2010年7月30日金曜日

『養老孟司の人間科学講義』養老孟司

 ちくま学芸文庫。
 科学(自然科学)というものは、20世紀前半まで、物質とエネルギーをその対象としていた。その科学に、情報という観点を付加させて、「ヒトとはなにか」を論じるものを「人間科学」と呼ぶことにし、その人間科学について書かれたのが、本書である。ここで「情報」という言葉が何を指すのかが重要になってくる。ヒトは二つの情報系を持つと言う。脳(社会)=意識を通した情報世界(例として言葉を挙げている)、そして細胞と遺伝子=無意識の情報世界。脳と言葉の関係は、細胞と遺伝子の関係と同一であり、言葉、遺伝子は情報である。情報は変わらない、と著者は説く。変わるのは実体である。かつて科学はこの実体を対象に進んできた。例えば顕微鏡に見える細胞のひとつひとつは異なるものである。その中に核が見える。さらに倍率を上げるとDNAが見える。このDNAは他の細胞のDNAと区別できると見れば、これは実体である。しかしここに書き込まれた塩基配列はもはや情報なのである。実体は差異化を求めるのに対し、情報は同一性を求める。情報が変わらない、という意味は、つまりこういうことである。諸行無常は実体世界の話なのだ。
 私が書くと、どうしてこうもわかりづらくなってしまうのだろう。著者はこの辺のことをもっとクリヤーに書いている。このブログは紙幅がないので説明が足りなくなるのだ、というのは私の言い訳である。たぶん私は理解しきれていない、というのが本当のところなのだろう。消化不良ですいません。
 閑話休題。著者はこの情報という概念を重要視する。そしてここで述べた二つの情報系を切り口にして、人間あるいはヒトを読み解いていく。そのやり方は見事で、題材は社会や宗教、性の問題など多岐に亘る。例えば、意識に上らないものを排除していくことで都市化は進み、それは同時に脳化社会とも呼ぶべき世界なのだ、という主張である。
 読んでいて、あっ、今私は騙されているな、と感じるところが多少あるにせよ、この本は実におもしろい。切り口が著者独特のものであるせいなのかもしれない。多くは著者が他の本などでもよく取り上げている話題であるが、とはいえ、それらの主張をひとまとめにして見られる著作は他に見ない(気がする)。著者の考えを俯瞰してみることができるという点でも興味深い。余談だが、著者の本の中で一番わけがわからなくておもしろくなかった本は『バカの壁』である(なぜあんなに売れたんだろう?)。

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2010年7月27日火曜日

『Devil Got My Woman』Skip James

 1931年。スキップ・ジェイムズ。ミシシッピ・デルタ・ブルースに括られる一人。ロバート・ジョンソン(Robert Johnson)が彼の音楽に感化されたのは、有名な話らしい(私は知らなかったが。白状すると、私は基本的に無知です。ジャズもブルースもその他のこともよくわかっておりません。ただ、耳で聴いた私の印象をこのブログでつぶやき続けているだけです。私が受けた「印象」だけは私のものですから、それなら「あり」かと)。
 閑話休題。スキップ・ジェイムズはギターもピアノも弾く。ピアノ曲は洗練されていて、明るい印象を受ける。灰汁(あく)のないブルースと言えば良いだろうか。聞き流すだけならピアノ曲がいい。
 でも、この人を唯一無二な存在としているのは、力強く悲しいギターをバックに歌われる搾り出すような声と、そこから生まれる陰影とも言えるものなのだろう。近代にやってきたグレゴリオ聖歌というと言い過ぎになるが、その映し出す翳りは私を惹きつける。逆にその個性が好みを分けるところなのでもあろうが。

