる数々の「誤解」を、科学的知見を駆使して解いている。例えば、カロリーの観点、満腹を感じるメカニズム、血糖値を高める仕組みなどから、砂糖悪者説を覆していく。その説明には説得力があって、なるほどと思わせる。
 さらに、砂糖(あるいはその分解物であるブドウ糖)とアルツハイマーとの関係、鬱との関係、疲労の仕組みなどから、ブドウ糖の摂取が身体にとってどれだけ大事なのかについても説明している。脳がエネルギー源としてブドウ糖しか使えないことは重要である。
 著者はこの本で砂糖を中心にした話を展開するが、本当に言いたいことは、「氾濫する食品情報を、冷静になってもう一度科学的に考え直してみる必要がある」ということである。だから本書ではコレステロールの話題も取り上げる。どんなものでも、摂りすぎはもちろんいけないが、だからと言ってまったく摂らないのもだめなんだよ、と著者は諭す。どうも我々は極端な健康情報に踊らされる傾向にあるらしいのだ。
 本書の主旨とはあまり関係ないが、脳の神経伝達物質であるセロトニンはトリプトファンから合成され、そのトリプトファンは必須アミノ酸だった、という事実に今頃気づいた私は、やっぱり鈍くさいのだろうか。

amazonで見てみる

2010年9月4日土曜日

『La Brique』Paysan Breton

 ブリック。フランス産のチーズである。見た目も味も白カビタイプにしか思えないが、店員はウォッシュだと言っていた。ネット上では白カビとしているところもあるし、ウォッシュとしているところもある。どちらが本当なのかはわからないが、何となくウォッシュな気がする(根拠はない)。
 トロリとしたクリーミーな食感で、味はカマンベールよりも濃い。私は大好きな味で、すごくおいしい。写真に撮る前にちょっと食べ過ぎてしまって、危なくチーズの画像なしの記事になるところだった。それくらい良い。

2010年9月3日金曜日

『Joyland』Andy McKee

 2010年。アンディ・マッキー。
 すごく期待して買ったCDだったので、初め聴いたときは正直残念な気がした。メロディがメッゾ・スタッカート気味に弾かれるせいもあったのかもしれない。
 でも実際はそんなに悪いアルバムではないです。遊園地に紛れ込んだかのような3拍子の楽しげな曲は、なるほど『Joyland』そのものであるし、美しいメロディの引き立つ『For Now』の落ち着いた感じもいい。Tears for Fearsからのカバー曲『Everybody Wants To Rule the World』もかっこいい仕上がりになっているし、珍しくピックを使っての『Never Grow Old』も勢いがあって悪くない。ただ、Michael Hedgesの『Layover』のカバーは、やはり原曲には敵わない、という感じではあったが。
 実はこのアルバムには75分間もの附属DVDがついていて、これがかなりお得だ。4曲の演奏シーンの他(このうちの『Hunter's Moon』には目を奪われる)、ドキュメンタリーや、2曲の演奏解説、全曲のチューニング説明など、ギター小僧には目が離せない。英語がさっぱりわからなくても、彼の音楽に対する愛情を感じ、それを語るときの楽しげな表情を見るだけでも価値がある。このDVDのポイントは高いです。

amazonで見てみる
プー横丁で探してみる