2010年12月31日金曜日

2010年の振り返り

 今年(2010年)の一番はじめに書いたブログで、1年の目標を立てた(記事)。それは、「A.大きな目標(必ず守るべき目標)」と、「B.小さな目標(ある意味どうでもいい目標)」とから成っている。大きな目標は、仕事とブログを続けることだった。1ヶ月に書く記事の数は減ってしまったけれど、この二つは何とか達成できた。問題は小さな目標の方である。ある意味どうでもいい目標だから別にいいのだけれど、これは半分も達成できなかった。目標が多すぎたのかもしれない。
 来年は特別な目標は立てないでおこうかと思う。ただ、仕事とブログだけは続けよう。それで、いっぱいいっぱいみたいだから、この二つの目標が達成できれば、よしとしよう。

2010年12月30日木曜日

RANBANの鳥

 『CAFÉ RANBAN』(記事)の各テーブルには、お澄ましした鳥が鎮座している。。赤かったり茶色だったり。たぶん設立当初からいるんじゃないか、と思われるが、何しろそのころ私はこの喫茶店のことは知らなかったから、確かなことは言えない。ただ、少なくとも私がこの店に出入りするようになったときには既にその鳥はいた。ちなみに、私がこの鳥の頭を持ち上げることは滅多にない。なぜならこれはシュガーポットだから。
 ランバンの代名詞みたいな存在。

CAFÉ RANBAN』札幌市中央区南3条西5丁目20(地図

『たまたま』レナード・ムロディナウ

 ダイヤモンド社。Lenard Mlodinow。田中三彦、訳。副題「日常に潜む「偶然」を科学する」。
 著者によると、ビル・ゲイツの成功も、ブルース・ウィリスの成功も、偶然の産物だという。同じような才能を持ち、同じような境遇にありながら、成功者と失敗者が出るのは、何も特別な理由あってのことではない。すべては「たまたま」である。同じ事象をとっても、実際の世界ではランダムネス(ばらつき)が存在し、たまに極端な結果が出ることは何の不思議もない。例えば二つのチームでワールドシリーズを戦うとき、一方が55%の確率で勝つことが請け負えるとしても、7試合制で勝負を行うと、10回に4回は弱いチームが優勝する。
 本書は、身近な話題を通して、確率と統計の話を一般向けにわかりやすく解説したものである。数式は一切出てこない。人が陥りがちな直感と現実との差異についてや、ギャンブルの話、統計学の歴史など、話題は豊富である。目から鱗の情報が結構ある。容易には受け入れがたいものも含めて。
 たぶん述べられていることは正しい。でも「たまたま」あることが起きることを前面に押し出しすぎているために、読後にある種の虚無感みたいなものを感じてしまう。努力と実力は成功とは何の関係もないのか、みたいな。実は著者は、何の関係もない、とは言っていない。最後の方で、ほんの少し努力の有用性を述べたりもしている。ただ、世の中には、成功した人は偉くて、失敗した人は劣っているんだ、という考えがあまりに拡がりすぎているために、それは実力のせいだけではなく、偶然の作用が強く働いているんだよ、ということを強調して述べざるを得なかっただけなのかもしれない。間違った常識と実際の世界との間のバランスを取るために。

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2010年12月29日水曜日

『CAFÉ RANBAN』

 ランバン。
 札幌駅前通から狸小路の1本南側の通りを西に行くと、ノルベサのちょっと先の右手に、『ランバン』というカフェがある(国道36号線あるいはすすきのの通りの1本北側といった方がわかりやすいかもしれない)。もともとこの店は2階部分だけから成っていた。少し焦げ茶がかった黒色に塗られた木の雰囲気がとても良い、落ち着いた店だった。階段を上ると、目の前に横に長いカウンターが現れる。視線を左に向けると、奥の窓のあるコーナーに、テーブル席もいくつか設(しつら)えてある。この2階部分は今も当時のまま残っていて、右の写真は、ここをカウンターから窓の方に向かって撮影したものである。
 昔、1階部分は『サラ』というカジュアルな食事を出す店だった。メニューによっては、ランバンのものが供された。この『サラ』のシェフは、今は独立して『モンペール』というフランス料理店を営んでいる。ちなみに『モンペール』はそんなにカジュアルな店ではない。その『サラ』がなくなった後、改装して、『ランバン』は1階と2階にまたがるカフェとなった。1階は清潔で都会的な印象で、2階の「旧き良き」という感じとはまったく異なる趣である。今は1階でコーヒーを淹れて、2階に持ってきてくれる。
 ネルドリップで淹れるコーヒーはどれもおいしい。私は本当においしいコーヒーを飲みたくなったとき、この店に来る。家では飲むことのできない極上のコーヒーを味わえる。マンデリンをこんなにおいしく淹れてくれる店は、他に知らない。

CAFÉ RANBAN』札幌市中央区南3条西5丁目20(地図

『はなやかブレンド』徳光珈琲

 焙煎はシティロースト。高温で淹れると苦味がやや強くなるが、ふつうに淹れると酸味系の珈琲なんだな、と感じる。ふつうに淹れた方が舌触りが滑らかになり、断然いい。まあ、あえて高温で淹れる人もいないのだろうが、沸かし立ての薬罐(やかん)から直接コーヒー豆にお湯を注いじゃいけない、ということです。それはどのコーヒー豆にも言えますよね。
 あっ、この豆の好み具合ですが、ふつうです。可もなく不可もなく。

徳光珈琲
『徳光珈琲円山店』札幌市中央区大通西25丁目1-2 ハートランド円山ビル1F(地図
『徳光珈琲大通店』札幌市中央区大通西3丁目大通ビッセ2F(地下鉄大通駅直結、北洋大通りセンタービル)(地図

2010年12月27日月曜日

『UTAU』大貫妙子 & 坂本龍一

 2010年。「うたう」。
 絞り出すように、一音一音を大切に歌い上げる大貫の声を、寄り添うようにしながら、しっかりと支える坂本のピアノ。一本の樹木が床下から這い出てきて、それが徐々に部屋中に生い広がるように、音が、私のいる空間を満たしていく。それらの音は、現にそこにあり、まるで手で掴めそうだ。ピアノと歌だけの、たったそれだけの世界なのに、それは大きくて深い。
 アルバム内の曲は、坂本の曲に大貫が詞をつけたもの、もともと大貫の曲を編曲したもの、童謡など、さまざまである。その中で、坂本の作曲したものは構造的、構成的な感じがするのに対し、大貫のそれは少し感傷的な印象がある。それでいて、動的に絡み合う歌とピアノは、お互いに相手を引き立てあい、見事な統一感を見せている。それは、ややルバート気味に勿体ぶって奏でられるピアノの音が、不揃いな10本の指それぞれの息づかいを感じさせていることと、無関係ではあるまい。そのあふれ出る人間味は、「Instrumentals」と名付けられた2枚目のCDでも変わらない。こちらは、坂本のピアノが中心となっているにもかかわらず、大貫の存在感も十分に伝わってくる素敵なCDである。
 そんな二人の魅力が詰まったアルバムなのであるが、なぜか私が感情移入してしまう曲は、大貫が作詞作曲した、5「夏色の服」、10「四季」、11「風の道」の3曲である。坂本の作曲した1「美貌の青空」だって、2「Tango」だって、悪くはないのに。

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2010年12月24日金曜日

『クリスマスブレンド』徳光珈琲

 二日連続のクリスマスブレンド。たまたま。
 徳光珈琲のクリスマスブレンドはフレンチローストだったのだが、それほど強い苦味はなく、むしろ適度な酸味がアクセントになっていて、すっきりした印象だった。飲んだ後、ミント系のキレの良さを感じる。この爽快感は、かなりいい。

徳光珈琲
『徳光珈琲円山店』札幌市中央区大通西25丁目1-2 ハートランド円山ビル1F(地図

2010年12月23日木曜日

『クリスマスブレンド』宮田屋

 久しぶりにこの店に来た。広々とした薄暗い倉庫の中は、この時季にしてはそれほど冷え込んでいなかった。人の姿もまばらで、視界をうまい具合に遮る衝立のせいもあって、自分の時間を取り戻すには、ちょうど良い静けさが漂っていた。
 メニューの上の方に、いかにも季節限定といった風情でテープで貼られていたのが、このクリスマスブレンドだった。酸味も苦味もそれほど強くなく、やわらかく優しい口当たりの飲みやすいコーヒーだ。少し和風の器の雰囲気と相まって、ゆったりとした気持ちにさせてくれる。名前に掛けて、紅白の螺旋(らせん)の模様をしたステッキ形の飴が添えられているのが、ほほ笑ましく感じられた。

宮田屋』東苗穂店 札幌市東区東苗穂5条2丁目11-18(地図

2010年12月19日日曜日

『シュロップシャーブルー』

 Shropshire Blue。スロップシャーブルーとしている店もある。イギリス産のブルーチーズ。アナトー色素で色づけされているので、かぼちゃ色になっている。もちろん、色だけオレンジになっているだけで、かぼちゃの味はしない。ブルーとしては、そんなにきつい味はしなくて、やわらかい刺激があるくらい。食べやすい部類に入ると思う。ただ、久しぶりにブルーを食べるせいか、慣れるまで、においが強く感じられた。他のサイトの記事などを見ると、水分がやや多くねっとりとしている、と書いてあったりするが、私の食べたものは硬めだった。乾燥してしまったのかもしれない。

2010年12月18日土曜日

砂糖はやっぱり太る?