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2010年7月26日月曜日

『文字は語る』モリサワ

 同名の書物も世にあるけれど、これはフォントメーカーのモリサワから発売されている「基本7書体パック」に同梱されていた小冊子である。だから売り物ではない。モリサワから発売されている他のフォントセットにもついてくるのか、私は知らない。
 フォントについてのごく基本的な事項が書かれているだけなのだけれど、こんな粋な小冊子を添付するなんて洒落ているな、と思った。まず初めに「基礎の基礎」として「和文書体と文字組みの基礎知識」。そして、明朝体、ゴシック体、その他の書体の特徴や歴史が述べられ、最後に「欧文書体と和欧混植の基礎知識」で締め括られる。すごく良くまとまっていて、基本に立ち返らせてくれる。
 次の言葉は、私はよく忘れがちになるので、心に留めておかねばならないな、と思った。
「書体は、単なる強調の度合いや、見た目のデザインだけで選ぶものではありません。書体の成り立ちはテキストの内容や、その内容が関わっている社会のあり方と無関係ではないからです。」

2010年7月25日日曜日

チャイ(S-AKI風)の作り方

 色々試したけれど、次の作り方が外れがなくておいしくできるような気がする。これで、カップ1杯半~2杯分のチャイになる。

 小鍋に、シナモンスティック半分(砕く)、クローブ1個、ブラックペッパー2個、カルダモン1個(種は割る)、ショウガ1切れ、紅茶(BOPタイプかCTCタイプ)大スプーン1杯、砂糖適量(私は少なめ)を入れ、水をひたひたまで入れて弱火の火に掛ける。
 紅茶の葉っぱが開いて水色が濃い茶色になり、紅茶とスパイスの香りが辺りに漂ってきたら、牛乳を200ccくらい入れて、中火にする。私は牛乳の量は鍋の中のチャイの色を見て決めるので適当だけれど。
 沸騰直前で火から下ろし、茶漉しで漉してカップに注ぐ。
 一応これでできあがりだけれど、このカップにさらにラム酒かブランデーを1滴垂らしたり、爪の先ほどのバターをちょっと入れたりすることもある。これをするとぐっとお洒落になる。

 スパイスがなければ全部入れなくても大丈夫。ぜひお試しあれ。

『TARAJAN, BPS』LUPICIA

 タラジャン。「星の川という名前を持つアッサムの農園から。マサラチャイに最適なCTC紅茶です。」

 CTC紅茶は前に書いたように(記事)顆粒状の紅茶である。説明書きに「マサラチャイに最適な」と書かれているので、折角だからチャイにしてみた。初めからわかっていたことだけれど、スパイスと牛乳の味が濃すぎて、タラジャンがどんな味なのかはわからなくなってしまった。チャイはおいしかったんですけど(次の記事でS-AKI風チャイの作り方を説明します)。

LUPICIA

2010年7月24日土曜日

月桃茶

 ゲットウチャ。月桃は沖縄などに自生している植物で、沖縄では「サンニン」と呼ばれたりもする。だからサンニン茶も同じお茶のこと。
 柔らかくて甘いお茶。ゆったりとした気分に浸れる。夜寝る前なんかがいい。私の好きなお茶のひとつ。
 普通は葉っぱを茶葉に仕立てていると思うんだけど、私がこのお茶を初めて飲んだ石垣島にある『茶茶』というカフェでは、実を使ってお茶にしていたような記憶がある。確か割れた月桃の実がカップの中に浸してあった。それがまたお洒落な気分を演出して、良い感じだったのだ。だから、本来このお茶を作るとき、葉と実のどちらを使うのが正解なのか、よくわからない。今私は葉を使った月桃茶を口にしながらこの記事を書いているが、当時飲んだお茶もこんな味だったような気がする。まさか葉でも実でも同じ味になるとは思えないのだが。