 砂糖を摂取しても太らない。そう私は思っている。その根拠のひとつとなっているのが、『「砂糖は太る」の誤解』(記事参照)という本で述べられている内容である。
 でも、今日本屋で立ち読みをしていたら、『Tarzan特別編集 太らない食べ方 完全BOOK』の中に、次のような記述があった。

 砂糖を摂取すると、インスリンが分泌される。インスリンは脂肪の分解を抑制する働きがあるので、その結果、砂糖を摂取すると太る。

 私としては、全般に前書の内容の方が説得力を感じるのであるが、後書の論拠を蹴散らす反論のようなものは、前書にはなかった。だから、どちらが正しそうなのか、私には判断がつきかねる。気になってしょうがない。
 さて、砂糖は太るんでしょうか。太らないんでしょうか。

以下、amazonで見てみる。
『「砂糖は太る」の誤解』
『Tarzan特別編集 太らない食べ方 完全BOOK』

2010年12月17日金曜日

『橋本治という行き方』朝日文庫

 「生き方」じゃなくて、「行き方」。この着眼点がすごいと思う。センスを感じる。「生き方」を模索してもなかなか見えてこないものが、「行き方」というベクトルを見据えることで見えてくる。あくまでこの本に書かれているのは「行き方」であって、「生き方」ではない。でもそのふたつはどこかでつながっている。The BOOMの曲に「逆立ちすれば答えがわかる」というものがあるが、ある意味、それの表していることと、このこととは、相似形である。
 この本を読んで以来、私は生きることを考えるのに行き詰まったとき、自分の「行き方」を考えるくせがついた。こうすることによって、問題点が何なのか、自分はどうすればいいか、といったことの答えに対する見通しが、立ちやすくなった。しかし、その先にほんとうに自分の得るべき答えがあるのかどうかは、また別の話である。あくまで上で述べたことは、考えるヒントをまたひとつ(私が)手に入れた、という話。
 ちなみにこの本を読んだのはハードカバーの装丁のもので、かなり昔のことである。あえて内容には触れませんでした。この記事は、本の紹介文にも感想文にもなってませんね・・・。「行き方」という考え方を紹介したかっただけでした。

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2010年12月13日月曜日

『Bi. Ha. Da. ブレンド』カリス成城

 ローズヒップとレモングラスの相性が抜群。他にハイビスカス、レモンピール、オレンジピールも入っていて、全体で素敵なハーモニーを奏でている。もちろん酸味が利いているけれど、それが嫌みでなく、飲みやすい。バランスがものすごく良いハーブティー。色も鮮やかな赤で、とってもきれい。

カリス成城 HP

2010年12月12日日曜日

『knot』田中 彬博

 ノット。2010年。
 カヴァー2曲から始まる。1「ルパン三世のテーマ'80」は、ウォーキングベースを取り入れての、スウィンギンな泥臭いアレンジ。対して2「My favorite things」は、お洒落ですっきりとした印象にまとめている。
 カヴァー以外は、日本的なメロディを感じさせるものが心に残る。日本の里山のイメージが思い起こされて、郷愁を誘う、3「Humming bird」。穏やかな午後の日射しの中、田園都市線のあざみ野駅構内でゆったりと電車を待っているような雰囲気の、4「あざみ野」。落ち着いた、奇をてらわない、きれいな旋律が流れる、7「手紙」。京都らしい紫の色彩を意識して作ったという、8「春風」。
 アルバム全体から、優しさがあふれている。ギターの音色をとっても、アレンジをとっても。この人のギターは、吉川忠英に通じるところもあって、安心して身を委ねられる。

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2010年12月8日水曜日

『生姜な紅茶』LUPICIA

 Ginger Tea。「スパイシーな生姜をアフリカ産CTC紅茶にたっぷり入れました。やさしい飲み口に、清涼感ある風味が生きています。ミルクティーやチャイにも最適。」

 生姜をカットしたものが結構入っていて、煎れたお茶が濁るほどだ。やわらかく良い香りが辺りに漂う。でも生姜の量のわりに、味はきつくなく、飲みやすい。体が温まる。ちょっと甘みを入れてもいいかもしれない。結構好き。

LUPICIA

2010年12月7日火曜日

「です・ます調」と「だ・である調」

 学校でも職場でもそうだろうけれど、ひとつの文章を書くとき、「です・ます調」と「だ・である調」は統一するべきだ、と言われる。もちろん仕事の文章を書くときは、私だってきちんとそれは使い分ける。でも公的な文書(この場合、私的ではない文書のこと。家電の説明書とか)以外では、混ぜこぜにしたっていいじゃないか、と私は思うのです。だから「S-AKI's blog」は「です・ます調」と「だ・である調」を混在させています。混ざっていることは意識しています。むしろ、あえてそうしている。基本は「だ・である調」。読者とコンタクトを取り合いたい気分の時は「です・ます調」。その他、気持ち次第で行ったり来たり。もしかしたら、この、気持ち次第、っていうのが一番影響してるかも。
 統一されていないと気持ち悪い人がいるかもしれない。でもごめんなさい。私はこうやって書きたいの。
 ほんとうは、「だ・である調」でありながら、「です・ます調」であるかのように感じてしまう文章を書きたいのだけれど、それは私の能力の限界を超えている。

 ちょっと言い訳じみた記事になってしまいました。たまには肩の力を抜いて、「ひとりごと」のタグに分類される記事を書いてみたくなる私でした。

2010年12月3日金曜日

『Al Toque ~フラメンコの飛翔~』沖仁

 2010年。アル・トーケ。フラメンコギターを弾く、みたいな意味。沖仁はフラメンコギタリストで、今年、ムルシア "ニーニョ・リカルド" フラメンコギター国際コンクールの国際部門で、日本人として初めての第1位を取っている。
 彼のアルバムは全部持っているけれど、なんか私からはずーっと遠くまで離れて行ってしまったような感じがする。このアルバムの世界観を受け入れるまで、数日かかった。今、やっと受け入れることができたようなので、こうして記事にしている(基本的に音楽アルバムを記事にするときは、自分の言葉として感想が出てくるまで、繰り返し何度も聴いています)。このアルバムは、私にとって、現代美術の最先端と同じような距離感がある。もしかすると、それは音楽性だけの問題ではなくて、からっと乾燥したような、高周波成分の多いギターの音色のせいでもあるのかもしれない。
 聴きやすいのは、ポピュラーに近い構造を持っていて、メロディのはっきりした3「ソンリサ~微笑の季節~」、6「葉山町」あたりである。フラメンコがばりばり好きな人には、2「歌えロサリオ!」、4「ミラドール・デ・コルドバ(ブレリア)」、5「ア・ラ・ティエラ~大地へ~(シギリージャ)」、11「胎動(タラント)」をお薦めする(括弧内はフラメンコの曲種であって、曲名ではありません)。そして、ロドリーゴ・イ・ガブリエーラが好きな人なら、7「オンセ」もいいかもしれない。
 ちょっとフラメンコとしては異色だが、10「あなたのもとへ」のサビ(最後の方)は、ヱヴァンゲリヲンでレイが世界と一体化していくようなシーン(例えばそんなシーンがあったとして)で流れていそうな、壮大なバラードである(マニアックですいません。まあ、いつもそれなりにマニアックかもしれませんが)。他に、彼にとっては手慰みだと思うけれど、9「クラシック・メドレー(ブレリア)」なんてものもあって、息抜きになります。

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『マーガレッツホープ、2010-DJ147』LUPICIA

 Margaret's Hope, FTGFOP1 2010-DJ147。「豊潤な香りとしっかりした焙煎香が織りなす、名園ならではの甘い余韻。正統派の夏摘み紅茶です。」

 インド、ダージリンのクルセオン・ノース地区にある、マーガレッツホープ茶園によるセカンドフラッシュ。
 香りがおもしろい。ぶどうのような、すこしフルーティな香り。でもストレートな感じじゃなくて、ちょっとひねたような。世の人はこれを指してマスカテルフレーバーというのかもしれないけれど、私にはよくわからない(お茶に詳しい人から指導を受けた経験がないので)。味は、どっしりとしていて深みがある。ただ、私はそんなに好きではない。この紅茶の前に飲んでいたキャッスルトン(記事)があまりにも良すぎたから、そう感じるのかもしれないけれど。
 といっておいて何ですが、紅茶ポットの中で長めに蒸されて、渋みが増してきた2杯目、3杯目の味は、結構好きだったりします。

LUPICIA

2010年12月2日木曜日

『生物多様性100問』盛山 正仁

 木楽社。監修、福岡伸一。
 折しも、この10月(2010年)、名古屋において、生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開かれたところである。でも、生物多様性ってよくわからない。これが購入動機のひとつ。そして生物多様性に関連して、ニセアカシヤ(ハリエンジュ)の問題を知りたかった、というのがもうひとつの動機。
 札幌といえばアカシヤ(通称)、という人も多いのではないかと思う。実際、市内の街路樹としてもよく使われており、今行われている駅前通の工事でも、このニセアカシヤを導入しよう、という計画がある。でもこれに反対する人もいる。なぜならこの木は、外来生物法における要注意外来生物リストに載っているからだ。河川敷などに繁茂して、生物多様性を脅かす恐れがあるという。えぇっ、今まで札幌でそんな問題聞いたことないよ、というのが、はじめ私がこの事実を知ったときに持った感想。で、実際のところはどうなんだろう、と。
 結論から言うと、ニセアカシヤの問題はこの本を読んでもよくわからない。何となく、ニセアカシヤは植えない方がいいのかもしれないな、という印象を持った程度。軽い肩すかしではある。
 もうひとつの、生物多様性ってよくわからない、ということについては、少しだけ雰囲気はつかめた。生物多様性には3つの観点があって、それは、生態系の多様性、種の多様性、遺伝子の多様性なのだそうだ。一般的には種の多様性だけが大きくクローズアップされる傾向にあるため、この3つの観点を知ったとき、視野は拡がった。
 とはいえ正直な話、その他のことについては表層的な議論ばかりが目立っていたような気がする。100の問題に対して、問いと答えと解説が並べられているのだが、生物多様性の根本の大事なことについては、あまり触れられていない。おそらくこれはこの本の構造的な問題でもあるのだろう。それぞれの問いにつながりを見いだすことが難しく、この本を読んでも生物多様性について系統立てて学ぶことはできない、と感じた。あと、言質が政府寄りの印象が強いのが気になった。日本はこんなに進んでいるんだよ、という自己満足的な主張の数々。
 救いは、福岡伸一による解説「生物多様性を解くキーワード、それは動的平衡」であろうか。生物多様性を保つことの重要性がわかりやすく、しかも的確にまとめられている。
 全体としては、厳しい言い方になってしまうが、生物多様性について系統的にきちんと知りたければ、他の書籍に当たった方がいいと思う。

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2010年11月30日火曜日

『秋桜』丸美珈琲店

 コスモス。季節のコーヒー。たまにしかこの店に行かないから、いつからいつまで売っているコーヒーかどうかはわからない。
 やわらかい口当たりの、バランスのとれた味。飲みやすい。良いブレンドです。目の前で数種類の豆を混ぜて作っていたのに、ぼーっとしていてチェックし忘れたのが残念。

 昨日、今日と雪です。昨日は、不覚にも、滑って手を道路の氷面につけてしまいました。鞄の中身も飛び出して、踏んだり蹴ったりでした。これからは、札幌も本格的な冬に突入しそうです。

丸美珈琲店』札幌市中央区南1条西1丁目2番地松崎ビル1F(地図

2010年11月28日日曜日

『Perfect Blue』Sungha Jung

 パーフェクト・ブルー。チョン・スンハ。2010年。
 収録14曲中12曲がカヴァー曲。彼はYouTubeで有名になった、韓国のフィンガースタイルギタリストだが、そのYouTubeで人気の高かったものを中心にアルバムを組もう、との意図があったためだ。
 全体的に派手さはない。むしろ落ち着きさえ感じさせる。それにしても、ギターの音色がものすごくきれい。岸部眞明なみにきれいなんじゃないだろうか。確かな技術を感じさせる。メロディと伴奏(あるいはベース)との分離がよく、クリヤーで心地よいサウンドを聴かせてくれる。
 どのカヴァー曲もいいから、全部取り上げたい気分。でもそんなことできないから、ふたつだけ。プロコル・ハルム(Procol Harum)からの11「A Whiter Shade of Pale(青い影)」、グリーン・デイ(Green Day)の12「Wake Me Up When September Ends」は、心が洗われます。
 そんなカヴァー曲中心のこのアルバムだけれど、私が好きな曲は、チョン・スンハ自身の作曲による1「Hazy Sunshine」、8「Perfect Blue」だったりする。それだけ実力があるということなんだと思う。録音時13歳とは驚きである。今後も楽しみにしている。

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2010年11月27日土曜日

『フォレストスモーク』Entremont

 Forest。フランス産のスモークチーズ。
 私は今までにそんなにたくさんのスモークチーズを食べてきたわけではないが、このチーズはこれまでで一番おいしくいただいた。ふつうのスモークチーズよりも若干軟らかめで、舌触りもなめらかだ。ヒッコリーのスモークも上品でよい。
 調子に乗っていると、すぐになくなってしまうくらい、おいしい。心にブレーキをかけながら、毎日ちょっとずつ食べている。

2010年11月23日火曜日

『コルシア書店の仲間たち』須賀 敦子

 文春文庫。
 ミラノのヴィットリオ・エマヌエーレ通り沿いに、コルシア・デイ・セルヴィ書店は、かつてあった。戦後まもなくから1970年代初頭まで、サン・カルロ教会の軒を借りるかたちで存在したその書店は、聖と俗の垣根をとりはらう新しい共同体を目指して、ダヴィデ・マリア・トゥロルドが中心となって開いたもので、カトリック左派の人々が出入りしていた。
 この本は、そんな人々のひとりひとりにスポットを当ててつづったエッセイである。やわらかいながらも確かな筆致で、優しく包み込むようにして形づくられていく人物像は、どれもこれも魅力的で、どんどん引き込まれていく。著者を書店に導いてくれた、いつも入り口近くの椅子に座っていた名家の老嬢、ツィア・テレーサ。ダヴィデが遠のいたあとに書店を切り盛りしていた、夫のペッピーノ。知恵者であったカミッロやガッティ。文学好きなフェデリーチ夫人。パレスチナのユダヤ人、アシェル・・・。
 その他多くの人々の物語がかたどるコルシア書店というひとつの有機体は、確かにミラノの歴史の一頁を占めていたのだ。その書店がやがて、宗教的、思想的な理由で解体されていくのを見るにつけ、それらすべてがまるで幻であったかのような感覚に陥り、ミラノという町じたいも変質してしまったかのような、そんなうらさびしい気持ちにおそわれる。
 書店の仲間のひとりであった著者から見た、美しくも哀しい物語である。

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『津軽りんご』LUPICIA

 Tsugaru Green。「番茶をベースに、果汁たっぷりの豊潤な青森名産・サンつがるをイメージして香りづけした、和製アップルティーです。」

 香りはまさに「サンつがる」。番茶(焙じ茶ではありません)との組み合わせもよく、味と香りが見事にマッチしている。紅茶版の『津軽』(記事)も悪くなかったけれど、こっちの方が断然良い。すごくおいしい。ヒット作だと思う。お薦め。

 今日二つめのルピシアの記事。『津軽りんご』の記事をすでに書いているつもりだったのに、実は書いていないことを、最後の茶葉をポットに入れている最中に気付き、あわてて記事にした次第。今日は外に出ていないので、お茶やコーヒーを飲みまくりなのです。

LUPICIA

『シークワサー烏龍』LUPICIA

 Shekwasha Oolong。「シークワサーで台湾烏龍茶を香りづけ。さわやかな酸味で、アイスティーにもぴったり。」

 はじめ見たとき、茶葉がいやに細かくて、烏龍茶ではなく緑茶のような感じがした。味もちょっと緑茶っぽく、同じルピシアからでている「Grapefruit Green」(記事)に似ている。でも、それほどまでには香りは強くない。だからホットで入れても嫌みではなく、そこそこおいしい。ただし、これがシークヮーサーの味なのかどうかは別である。柑橘系であることだけは確かなのだが。

LUPICIA

2010年11月21日日曜日

『Lunch & Kafe OPERA』

 この夏、狸小路の一本南側の通りに面して、道路側の壁がすべて取り払われて、内部が見渡せる状態になっているこの店を見たとき、なんて素敵な店ができたんだろう、と思った。この店の横を通るときはいつも夜で、人影のあまり見あたらない店内にあって、雰囲気の良い椅子と木調の床だけが、いやに目に飛び込んできて、私の好奇心をそそった。そのうち、そこを通るたびに客は増えてきて、次第ににぎやかな店になってきた。それでもその店がお酒を供する店なのか、レストランなのか、はたまたただのカフェなのかまるでわからず、お酒の飲めない私は入るのに二の足を踏んでいた。
 それが今日、ようやく、ランチタイムにこの店に入る機会に恵まれた。昼であれば私でも大丈夫だろう、という目測と、友人という心強い力添え(?)があったおかげである。店内は思ったよりも広く、10程度のテーブルが置いてある。もうこの季節になるとオープンカフェとするわけにはいかないのか、道路側にはきちんと壁ができていた。室内の中央右付近には、バーのようなコーナーがあって、カウンター席もある。この店には、ランチタイムとカフェタイムとディナータイム用の3つのメニューがあり、夕方5時までであれば、私一人でも楽しめる感じだった。
 私が店に入ったときには、他に客はいなかったのだが、ほどなく混み始めて、店内の写真を撮ることができなくなってしまった。だから、写真は今日私が食べた日替わりプレートである。鶏肉のソテーに生トマトのソースがかかっていて、ちょっとしょっぱかったものの、わりとおいしいと思った。食後に頼んだコーヒーもまずまずで、量が多いのが嬉しかった。たまには来てもいいな、そう思わせる店だった。

『Lunch & Kafe OPERA』札幌市中央区南3条西2丁目7-1(地図

2010年11月20日土曜日

『The Best of Blind Blake』Blind Blake

 1920年代。ブラインド・ブレイク。
 いいです、これ。時にがさつにぶっきらぼうに、時に渋い高音をじっくりと、そんな自由で味のある歌声に、跳ねるような、踊るギターの音が重なる。リズミカルなギターは、クリヤーで粒立ちがはっきりしていて、潔(いさぎよ)い印象。明るく楽しい気分になれる曲が満載。
 23曲も入っているんだけど、9「You Gonna Quit Me Blues」、13「Depression's Gone From Me Blues」、19「Ice Man Blues」、21「Chump Man Blues」他、お気に入りの曲がいっぱいある。 
 うまいコメントが思い浮かばなくて、悔しい。とにかくお薦めです。私は好きです。

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『冬の珈琲』可否茶館

 Winter Blend。「初雪が降る季節にぴったりな甘く暖かみのある味わいです。」

 気持ち苦味系で、酸味はほとんど感じられない。少しナッツのような香りが口の中に残る。まずまずと言ったところか。
 可否茶館のブレンドは、最高!という感想を抱くようなすごくおいしいコーヒーもないけれど、あちゃーというハズレもない。ある程度以上の品質はきちんと維持していて、そこのところが安心感があって良い。例えば他の店で私の心を惹くようなスペシャルティコーヒーが売られていないとき、可否茶館のブレンドでいいや、という感じになるのは、たぶんそんな安心感のせいだ。そういえば豆源の豆にもそういうところがあって、私の中では、可否茶館も豆源も、「つなぎ」のコーヒーになることが多い気がする。申し訳ない気もするが、つなぎにすらならないコーヒーもあるのだから、それはそれで評価されているということなのだ。たぶん。

可否茶館HP

2010年11月16日火曜日

『C'EST PARFAIT!』LUPICIA

 セ パフェ!。「ハイビスカス、ローズヒップにカシスをブレンドした、体に嬉しいハーブティーです。」

 「セ パルフェ!」の間違いじゃないかと思ってホームページで検索してみたけれど、「パフェ」でいいらしい。余談です。
 説明書きだけを見ると、とても酸っぱいハーブティーのように感じるが、実際はそんなに酸っぱくはない。レモングラスも入っているんだけど。
 飲みやすいです。個人的には、もうちょっとローズヒップを利かせて刺激を強くしてもらいたいところだけど、これくらいの方が一般受けするのかもしれない。普段使いにいいかな。ゴクゴクいけるお茶。それにしても「カンペキ!」とは言い過ぎ。