茶茶』沖縄県石垣市大川219番地(やちむん館2階)(地図
あやぱにモールの入り口近くの古い建物です。

『トルマリン(島野農園)』豆源

 TURMALIN。ブラジルのトルマリーナ地方にあるトルマリン農園。オーナーが島野さんだから島野農園とも。自然農法に近い作り方をしている。
 苦味も酸味も少ないところはブラジルなんだけど、ブラジルっぽくない。花のような味と香りがする。花は食べるものではないから、味が花のようなというのは変だろう、と言うなかれ。舌の上に残る余韻が、花のイメージを想起させるのだ。ちょっとざらついた舌触りがすることを除けば、悪くない。

『珈琲問屋豆源 北19条店』札幌市北区北19条西4丁目2-24片野ビル(地図

2010年7月19日月曜日

夏の風に吹かれて

 もう1ヶ月も前から夏は始まっている。札幌は過ごしやすいと言われるが、ずっと札幌にしか住んでいない人にとっては、やはり夏は夏であり、暑くて大変なのだ。27度を超えたら、十分に暑い。そして私の家にクーラーはない。最近でこそ札幌でもクーラーをつける家が増えてきたようだが。
 夏はギターの弦が錆びやすい。それに対処するため、今年はエリクサー(Elixir)のコーティング弦を試している。普通の弦より2、3倍、値が張るので、それ以上にもってほしいところだ。
 イラストのモデルはもちろん私ではない。私は家の中でブーツなど履かない。そしてかわいそうなことに、この人は左足を骨折している。私がすべて悪い。申し訳ないことをした。

2010年7月18日日曜日

『ABBOT KINNEY』LOVE PSYCHEDELICO

 2010年。
 デビューした頃から、KUMIのボーカルとNAOKIのギターのコラボレーションが好きで、たまに聴いている(KUMIがギターを弾くこともあるけど)。これまで出した何枚かのアルバムと比べると、このアルバムは派手さがあまり感じられない。これと言った出色の曲も無いけれど、アルバム全体を覆う独特の雰囲気は健在。相変わらず何をしゃべっているのかわからないけれど、逆に色んな作業をしたりパソコンをしたりするときにも邪魔にならないし、心地よい。
 なんだか貶(けな)しているのか褒めているのかわからないコメントになってしまったが、実際は好きなんです。

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『ゴーダ』

 Gouda。オランダ産のセミハードタイプのチーズ。実はゴーダチーズはこれまで2回取り上げている(リンドレスゴーダゴーダマスタード)。今回のはただの「ゴーダ」。私にとってチーズと言えばこの味を思い出すくらい、普通のチーズ。そのままでも十分おいしいし、サンドイッチやトースト、サラダと、何にでも合う。蒸し暑いときにウォッシュを食べる気分にもならないので、普通のチーズを買ってみた。

2010年7月16日金曜日

好きな手書きフォントplus

ふい字』好きで、私が一番よく使う手書きフォント。字も読みやすいし、嫌味がない。
あずきフォント』字の大きさが揃っていて読みやすい。他のフォントに混じってもバランスがいいので使いやすい。
あんずもじ等幅』タイプフェイスが小さめ。サインペンでちょこちょこ書いた感じ。余談だが、ここのホームページは個人的に大好き。このデザインセンスは真似したい。
さなフォンP』普通の人が丁寧に手書きをするとこんな感じになるのかな、と思う。ちょっと緊張感がある。

『さき』これはおまけ。私の字をそのまま使ったフォント。タイプフェイスの大きさが滅茶苦茶なので、いかにも手書き、です。汚い字ですいません。今のところ公開していません。

(クリックすると大きくなります)

2010年7月14日水曜日

『勐海普洱』LUPICIA

 モンハイプーアル。Menghai Puer。「雲南省・勐海周辺に産する黒茶。甘い後味と、独特のクセのある香りが魅力。」

 もしかしたら多くの人はタイトルの漢字がきちんと表示されていないかもしれない。普通のフォントセットには入っていない漢字を使っているから(そう言えばこのブログではフランス語独自の文字形をよく使っているけど、他の人はきちんと表示されているんだろうか。ちょっと不安)。