LUPICIA

2010年11月14日日曜日

『ソレイユ~ポートレイツ2~』村治佳織

 『Soleil Portraits 2』。2010年。タイトルからもわかるとおり、昨年出したアルバム『Portraits』(記事)の続編である。コンセプトも同じく、クラシカルなものからポップス、ジャズ、ボサノヴァなど、様々な分野の楽曲が取り上げられている。どれもこれも粒揃いで、全部紹介したいくらい、好きな曲が多い。佐藤弘和の編曲になるものが半分近くを占めているが、この編曲も小じゃれていて、なのに出しゃばりすぎない絶妙のところにあって、良い。
 このアルバムのメインディッシュは、おそらく2「ギターのためのカルメン組曲」(ビゼー)と、8~10「大聖堂」(A.バリオス)なのだと思う。前者はカルメン組曲のおいしいところをうまい具合に取り込んで、ギターとしてのきちんとした一作品に仕上げている。後者は大聖堂の静と動(内部と外部)の雰囲気が見事に表現されていて、鳥肌が立つほどだ。でも私が一番推したいのは、11「ケルン・コンサート IIc」かもしれない。これはキース・ジャレット(Keith Jarrett)がケルンで行ったピアノソロパフォーマンスから取られたものだが、美しいメロディと、音と音との微妙な間が織りなす空間の感じが心地よい。
 聴きやすいのは、やはりポップス系が中心となる。オリビア・ニュートン・ジョン(Olivia Newton-John)の3「そよ風の誘惑」、ギルバート・オサリバン(Gilbert O'Sullivan)の7「アローン・アゲイン」、13「エル・ディア・アンテス」(これは誰の曲なのか知りません)なんかがそうだ。13では村治のさりげない歌声が聞ける。
 しっとりと歌い上げる6「サウンド・オブ・ミュージック」や15「ザ・ウェイ・ウィー・ワー(追憶)」、アグレッシブかつパーカッシブな4「フォーコ」なども、いいと思う。

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2010年11月13日土曜日

『あんず』LUPICIA

 Apricot Houji。「甘く濃厚なあんずの香りを焙じ茶にブレンドした自信作です。」

 味はおいしい。本当に。ちょっとしたフルーツっぽさと焙じ茶の味が立体的に組み合わさり、陽光に照らされた紅葉を感じさせる。でもこのフルーツっぽさは、あんずではない。
 味は素敵なのに、残念なことに香りがむせるくらいに強く、苦手だ。惜しい。

LUPICIA

2010年11月9日火曜日

『深煎りトラジャ』豆源

 昔、好きでよく飲んでいたのが、この「深煎りトラジャ」。でも今回のロットはあまりおいしくない。ちょっとぼやけた味で、物足りない。
 私の味覚が変化した、というのは、あり得る話だ。以前私は、コスタリカのような豆は酸味が強すぎる、という理由で好きでなかったのに、このごろは好んで飲むようになった。最近は苦み一辺倒ではなくなったのだ。

 なんて書いてはみたものの、単に今回の豆が良くなかっただけなんだ、と内心思っている。ちなみに、ふつうトラジャは高い豆だけれど、豆源ではかなり安く買える(そのせいか?いや、昔も安かった)。

『珈琲問屋豆源 北19条店』札幌市北区北19条西4丁目2-24片野ビル(地図

2010年11月7日日曜日

『キャッスルトン・ムーンライト、2010-DJ111』LUPICIA

 Castleton, FTGFOP1 Moon Light 2010-DJ111。「名園が特別につくりあげた夏摘み紅茶。月の光のように優雅でやわらかな風味が広がります。」

 インド、ダージリンのクルセオン・サウス地区にある、キャッスルトン茶園によるセカンドフラッシュ。
 これはおいしい。月の光のような、とは上手いことを言う。花を思わせる、軽やかながらもふくよかな香り。やわらかく舌を包み込む重量感のある味わい。たまらない。
 久しぶりに、本当においしい紅茶に出会えた。

LUPICIA

『高校数学でわかるフーリエ変換』竹内 淳

 講談社ブルーバックス。副題「フーリエ級数からラプラス変換まで」。
 フーリエ級数とフーリエ変換は、任意の関数をサインとコサイン(いわゆる三角関数)で表現してしまおうというもの(複素形式のフーリエ級数とフーリエ変換は一見ただの指数関数に見えるけど、オイラーの公式から結局は三角関数と同等)。ラプラス変換はフーリエ変換とは違う思想に基づいた変換だけれど、このラプラス変換を使うと微積分方程式が簡単に解けるようになるので便利。どちらも物理学や電子・電気工学、制御工学を中心にいろいろな分野で活躍している変換である。と言っても理工系を志している人以外にはさっぱり何のことかわからないと思う。哲学以上に取っつきづらいかも。
 それはさておき、本当に高校数学でわかる。具体的には、微分積分の基本的なところを理解していれば、この本にはついて行ける。「おわりに」に、「ブルーバックス史上、(公式集などを除いて)最も数式が多いかもしれない」と書かれているが、逆に言えば、式の導出などがそれだけ丁寧になされているとも言える。クイズを解いているみたいで、頭の体操にちょうど良い。
 41ページ目にして早くもフーリエ級数の公式が導出されてしまって、あとは何があるんだろうと思ってしまったが、私の知識が浅薄だった。複素形式への拡張や、光ファイバー技術などの様々な応用について、ページが割かれている。学校で教わることなんて社会に出て何にも役に立たない、とはよく聞く辯(べん)だけれど、身の回りで使われている多くの技術は学校で学ぶ知識(や考え方)が基礎になっている、という極々当たり前のことを教えてくれる。
 (理系の人にとっては)本当にわかりやすく書かれているので、フーリエ変換でつまずきかかっている学生や、今ひとつ納得しきれずに社会人になってしまった人には最適の本だと思う。私の今後の人生に使うかどうかは別の話だけれど(教養書なんてそんなものだ)。

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2010年11月6日土曜日

『ビギンの島唄 オモトタケオ3』BEGIN

 2010年。「オモトタケオ」は漢字で書くと「於茂登岳男」。石垣島の真ん中にある山は於茂登岳。で、石垣出身のビギンが島唄を歌うとき、現れてくる心の住人が「オモトタケオ」。
 このアルバムは、なんだかとっても昭和4、50年代の香りがする。沖縄返還の頃。私は島唄の定義がわからないけれど、何となく琉球歌謡のことなのかなと感じる。歌詞はちょっと聴くとふざけているようにも聞こえるけれど、聴き込んでみると意外に奥が深く、哀愁が漂っている。
 個人的には、沖縄っぽさ満開の1「祝い古酒(クース)」、沖縄の行事ハーリーを歌った、元気がみなぎる8「爬竜船(はりゅうせん)」などが気に入っているが、3と9「パーマ屋ゆんた」も良い。デビュー曲「恋しくて」を思い起こさせる美しいメロディが印象的な7「金網移民」は、沖縄の基地問題を扱っており、その内容の重さにぐっときてしまう。
 私は過去のオモトタケオシリーズの楽譜(三線用)を持っているが、このアルバムには歌いたくなるような曲は少ない。私にとっては聴く専門のアルバムになりそうだ(まあ、私の購入する音楽CDの99%以上は聴く専門だから改めて言うほどのことはないのであるが)。

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2010年11月1日月曜日

"You cannot teach...." Galileo Galilei

You cannot teach a man anything; you can only help him to find it within himself.

人が他人に教えてあげられることは何もない。ただ本人が自分で「気付く」ことを助けることができるだけだ。ガリレオ・ガリレイ。

『ラ・カンデリージャ』可否茶館

 La Candelilla。「新豆らしいジューシーな甘味。華やかなアロマとフレーバー。」

 ラ・カンデリージャはコスタリカの豆である。『深煎りラ・カンデリージャ』(記事)というのを1ヶ月ほど前に飲んだ。記事の中で私は、「もう少し焙煎が浅い方がおいしいような気がする」と書いた。今回それを試してみたというわけだ。
 やはり、というべきか。この豆はおいしい。コスタリカの良さがよくでている焙煎だと思う。フルーティーな舌当たりで、口の中に残る余韻がたまらなく良い。「可否茶館:1番人気」と袋に書いてあったが、わかる気がする。コスタリカはこうでなくっちゃ、という感じ。

可否茶館HP

2010年10月30日土曜日

『The World Books & Cafe』

 『MINGUS COFFEE』(記事)の入っているビルに新しいカフェができたので、ランチに行ってみた。店内は思ったよりも広く、ゆったりした雰囲気である。木の風合いを大事にしており、垢抜けたアジアンテイストといった趣がある。この店は旅をテーマにしたカフェであり、世界中から集められた本も売っている(残念なことにこれらの本を読みながらコーヒーを飲むことはできないのだが)。なんだか素敵な空間である。
 ランチメニューは、量は少ないながらもおいしくいただけた。食後のコーヒーも悪くない。ただ、普通にコーヒーだけを頼んでも同じものが出てくるのだろうか。今日飲んだコーヒーは食事には合うけれど、それだけ飲むのだったら物足りないかも。
 ドリンクメニューが充実している。アルコール飲料もソフトドリンクもかなりの種類を用意している。デザートも結構ある。
 そう遠くない日にまた来るかもしれない。

The World Books & Cafe』札幌市中央区南1条西1丁目2大沢ビル5F(地図

2010年10月28日木曜日

『温州みかん』LUPICIA

 Mandarin Orange。ウンシュウミカン。「甘く優しく懐かしい、温州みかんの香りの緑茶です。」

 このお茶自体そんなにまずいわけではないけれど、これ何の香りのお茶だと思う?、と問われても私は当てることができない。温州みかんだよ、と教えてもらったとしても、「?」が頭の中で浮遊したままだろう。そんな微妙なフレーバードティーである。ただ、おそらく柑橘系の香りと緑茶は相性がいいのだと思う。きっとそんなわけで、このお茶も破綻に至らないで済んでいるのだ。
 (最初にも書いたが、)まずいわけではないのだが、わざわざ買うほどのお茶でもない。

LUPICIA

2010年10月24日日曜日

『風風風(fufufu)』fulare_pad

 2010年。フラリーパッド。ウクレレ前田大輔、ギター清水英之のデュオ。
 気持ちのいい風が通り抜けていく素敵なアルバム。どの曲も良い。さわやかでノリのいい曲を清水が作って、しっとりとしたバラード系は前田が作曲していることが多い。
 さわやか系では、1「風のシャンプー」、2「BELIEVIN'」、3「Aquarela Do Brazil~Samba estilo Kyoto」、7「オレンジの自転車」、11「Morning Sunshine」。バラード系では、日本風の4「ヒカルノイチ」、8「BLUE MOON」(これは清水)、12「いちばんぼし」。他に、ちょっとファンキーがかった6「LET'S DO IT!」、渋い大人の雰囲気を醸し出している9「マティーニの誘惑」なんかは本当に曲作りがうまいな、と感じる。
 純粋なカバー曲も3曲入っているけれど(ゴダイゴの5「Beautiful Name」、槇原敬之の10「遠く遠く」、スピッツの13「渚」)、上に挙げたオリジナルの方がフラリーパッドの持ち味がよく出ていて断然良い。
 アルバム全体のバランスも良く、本当にお薦め。