 甘くて飲みやすいプーアールだ。ごくごくいける。説明文にはクセがあると書いてあるけど、そのクセはプーアール茶独特のクセであって、このお茶独特のクセではない。プーアール茶としてはクセが無い方だと思う。私が普段飲んでるプーアールはこんなものではない(出自が怪しいお茶なのでこのブログでは取り上げない。厚みのあるブロック状に固められたお茶で、それをナイフなどで崩して淹れる)。
 話が逸れた。このお茶は初心者でも大丈夫です。洗茶の必要もありません。

LUPICIA

2010年7月12日月曜日

『Father of the Chicago Blues Guitar』Big Bill Broonzy

 1930~1951年。ビッグ・ビル・ブルーンジー。アルバムタイトルのとおり、「シカゴ・ブルースの父」とも呼ばれ、マディ・ウォーターズらにも大きな影響を与えた。

 これがまた、かっこいい。適当に歌っているようでありながら芯のあるボーカル。お洒落でテクニカルながら力強いギター。
 私は最近ブルースを聴き始めたような初心者だが、この人の曲は私がイメージしていたブルースの感覚に近い。私が初めてブルース色の濃いアルバムを聴いたのは、エリック・クラプトン(Eric Clapton)の『Unplugged』が最初である。そしてそれに収録されている『Hey, Hey』は、このビッグ・ビルの曲であって、きっとそんな経緯もあって、彼の曲を聴くと、「ザ・ブルース」という感じがしてしまうのかもしれない。クラプトンの『Hey, Hey』が、ビッグ・ビルの演奏のかなり忠実なコピーとなっているのは驚きである。
 このアルバムは録音時期がバラバラなせいか、曲によって歌声がかなり違う。へえ、同じ人が歌ってるんだ、という感じ。彼はすごく多くの録音を残しているそうだから、違う曲も聴いてみたい気がする。

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2010年7月10日土曜日

『ISOマネジメントシステムの崩壊は、何故起きたか』西沢 隆二

 近代文藝社。著者は長年ISOマネジメントシステムのコンサルタントをしてきた人物。
 ISOマネジメントシステムは現在のところ二つある(少なくとも)。品質マネジメントシステムであるISO9001シリーズと、環境マネジメントシステムであるISO14001シリーズである。本書はこれら二つの規格そのものの問題点と、それらを登録した組織に内在する問題、そしてその審査についての問題点を記した本である。
 著者は一貫して、組織の中心的な目的となる「コア活動」と、それをマネジメントする「マネジメント活動」を厳然として区別する。コア活動は利益を直接生み出し、マネジメント活動はコア活動の効率を高めることで間接的に利益を生み出す。組織にとって大事なのはコア活動であって、コア活動なくてはマネジメント活動もない。そしてISOマネジメントシステムはこのうちのマネジメント活動に関する規格のはずなのだ。だから、この規格に謳われているPDCAサイクル(Plan、Do、Check、Action)の採用は適切でないとする。「Do」は実施であり、コア活動に関するものだからだ。さらに、コア活動とマネジメント活動の違いを曖昧にすることは、ISO9001をきちんと運用していても品質が良くならない、ということにもつながる。品質マネジメント活動は「品質デ『コア活動』ヲ」マネジメントすることであるべきなのに、ここに『コア活動』が関わることを忘れがちなためだ(コア活動を行うことが「Do」なのであって、品質を管理することが「Do」なのではないことに注意。品質管理は「Do」に対して行う。こういう混乱が起きるから、規格としてPDCAを採用するとおかしくなるんだと私は思う。この辺わかりづらいとしたら、私の書き方が悪いです)。
 ISOマネジメントシステム規格には、守らなければならない要求規格(Shall要求)が存在する。個々の組織の具体的なマネジメントシステムは、「システム規格をもとに創造的に設計することが必要」となる。Shall要求さえ満たしていれば、どんなシステムを組んでもいいのだ。つまり個々の組織によって、色々なタイプのシステムが存在しうる。ところが実際には、書類重視型パラダイムに侵された大企業向きのシステムが、中小企業においても採用されることが多いという。著者はこれに異を唱えて、実際にコア重視型パラダイムに則った書類の少ないコンパクトなシステム構築をコンサルティングし続けている。この点においては審査機関や審査員にも問題があって、Shall要求に無いものまで求められるということが良くあるらしい。本書では、そのような多くの事例を紹介している。
 この本は、論点がしっかりしていて、話の進め方も論理的なので、ポイントがスッと頭に入ってくる。私が仕事上関わっているISOマネジメントシステムの問題点もあぶり出されていて、非常に参考になった。何ごとでもそうだが、表層的な理解ではなく、ベースをしっかりと理解することが大切なのだ。ISOマネジメントシステムのベースとなる考え方を学べる良い本だと思う。

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2010年7月7日水曜日

『父の日ブレンド』徳光珈琲

 コロンビアの深煎りをベースにしたブレンド。今となっては「季節外れブレンド」。未開封のまま冷凍していたからたぶん大丈夫。ついでに言えば、誰かのお父さんのために購入したわけではない。自分がお父さんだというわけでもない。ただ、季節限定商品という言葉に釣られて買った。私にはそういうところがある。
 さて、味である。酸味よりも苦味の方が少し勝(まさ)ったブレンド。キレがあって香りも良く、おいしい。元来私は深煎りのコロンビアが好きで、この豆もそれを裏切らない。ただ、今の在庫が無くなったらもう飲めないんだな。季節限定だから。

徳光珈琲
『徳光珈琲円山店』札幌市中央区大通西25丁目1-2 ハートランド円山ビル1F(地図
(注意:地図がちょっと古いです。地下鉄東西線円山公園駅5番出口のすぐ隣です)

2010年7月6日火曜日

『Grapefruit Green』LUPICIA

 グレープフルーツ。「緑茶とグレープフルーツのさわやかな香りが調和したみずみずしいお茶です。」

 普通にホットで淹れると、緑茶な感じはほとんど無くなる。それほどまでにグレープフルーツの香りが強い。とは言っても嫌な感じではなく、温かいグレープフルーツ飲料として十分においしい。
 それに対してアイスティーにすると、緑茶の味が前面に出てくる。これはグレープフルーツの香りをつけた緑茶なんだということが、はっきりする(当たり前のことを書いている気がしてならないが、ここははっきりさせておきたい)。アイスの方が持ち味が発揮されて、良いように思う。
 最近思うのだが、フレイバードティーはホットよりもアイスの方がおいしいものが多いのではないか。もちろんすべてのフレイバードティーがそうだと言うつもりはないが。

LUPICIA

2010年7月5日月曜日

『Bäckerei KoRB』

 ベッカライ コルプ。札幌は真駒内公園の真駒内アイスアリーナの東側に、真駒内通りを挟んで真駒内曙中学校がある。その裏手の住宅街にひっそりと佇んでいるのがこのパン屋さんだ。五輪通りの北側と言った方がわかりやすいか。
 札幌市内では、私の一番好きなパン屋である。ハード系のパンからデニッシュ系まで、どのパンを選んでもおいしい。嚼(か)んだあとに口の中にじわっと拡がる小麦の甘みが堪らない。パイ生地にケシの実が練り込まれたムーンプルンダーは、この店以上のものに出会ったことがない。私にとって最高のパン屋なのだ。
 元は市の中心部に近いところに店を出していた。その頃から大好きな店だったのだが、あるとき急に店を畳んだ。パンを作っていた主人が小麦アレルギーになったとかならないとか。それを残念に思い続けて数年後、風の便りに真駒内に店を出していることを聞いた。そのときの喜びを何と言えばよいのか。店は変わり我が家からは遠くなったが、今も昔と変わらない味を提供し続けている。店主に感謝。