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2010年10月23日土曜日

『だまし絵練習帖』竹内 龍人

 誠文堂新光社。副題「脳の仕組みを活かせば描ける 基本の錯視図形からリバースペクティブまで」。
 この本は「錯視」という観点からの「だまし絵」を描く方法と、その現象が起こるときに脳がどのように働いているのかを説明した本である。注意した方がいいのは、M.C.エッシャーや安野光雅らの描く「ふしぎな絵」について説明した本ではないということだ。実際には両者は重なる部分もあって厳密には区別できないのだが、エッシャーのような絵を描きたいと思っている人は違う本に当たった方がいい。
 とはいえ、この本はおもしろい。何もないところに模様や色が浮かび上がってきたり、まっすぐのはずの線が曲がって見えたり、静止しているはずの絵が動き出したりする。もちろんそれらの絵の多くは実際に手元の紙と鉛筆で再現することができる。説明もわかりやすい。
 世にも美しく不思議な「フレイザー錯視」と、恐怖すら覚える「リバースペクティブ」は是非とも実際に見てみて欲しい。著者の運営している「イリュージョンフォーラム」で多くの錯視を体験することができるので、こちらもお薦め。

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2010年10月21日木曜日

『ケニア・キブリCOOP』徳光珈琲

 注文をする1分くらい前まで、私は違う豆を買うつもりだった。ところが隣にいた見知らぬ老婦人と店員と私との掛け合いの中で、話の流れが私の意図しない方向に行ってしまった。そして気の弱い私はケニアのフレンチローストを買うことになってしまった。たまにこういうことがあるのはしょうがないが、最近これに近いことがよく起こるので自己嫌悪に陥っている。
 さて、そんな経緯があった曰く付きの珈琲豆だが、意外においしく感じられてよかった。ちょっと苦味が強めだが、ミントのようなすっきりとした飲み口も持ち合わせていて、なかなかである。実は1年ちょっと前に徳光珈琲の石狩店からケニアを購入している(記事)。そのときの豆がどこの農園のものかは不明であるが、同じような感想を書いているので、同じ農園の豆のような気がする。そういえば当時は石狩の本店しかなかった。今では円山店の他に大通店まで出ている。何かすごい。今回だけ特別に3店舗の住所を載せてみよう。

徳光珈琲
『徳光珈琲石狩店』北海道石狩市花川南2-3-185(地図
『徳光珈琲円山店』札幌市中央区大通西25丁目1-2 ハートランド円山ビル1F(地図
『徳光珈琲大通店』札幌市中央区大通西3丁目大通ビッセ2F(地下鉄大通駅直結、北洋大通りセンタービル)(地図

2010年10月20日水曜日

『Danish Blue Cheese』CASTELLO

 ダニッシュブルー。デンマーク産のブルーチーズ。ダナブルーと呼ばれたりもする。白いチーズに青カビがぽつらぽつらと紋のように入り込んでいる。まるで大理石のようだ。キャステロからは大きいブロックのままのものやシート状になったものも売っているが、写真は18グラムサイズの小さなブロックになったものだ。
 青カビの味がちっともしない、と怒っているブログがあったが、そんなことはない。結構ピリッとしたきつい味がする。私が1回に食べるのはこのブロックの3分の1から2分の1程度。それで十分。ロックフォールやゴルゴンゾーラをそのまま食べるよりは食べやすいかな。でもクセになる味です。美味。

2010年10月17日日曜日

『これからの「正義」の話をしよう』マイケル・サンデル

 Michael J. Sandel。鬼澤忍 訳。早川書房。副題「いまを生き延びるための哲学」。
 私は「正義」という言葉が苦手だ。世の中に色んな正義がはびこっているから。私の正義とあの人の言う正義は違う。正義はひとつとは限らない。だから、ひとつの正義を押しつけられるのが怖くて、NHK教育テレビで放映していた「ハーバード白熱教室」も見なかった(これは著者が実際に行っている講義を録画したものだ)。
 しかしこの本は想像していたのとは異なり、「正義とは何か」という考えの多様性を認めた上で、それぞれの考え方をきちんと説明していたので、好感が持てた。もちろんその多様な意見を説明したあとで、彼のコミュニタリアンとしての主張も述べられている。それは私の考える正義とは少し違う。でも本全体としてはバランスが取れていると思った。
 正義に関する考え方で重要になる観点が三つあるという。幸福の最大化、自由の尊重、美徳の促進である。この本ではこの三つの考え方を軸にして、正義に関する様々な考え方を見ていく(この他に重要なキーワードとしては、道徳も挙げられる)。取り上げられる哲学者は、ジェレミー・ベンサム、イマヌエル・カント、ジョン・ロールズ、アリストテレス他多数。そして事例は数限りない。5人の人間を助けるためならば1人の人間を殺しても良いか。マイケル・ジョーダンがあれだけの富を得ることは正義か。妊娠中絶は許されることか。「アメリカ製品を買おう(バイ・アメリカン)」は公平か。などなど。そしてそれらを素材にして、いろいろな角度から正義を論じる。読む方としては、どの主張ももっともな気がしてくる。著者はそうやって読者に揺さぶりを掛けてくる。
 個人的にはロールズの哲学に強く惹かれるものを感じたが、著者は彼に対しても批判的だ。著者が正義についてどのように考えているかについては、本書に譲る。
 正義を色々な立場から眺めることができるという点で、良書だと思う。文体も論理的で読みやすい。訳もこなれている。正義が好きな人も嫌いな人も一読の価値はあると思う。読んだあと、著者の主張を受け入れるかどうかは読者次第である。

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2010年10月16日土曜日

「現代木彫の潮流」北海道立近代美術館

 「創造と回帰 現代木彫の潮流」。2010年9月11日~10月17日。抽象、象徴的な作品から具象作品まで、1960年代から現在に至る25人の作家による50体の木彫作品を展示している。
 私は船越桂(ふなこしかつら)の彫刻を観たくて会場に行った。ちなみにパンフレット表紙は、彼の「点の中の距離」という作品である。ヒトをモデルにしながらも、どこか地球人らしからぬ独特の雰囲気を漂わせている彼の作品に強く惹かれる。その独特の雰囲気は表情のせいなのか、それともこの女性のように首が長すぎるとかの身体的特徴のせいなのかはよくわからない。そういえば彩色された木彫を、それとして初めて認識したのは彼の作品からだった。この展覧会に出品されている現代作家の多くは木彫に彩色を施しているが、彼の影響も大きいのだろうか。
 抽象的な作品で私が大きく感銘を受けたのは、岩下碩通(いわしたひろみち)の「蝉時雨」である。大きな正方形の板に彫刻刀で細かな刻みを入れ黒く着色したものを縦横2枚ずつに並べた(つまり4枚の正方形で、さらに大きな正方形を作っている)だけの作品であるが、彫り跡の有機的な揺れがうねりを感じさせ、実際に蝉時雨のただ中に佇んでいるような気にさせられる。他に、巨大な果物を思わせる大平實(おおひらみのる)の「Casa」、「起源」の存在感にも圧倒された。
 具象では、櫻井康弘(さくらいやすひろ)と土屋仁応(つちやよしまさ)が気になった。女性の頭部と長い髪だけから成る櫻井の「Untitled」はその生々しさにドキリとさせられる。対して土屋は、人魚や動物をモチーフにした幻想的で霊性すら感じさせる作風が特徴的である。その柔らかで滑らかな質感はまるで生きているようで、自分が絵本の中に入り込んでしまったかのような錯覚に襲われる。
 会期ぎりぎりで危なく行きそびれてしまうところだったが、興味深い作品の数々に出会えて良かった。

北海道立近代美術館HP

『ラムレーズン』LUPICIA

 RUM RAISIN。「甘く個性的なラムの香りと、ギュッと詰まった干しぶどうの甘みをバランスよくまとめた紅茶です。ストレートでも、甘めのミルクティーにしても美味。」

 バニラとラムとレーズンの味と香りが程よく混ざって、大人の雰囲気を漂わせている。甘ったるすぎず、抑制の利いた感じがなかなかいい。口の中に、ラムの余韻がずっと残る。
 高校出たてで独り暮らしを始めた頃、なけなしの金をはたいて高級アイスクリームを買ったことがある。あまりに興奮していたせいであろうか。こともあろうに購入したアイスクリームはバニラではなく、ラムレーズンだった。当時私はラムレーズンが嫌いで、自分のミスを恨んで涙しながらそのアイスを食べた記憶がある。その後数年間そのブランドのアイスを買うことはなかった。時がその傷も癒してくれるまで。

LUPICIA

2010年10月11日月曜日

『巨匠に学ぶ配色の基本』

 視覚デザイン研究所。副題「名画はなぜ名画なのか?」。
 見開き2ページで、左側に巨匠の作品、右側にそれを加工した作品を並べ、それを比較することによって配色の説明をしている。取り上げられている巨匠の作品は、フェルメール、ラファエロ、モネ、ゴッホ、モンドリアンなど、時代や背景も様々である。葛飾北斎まである。加工の仕方は見事で、嘘っぽさが全然ない。ただ、本物に比べてイケていない(あるいは画家の意図に沿っていない)だけである。それだけに色彩および配色の効果がはっきりと表れている。色相(赤、青、緑など)それ自体のイメージ、色相の組み合わせ方、トーン(明度)の組み立て方によって、いかに絵の印象が変わるかが一目でわかる。ひとつの絵の中で主役をどうやって引き立てるかについても、ページを割いて説明している。配色に関する類書にあるような小難しい記号や理論などにはほとんど触れられておらず、直感に直接訴えてくる。
 私は自分の描く絵の色面構成などについて非常に苦手意識を持っているので、本書は愛読書になる予感。

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2010年10月10日日曜日

『PURE』トモ藤田

 2010年。自身3枚目のアルバム。バークリー音楽大学で教鞭を執っているギタリストだ。エレキギターを弾く。私は彼の著書を所有していて(まだ読み切っていないが)、それはそれはわかりやすくて、しかも役に立つ。演奏例も良い。そしてリットーミュージックのサイトで行っていた連載(トモ藤田の"ギター耳"養成講座)も思わず引き込まれてしまう内容である。
 なのになぜアルバムになるとこんな風になってしまうんだろう。確かに彼が本や講義で話している内容通りの演奏なのかもしれない。でも何か古臭い。古いのが悪いと行っているわけではない。私は戦前ブルースなども好んでよく聴くし、60~70年代のロックやポップスも好きだ。だから、たぶん古臭いというのは適切な言葉ではないのだろう。ベタな感じがする、とでも言った方がいいのかもしれない。うーん、比較的好きだった曲は、5「Tiny Tapper」くらいか。指導者としては抜群だと思うんだけどな。
 ちなみに国内ではインプレスダイレクトのサイトからしか買えない。このサイトでは藤田のことを「世界で高い評価を受けているギタリストのひとり」と紹介してるので、単に音楽の好みが私向きでないだけなのかもしれないけど。

2010年10月9日土曜日

『SALU SALLUZA』

 SALU SALLUZA Café Terraza。サル・サルーサ・カフェ・テラーサ。札幌市中心部から創成川通りをずっと北上して、真っ黄色の校舎が目立つ札幌創成高校を過ぎてすぐのところに建っている。写真にあるように2階席の一部がテラス席になっていて、垢抜けた外観だ。カフェごはんメニューの他、パフェ、クレープ、ケーキなどが売りである。店内に広い空間は少ないものの、ゆったりとした席の配置になっており、雰囲気もお洒落感が漂っている。客の方もゆったりと長居する傾向にあるような気がする。そのせいなのか人気のせいなのか、何度かお邪魔したうちで待たないで入れたことは少ない。割と良い店だと思う。ただ、コーヒーは薄い(おいしいけれど)。 

SALU SALLUZA』札幌市北区北31条西2丁目1-5 HAKUYO SQUARE(地図

2010年10月3日日曜日

『深煎りラ・カンデリージャ』可否茶館

 「春に摘まれたフレッシュな新豆を直火で深煎りに仕上げました・・・。深い苦味の中に甘みを感じる味わい・・・。ミルクをたっぷり加えてカフェオレにも最適です。」

 ラ・カンデリージャはコスタリカの豆である。深煎りではなかったら、酸味が特徴的な豆のような気がする。でも今は苦味系を飲みたい気分だったので、深煎りにした。
 おいしいと思う。まあ満足。ただ、豆本来の特徴的な味(別の言い方をするとこの豆を活かすベストの焙煎の時の味)と、深煎りにしたために発生した苦味とが、うまくマッチしていないように感じる。何か居心地が悪いというか。この豆はもう少し焙煎が浅い方がおいしいような気がするするのだ。幸い可否茶館には焙煎度合いの違うラ・カンデリージャを置いているので、そのうち飲んでみよう。

可否茶館HP

Tom's Caféにて20101002

 札幌駅近辺にある喫茶店としては、私の良く行く店ベスト3に入る。この店は以前紹介した(記事)。
 お客さんが少なかったので、さっとスケッチ。今回は色なし。ちょっと寂しいかな。
 カウンターの向こうの店員のいる場所は数十センチ下がっているので、頭の位置も一段ずれている。
 中央の読書している男性、目の前にある瓶をラッパ飲みしていたのだが、一体何の飲み物だったのだろう。コップは使わないものなのだろうか。気になる。

『Tom's Café』札幌市北区北6条西2丁目パセオB1(地図

2010年10月2日土曜日

『I Love Ukulele』Jake Shimabukuro

 2010年。
 さあ、これから新しい時代の幕開けだ、とでも言いたげな1「143(Kelly's Song」から始まるこのアルバムではあるが、「円熟の」という形容詞がぴったり当てはまる、全体的には落ち着いた構成である。
 バンドスタイルでジェイク満開といった感じの3「Bring Your Adz」、10「Ukulele Bros.」を除けば、そんなに激しい曲はない。ノリの良いさわやかな感じで、13「Midori」、15「Taiyo」などがある程度だ。ちなみに「Taiyo」ではジェイクの切れのいいギターが聞ける。アルバム『YEAH.』からのセルフカバーである、6「Trapped 2010」、7「Variation on a Dance 2010」、8「Five Dollars Unleaded 2010」の3曲は、相変わらず渋めのいい味を出している(そういえば私のブログには『YEAH.』の記事がない。どうも書き忘れたらしい)。バラードも多い。5「Go For Broke」、14「Hallelujah」などは、シンプルな編成ながら良い。他に、沖縄音階から始まるしみじみとした感じの11「Shima」、ウクレレだけのハワイアン、16「Ulili E」など。クイーン(Queen)のカバー、2「Bohemian Rhapsody」もある。ただ、これはウクレレソロで頑張ってはいるものの、原曲にある壮大さは失われてしまって、好悪の分かれるところかもしれない。
 派手さはないが、バランスがいいアルバムだ。

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2010年9月29日水曜日

『簿記の考え方・学び方』中村 忠

 税務経理協会。
 まえがきには、この本が初心者向けであることが書いてはある。しかしながらこの本は、今まで全く簿記の勉強をしたことがなく、これから簿記を学ぼうとしている人に向けた本でもない。そういった人には本書の内容は理解できないように思う(頭の良い人は違うのかもしれないが)。少なくとも私は数ページ読んでさっぱり訳がわからなかったので、『超スピード合格!日商簿記テキスト&問題集3級』(成美堂出版)を一通り勉強してから読み始めた。そこまでしてこの本を読む意義があるのがどうかと言えば、「ない」と私は思う。なのにそれをしてしまった私が自分でもよくわからない。単なるバカなのかもしれない。
 閑話休題。本書を読んでおもしろいと感じる人は、日商簿記3級に受かるか受からないかの瀬戸際にいる人以上であって、2級に受かったばかりの人以下なんだと思う。仕訳、借方、貸方、総勘定元帳の読み方すらわからない人は手にとってはいけない。
 本書は、基本的には簿記学習にまつわるエッセイ集である。現代簿記の問題点であったり、海外の簿記教育との比較であったり、簿記の歴史など、様々な話題についての著者の考え方などが述べられている。ざっくばらんに、しかし緻密に。著者の簿記に対する立ち位置は非常にはっきりしているので、読んでいて小気味好い。内容も興味深いものが取り上げられており、文章も論理的ですっきりしている。
 簿記を勉強している途中で、気晴らしに読むような本である。学習者であればおもしろいであろう。

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2010年9月26日日曜日

『ライチ烏龍』LUPICIA

 「中国福建省の烏龍茶を、楊貴妃が愛したという南方の果物、ライチで香りづけしました。独特の甘い香りが、茶葉の甘みを引き立てます。」

 ルピシアで作っているお茶で、ライチを使った烏龍茶としては、『Exotic Orchard』(記事)がある。そっちにはプーアールがブレンドしてあるが、この『ライチ烏龍』は烏龍茶だけのフレイバードティーだ。そのせいか、『Exotic Orchard』よりもあっさりとしていて、すっきりした味になっている。説明書きにあるとおりのちょうどいい感じの甘みが特徴的で、飲みやすくて結構おいしい。私は好きである。『Exotic Orchard』には敵わないが。

LUPICIA

2010年9月25日土曜日

『Santa Barbara』丸美珈琲店

 サンタ・バーバラ。豆は小さくて、中深煎りくらいで焙煎してある。産地はブラジルのコーヒー農園である。なのにこの豆の特徴は深みのある酸味なのだ。苦味のないグァテマラといった感じ。中煎り以上で焙煎してあるブラジルで、こんなに酸っぱいコーヒーは記憶がない。私の最近の嗜好は苦味系なので、ちょっと残念ではあるが、おいしいコーヒーだとは思う。
 私はまだ数回しかこの店を利用していないが、ここで買う豆は、想像と違う味であることが多いような気がする。たまたまなのか、それとも焙煎主がわざと意外な味作りをしているのかはわからない。おいしければそれはそれでいいし、新たな出会いにもつながるから別にいいのではあるが、こういう味のコーヒーが飲みたいという希望があるときには、素直に店員に相談するのがいいのかもしれない。

丸美珈琲店』札幌市中央区南1条西1丁目2番地松崎ビル1F(地図

2010年9月23日木曜日

『いちごバニラ』LUPICIA

 Strawberry & Vanilla「いちごとバニラの香りの、ミルクによく合う抹茶入りの緑茶。」

 そのままだと、いちごの香りが強く出ていて、ちょっとだけバニラっぽい雰囲気もある。味は安っぽい抹茶である。「ミルクによく合う」というので、ミルクを入れて飲んでもみたが、水で薄めた抹茶ミルクという感じで、あまりおいしくはない。基本が緑茶で、抹茶は少ししか入っていないので薄く感じるのは当たり前なのかもしれない。いずれにせよ、ちょっと残念なお茶。