『ベッカライ コルプ』札幌市南区真駒内曙町3丁目7-3(地図
定休日 火・水・木曜日
営業時間 10:00~17:00

2010年7月4日日曜日

スタジオジブリ・レイアウト展

 札幌芸術の森美術館。2010年6月26日~8月29日。

 アニメーション映画における「レイアウト」とは、アニメーションの制作工程において、絵コンテの次の段階に描かれる、個々の場面の設計図とも言えるものだ(パンフレットより)。絵コンテが脚本で、そのうちの各場面について、キャラクターをどこに置いてどんな動きにして、背景はどういう風にして、カメラはどう動くのか、などを、かなりしっかりした絵で表現したものが、レイアウトということになる。このレイアウトを元にして、アニメーターはキャラクターを描き、美術スタッフは背景を描くということになる。このレイアウトという工程がひとつの工程として定着したのは、宮崎駿の関わった「アルプスの少女ハイジ」からであるらしい。この展覧会では、ハイジ以降の宮崎の作品や、スタジオジブリの作品から、1300枚ものレイアウトを展示している(レイアウトは必ずしも監督が描いているわけではない)。
 その量と質は圧巻である。1枚1枚がひとつの作品として成り立ってもおかしくないような完成度がある(もちろんレイアウトは鉛筆と色鉛筆で描かれたものなので、主に構図のことです)。そして細部まで描き込まれた背景、人物の臨場感にも圧倒される。まさにアニメーションの要なのであろう。動画の1場面1場面がこのようなしっかりとした画面構成からなっていることに、驚きを禁じ得ない。たった1枚の作品を作るのですらやっとの思いでいる私からすると(私は1年に1、2枚しかきちんとした作品に仕上げていません)、それぞれの画面が既にして完成された作品と言っていいほどのすばらしさがあるのに、これらをつなぎ合わせた総体としてのアニメーション映画というものは、一体何なんだろう。想像しただけで怖ろしい。アニメを作り出す人々に対して嫉妬すら感じる。正直、ショックを受けて帰ってきました。

札幌芸術の森美術館」札幌市南区芸術の森2丁目75番地(地図

2010年7月3日土曜日

『Mississippi John Hurt』

 ミシシッピ・ジョン・ハート(Mississippi John Hurt)13曲、リチャード”ラビット”ブラウン(Richard "Rabbit" Brown)5曲、ハンボーン・ウィリー・ニューバーン(Hambone Willie Newbern)6曲の、計24曲が収録されている。そしてこれらの曲は、彼ら3人が戦前に録音したすべての曲なのだという。お得なCDだ。
 何と言ってもミシシッピ・ジョン・ハートである。良い具合に力の抜けた飄々とした歌い口(これはライナーノーツに書いてあったものと同じものである。あまりにぴったりした表現だったので借用した)を聞いていると、こっちまで気分良くなってしまう。ギターも軽妙で素晴らしい。歌とギターのどちらも耳に馴染む。そして不思議なことに郷愁を誘うのだ。どこかでかつて耳にしたことがあるのかな、と思わせる。
 リチャード”ラビット”ブラウンは唸るような声が特徴だ。ギターのタッチが強い。
 ハンボーン・ウィリー・ニューバーンは、がらがら声の低い声を、歌との掛け合いが楽しい絶妙なギターが支えている。結構好きだな、この人の曲は。

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『Saga CLASSIC』

 サガクラシック。デンマーク産のブルーチーズ。まろやかで適度に柔らかく、全然クセが無くて食べやすい。白カビタイプにちょっとだけブルーの雰囲気を漂わせてみた、という程度の味なので、ブルータイプ初心者にもぴったり。逆に、このチーズが苦手なら他のブルーには手を出さない方がいいかもしれない。少し小腹が空いたとき、気軽に手を出せるチーズです。