LUPICIA

2010年9月20日月曜日

『マックスウェルの悪魔』都筑卓司

 講談社ブルーバックス。副題「確率から物理学へ」。
 空気には色んな気体分子が混ざっているし、同じ温度の空気を考えたときでもそれらの分子の速度は速いのも遅いのも色々とある。平均的に速い分子の多い空気は高温になるし、遅い分子の多い空気は温度が低くなる。
 今、ある温度の空気をひとつの容器に入れて、真ん中を仕切りで区切ることにする。その仕切りには分子1個だけを通す穴が空いており、その穴ひとつひとつに悪魔が憑いている。右から速い分子が来たら穴を開けたままにしておき左に通し、遅い分子が来たら穴を塞ぐ。逆に左から速い分子が来たら穴を塞ぎ、遅い分子が来たら穴を通す。そのまま時間が経つと、左の区画には、右よりも相対的に速い分子が多くなり、左の区画の温度が右よりも高くなる。系全体としてエントロピーを下げてしまった!そんないたずらをする悪魔のことを「マックスウェルの悪魔」と呼ぶ。(ふつう、エントロピーは放っておけば上昇する一方なのだ)
 このマックスウェルの悪魔がいれば、新たにエネルギーをつぎ込まなくても仕事をしてくれるので、永久機関ができてしまう。そのマックスウェルの悪魔をめぐる様々な物語あるいは話題を提供してくれるのが、本書である。
 今は懐かしい平和鳥が、なぜいつまでも水を飲んでは休み、水を飲んでは休み、ということを繰り返し続けるのか。お茶はなぜ冷めるのか。超低温はどうやって作るのか。空気はなぜ積もらないか。そんな興味深い話を、エントロピー、自由エネルギーといった熱力学や統計力学の話と絡めて、わかりやすく説明してくれる。
 エントロピーを熱力学の視点からの定義だけでなく、情報科学の視点から定義しているのは目から鱗だった。また、学生時代あれほど理解に苦しんだ自由エネルギーというものを、エネルギーとエントロピーの兼ね合いから説明している件は、本当にわかりやすい。私は昔から熱力学という分野が大の苦手であったが、そんな私にも理解できるように丁寧に書いてある(明日になったら忘れてしまいそうで不安なのであるが、少なくとも読んでいる最中はわかった気になれる)。ひとつだけわがままなお願いをすれば、もう少し数式やグラフなども取り混ぜて説明してくれた方が、私としては嬉しかった。逆に言えば、これだけ数式等を使わずにエントロピーの概念をわかりやすく説明している本は、稀と言ってもいいのかもしれない。
 この本の最終章、話はとても怖ろしい方向に進んでいく。エントロピーの観点からすると、人類の終末はすぐそこかもしれない、というのだ。これは筆者だけの考えではない。「統計力学を専攻する人たちの多くは、そう考えている」と本書にはっきりと書いてある。その主張の論拠は本文に譲るが、他人事で済ませられない論点である。

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2010年9月19日日曜日

『宮越屋珈琲 西野店』

 札幌中心部から北1条宮の沢通りを小樽方面に向かってずっと進むと、琴似発寒川を横切る。その川沿いに建つ大野病院が目印にでもなろうか。そこを過ぎて少し行った右手側に、『宮越屋珈琲 西野店』の黒い建物が佇んでいる。店は2階建てだが、この絵は1階入り口近くの席からカウンターを見た光景(いい写真が撮れなかったので、私の絵で我慢してください)。そんなに広い造りではない。1階の席の多くは窓に面していて、明るい印象がある。ちょっと気分転換に近所の人がくつろぎに来ているような、そんな雰囲気が漂っていた。
 そうそう、コーヒーの話。宮越屋系列のコーヒーについてはこのブログでも何度か取り上げているので、今更、という気がしないでもないが。先日行った『ザ・カフェ』(記事)のマイルドが何となく酸っぱく感じたので、今日はフレンチブレンド。良い時間を過ごせました。

宮越屋珈琲 西野店』札幌市西区西野3条2丁目4-21(地図

2010年9月18日土曜日

シェーグレンの会会報 第19号

 2010年4月3日に行われた平成22年度シェーグレンの会総会の内容と、2009年秋にフランスのブレストで行われた第10回国際シェーグレン症候群シンポジウムの報告が掲載されている。会報そのものは、シェーグレンの会HPにもアップされているので、興味のある方はそちらもご覧いただきたい。
 今年からシェーグレンの会の事務局が金沢医科大学から日本大学板橋病院血液膠原病内科に移った。それに伴って、総会の実施場所が例年の金沢から東京に移った。私もこの総会には出席する予定だったのだが、突然の体調不良によりキャンセルせざるを得なかった。そういうわけでこの会報が出るのを心待ちにしていたところだった。以下、簡単に感想を述べたい。
 なお、このシェーグレンの会は今後NPO法人化する方向で話が進んでいる。

■ミニ講演1「シェーグレンと漢方薬」日本大学血液膠原病内科 野崎高正先生
 ここでは西洋医学と漢方医学の考え方の違いが重要になってくる。シェーグレン症候群というものは、人間の体は全員同じと考えて細胞レベルまで体を分解して考えられた病気であって、これは西洋医学の考え方によるものである。それに対して漢方医学では、体全体をひとつのまとまりとして考え、人間の体は全員違うものとして個別的に病気を捉える。したがって西洋医学の観点から定められたシェーグレン症候群という病気自体には漢方薬は効かない。しかしながらシェーグレンから来る色々な症状に漢方薬は効かないというわけではない。患者の体型や症状別にきちんと漢方薬を使い分ければ、症状の改善につながる。まったくもって当たり前の話だが、この二つの医学の違いを理解していない人は多いのだろうとも思う。

■ミニ講演2「シェーグレンと共に」久藤総合病院 菅井進先生
 菅井先生はいつもシェーグレン症候群を俯瞰した全体的な話題を提供してくれる。今回もその流れは変わらない。私にとって新しい知見は、シェーグレン症候群を「全身性IgG4関連疾患」として捉える新しい疾患概念の提示である。シェーグレン症候群は涙腺と唾液腺だけの疾患ではなく、自己免疫性膵炎や間質性肺炎など全身の様々な臓器に障害を起こすこと、IgG4という免疫蛋白が高値を示すこと、ステロイド治療が非常に良く効くことなどからこの疾患を捉え、日本を中心にして研究が進められているという。

■「だるさとシェーグレン症候群」日本大学血液膠原病内科 北村登先生
 だるさを医学的に表現すると全身倦怠感となる。だるさと疲労の関係、疲労の分類・メカニズム・回復法、シェーグレンとだるさの関連などについて講演したようである。でもこの会報を見る限り、シェーグレンでだるさを感じるのは他の病気(身体疾患および精神疾患)を抱えているからだ、という結論になってしまっているように感じる。実際の講演でどういう風に話が進められたのかは明らかではないが、何か腑に落ちない。私のこのだるさ、疲労は、直接にはシェーグレンのせいではないの?

シェーグレンの会HP

2010年9月16日木曜日

『Big Road Blues』Tommy Johnson

 1928~1929年。トミー・ジョンスン。
 ジャクスン・ブルースを確立した人と言われている。ジャクスンはミシシッピ州の州都である。30歳頃から晩年までここに住んでいた。このアルバムには彼の録音したすべての曲が入っている。
 これらの曲を聴くと心が落ち着く。たぶん彼の奏でるブルースのテンポが私にとってちょうど良いのだと思う。ゆったりとしていて余裕がある。野太い声ながら、時にファルセットも混じっての歌声がまたいい。古き良きアメリカ、という表現は言い古されている言葉だけれど、まさにそんな感じ(1929年は大恐慌の都市なんだから良くないぞ、とは突っ込まないで)。
 お薦めです。

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2010年9月12日日曜日

『文字の組み方』大熊 肇

 誠文堂新光社。副題「組版/見てわかる新常識」。
 「組版(くみはん)とは、印刷の一工程で、文字や図版などの要素を配置し、紙面を構成すること」(Wikipedia, 20100912)である。本書は、その組版についての解説書である。「タイトルや見出しについて」、「和文本文組み」、「欧文本文組み」、「和文に欧文が混ざった場合」、「その他の資料」に章分けされており、すっきりしている。1ページ見開きで、良い例、悪い例が並んで表示してあり、非常にわかりやすい。
 それにしても、著者の組版や文字に対するこだわりは並々ならぬものがあり、圧倒される。プロとはこういうものなんだ、という意気込みに、こちらはたじたじである。それは私が実際に組版をする立場にあるわけではなく、ただ組版に興味のある一個人であるからなんだと思う。もしも私がその立場にあるのだとすれば、本書に書かれているトホホな組み方はしたくないし、してはならないのだと思う。とはいえ、世の中にはこのようなトホホな組版があふれているらしく、本書はその啓発書にもなっている。ものすごく説得力のある本である。
 思うに、良い組み方をされた本なり雑誌なりを読むとストレスが少ない。そしてそのようなストレスにならない文字組みの裏にはこんなにすごいこだわりが含まれていたんだ、ということを目の当たりにして、頭がくらくらしてしまった。普段こんなことを意識しないで本を読んでいるから余計に。まあ、意識してしまうような本の組版は、失敗か、もしくはすごく意図的な組み方をしているかのどっちかなんだろうけど。

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2010年9月11日土曜日

『ケニア』Starbucks Coffee

 今日のアイスコーヒーはケニアだった。ケニアは酸っぱいイメージがあるので、あまり飲まない。過去に1、2度購入したことがあるくらいだ。特にアイスコーヒーとなると、家では苦味系しか飲まない。ここ数年、アイスコーヒーは『豆源』の『湘南ブレンド』と相場が決まっている。
 そんなケニアのアイスコーヒーを飲んでみた。思ったよりも酸味が嫌味でなく、そこそこおいしかった。驚いたのはその味の質である。ものすごく柑橘系をイメージさせる味だった。こんなにさわやかな味なんだ。悪い意味ではなく、コーヒーっぽくない。ケニアが好きな知人がこの豆を好きな理由のひとつがわかった気がした。

Starbucks Coffee

2010年9月9日木曜日

物思い

 いつも何か考えている。今聴いている音楽のこと、さっきまで読んでいた本のこと、昨日観た映画のこと、いつか見た空のこと、あの日の遠い想い出、1年後の自分のこと、地球の裏側で起こっていること、生きることと死ぬこと・・・。
 ぼーっとしている時間はもちろんある。でもそのときも何かしら考えている。当たり前のことだ。ただ他の人と違うことがあるとすれば、そんなぼーっとした時間を過ごしていることについて、意識的なところかもしれない。「考えている」という事実に対して意識的なところ。「考えている」自分を外から見ている自分がいる。自分を極力客観視しようとしているが、しかし主観的な観点から抜けることのできない自分がいること。そんな抜け出せない輪の中にいることに自覚的な私。ああ、また堂々巡りだ。いつもその繰り返し。

 でも、たぶんここにいる私はそんなに大したことは考えていない。せいぜい考えていることといえば、明日の晩ごはんのこと。

(絵について)
 初めてカドミウムレッドを背景に使ってみたけれど、結構使えるな、という印象。あと、昔書いていたサインに戻しました。S-aki(というサイン)はちょっと気恥ずかしい。

 私はこんな人になりたかった。今からでも遅くないかな。

2010年9月8日水曜日

『祁門紅茶 特級』LUPICIA

 チーモンホンチャ。「中国が世界に誇る祁門紅茶。ほのかに香る「火香」をお楽しみください。」

 日本では普通、キーマンとか、キームン、キーモンと呼ばれている。すごく手の込んだ製法で作られており、工夫(コンフー)紅茶の代表的なお茶である。時にスモーキーフレーバーと言われたりもするが、それは粗悪品のせいで名付けられた形容だという。今回楽しんでいるこのお茶は、蘭の香りを思わせるような優しく甘い香りが特徴的で、決してスモーキーではない。深みのある甘い味が舌を包む。実に良いお茶だ。
 お茶を淹れるときは、普通の紅茶を淹れるときよりも心持ち少ない茶葉で淹れた方がよいと思う。濃いと、くどくなる。
 リスンのお香を焚いて、ジャー・パンファンの二胡の響きに身を委ねながら祁門を味わうこの時間は、格別である。

今日の一枚『二胡 erhu』
LUPICIA

2010年9月7日火曜日

『コロンビア・ラス・デリーシャス』横井珈琲

 ちょっと酸味が強いので、苦手。香りまで酸味を感じる。よく缶コーヒーに使われているコロンビアってこの手のもののような気がする。もちろん缶コーヒーとは比べものにならないくらいおいしいわけだけど。前回横井珈琲から購入した『コロンビア・サン・イシードロ』(記事)の方がずっと好きだ。ちなみにイシードロの方は今でも売っている。

工房 横井珈琲』札幌市西区発寒9条11丁目2-11(地図

2010年9月5日日曜日

『宮越屋珈琲 THE CAFE'』

 藻岩山ロープウェイの電停からロープウェイに向かうと、大きく右に曲がる坂になっている。ちょうどその部分を斜め左に上がる道があり、そこを上っていくとロープウェイの入り口なのだが、その少し手前、坂になるちょっと前にこれまた左に向かう道があり、そこを入るとすぐのところにこのカフェがある。大きく右に曲がる坂は藻岩山麓通りのことだ。
 カフェのすぐ裏手は切り立った崖になっており、そこは深い緑に覆われている。店内は崖側に窓が広がっているのだが、そこから眺める景色はまるで鬱蒼とした森である。樹々に囲まれた薄暗い店内の風情がなかなかいい。そして、ちょうどその森と対峙するような形で、2階にはギターのコレクションが並んでいる。宮越屋珈琲のオーナーはちょっとしたギターコレクターなのだ。同じく2階にはグランドピアノもあり、時にコンサートも開かれる。来たる9月18日にはギターデュオの"あんみつ"によるライブがある。まあ、それはここでは関係ないことだけれど。
 宮越屋系列の珈琲は濃い。だから今日はマイルドにしたのだが、私にはちょっと酸味がきつかった。そして今回は久しぶりにケーキセットにしてみた。この店で出しているケーキはラ・ポム・ベール(La Pomme Verte)のもので、実においしい。

『宮越屋珈琲 THE CAFE』札幌市中央区南19条西16丁目6-8 (地図

『「砂糖は太る」の誤解』高田 明和

 講談社ブルーバックス。副題「科学で見る砂糖の素顔」。
 砂糖は太る。砂糖は糖尿病の原因だ。砂糖と摂りすぎるとキレやすくなる。そんな砂糖にまつわる数々の「誤解」を、科学的知見を駆使して解いている。例えば、カロリーの観点、満腹を感じるメカニズム、血糖値を高める仕組みなどから、砂糖悪者説を覆していく。その説明には説得力があって、なるほどと思わせる。
 さらに、砂糖(あるいはその分解物であるブドウ糖)とアルツハイマーとの関係、鬱との関係、疲労の仕組みなどから、ブドウ糖の摂取が身体にとってどれだけ大事なのかについても説明している。脳がエネルギー源としてブドウ糖しか使えないことは重要である。
 著者はこの本で砂糖を中心にした話を展開するが、本当に言いたいことは、「氾濫する食品情報を、冷静になってもう一度科学的に考え直してみる必要がある」ということである。だから本書ではコレステロールの話題も取り上げる。どんなものでも、摂りすぎはもちろんいけないが、だからと言ってまったく摂らないのもだめなんだよ、と著者は諭す。どうも我々は極端な健康情報に踊らされる傾向にあるらしいのだ。
 本書の主旨とはあまり関係ないが、脳の神経伝達物質であるセロトニンはトリプトファンから合成され、そのトリプトファンは必須アミノ酸だった、という事実に今頃気づいた私は、やっぱり鈍くさいのだろうか。

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2010年9月4日土曜日

『La Brique』Paysan Breton

 ブリック。フランス産のチーズである。見た目も味も白カビタイプにしか思えないが、店員はウォッシュだと言っていた。ネット上では白カビとしているところもあるし、ウォッシュとしているところもある。どちらが本当なのかはわからないが、何となくウォッシュな気がする(根拠はない)。
 トロリとしたクリーミーな食感で、味はカマンベールよりも濃い。私は大好きな味で、すごくおいしい。写真に撮る前にちょっと食べ過ぎてしまって、危なくチーズの画像なしの記事になるところだった。それくらい良い。

2010年9月3日金曜日

『Joyland』Andy McKee

 2010年。アンディ・マッキー。
 すごく期待して買ったCDだったので、初め聴いたときは正直残念な気がした。メロディがメッゾ・スタッカート気味に弾かれるせいもあったのかもしれない。
 でも実際はそんなに悪いアルバムではないです。遊園地に紛れ込んだかのような3拍子の楽しげな曲は、なるほど『Joyland』そのものであるし、美しいメロディの引き立つ『For Now』の落ち着いた感じもいい。Tears for Fearsからのカバー曲『Everybody Wants To Rule the World』もかっこいい仕上がりになっているし、珍しくピックを使っての『Never Grow Old』も勢いがあって悪くない。ただ、Michael Hedgesの『Layover』のカバーは、やはり原曲には敵わない、という感じではあったが。
 実はこのアルバムには75分間もの附属DVDがついていて、これがかなりお得だ。4曲の演奏シーンの他(このうちの『Hunter's Moon』には目を奪われる)、ドキュメンタリーや、2曲の演奏解説、全曲のチューニング説明など、ギター小僧には目が離せない。英語がさっぱりわからなくても、彼の音楽に対する愛情を感じ、それを語るときの楽しげな表情を見るだけでも価値がある。このDVDのポイントは高いです。

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2010年8月29日日曜日

『物語論で読む村上春樹と宮崎駿』大塚 英志

 角川oneテーマ21。副題「構造しかない日本」。
 村上春樹や宮崎駿らによるサブカルチャー文学ないしはジャパニメーションが世界化したのはどうしてなのか。それは「構造しかないからだ」と柄谷行人は言った。本書は、著者がこの言葉を噛み砕いて読者に説明したものと言ってよい(実際、本書でそう述べられている)。構造とは主に物語構造を指すが、漫画やアニメでは、作画、演出、動きの上でも構造化(あるいは構成化)されているという。本書の前半では、主として村上春樹の『羊をめぐる冒険』をテキストに、神話学者ジョセフ・キャンベルの「単一神話論」、映画『スター・ウォーズ』との比較を行う形で、村上文学がいかなる物語構造を持っているのかを解説していく。そして後半では宮崎アニメを読み解く形で論が張られている。
 多少著者の強引さを感じないわけではないが、村上や宮崎が、著者の言う物語構造に自覚的であったことを示す事実もあり、著者の指摘は大部分正しいのであろう。本書中には、村上がオウム真理教に対して感じた嫌悪感の背景、宮崎が息子の作品『ゲド戦記』に何を見たのか、についての考察なども含まれており、なかなか興味深いものがある。
 とはいえ、実際のところ私は著者が何を言わんとしているのかが理解できないのである。著者は「構造しかない」物語を批判的に捉えているように見えるが、それがどうしていけないのかについて、私にはよくわからない。さらに言えば、彼らの作品に構造が存在し、その存在故に世界化したということはなんとなくわかるのだが、なぜ「構造しかない」と断言できるのか、よくわからなかった。構造以外の部分って当然あるだろうに。結局、私には難しすぎたということなのか。

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2010年8月26日木曜日

『巨峰』LUPICIA

 キョホウ。「ぶどうの名品・巨峰の甘酸っぱく深い香りが煎茶によくなじんだ、上品な風味のお茶に仕上がりました。」

 一見まったく同じ名前のお茶がルピシアから出ている。それは以前取り上げた(記事)。でもそちらは紅茶で、今回は緑茶である。それに、紅茶版は「巨峰」と書いて「ブドウ」と読ませている。
 緑茶版の方がずっといい。まず香りがいい。甘ったるすぎず、強すぎず、実に上品である。そして緑茶との取り合わせもいい。緑茶に、こんなに葡萄の味が合うとは思いもよらなかった。お薦めです。

LUPICIA

『猫の美術館』グラスマグ

 前回の記事の絵は、グラスマグのデザインのための原画でした。色合いはやっぱり変わってしまうようです。でも、私としては、まあ満足のいくできあがりでした。
 これはとある展覧会に出すために描いたのですが、残念ながらベスト10には選ばれませんでした。もし選ばれていたらマグカップを5個もらえるので、狙ってはいたのですが・・・
 イラストレーターの武笠昇さんからのコメントは好意的だったので、それで良しとしましょう。

2010年8月23日月曜日

『猫の美術館』原画

 オランダのアムステルダムに、『KattenKabinet』という美術館がある。運河沿いにある小さな美術館だ。猫に関する様々なアイテムを揃えており、日本では『猫の美術館』と呼ばれている。その蒐集品は、世界中から集められたイラスト、彫刻、小物などから成っている。
 私にとって猫といえばスタンラン(Théophile-Alexandre Steinlen)。この美術館で彼の作品に直に触れ、「Steinlen: Of Cats and Men」という本まで手にすることができたのは、大きな幸せだった。
 この作品(と言っても原画だが)はそんな『猫の美術館』をイメージして描いたものだ。運河にたゆたうボートから美術館を眺めた光景だと思っていただけるとありがたい。私にしては珍しく、かなり本気を出して描いた。縦8cm、横19cmの細長く小さな画面。
 さて、この絵はいったい何のための原画なのでしょう。答えは数日後。

KattenKabinet』Herengracht 497
1017 BT Amsterdam(地図

2010年8月22日日曜日

『プルーストとイカ』メアリアン・ウルフ

 Maryanne Wolf。小松淳子 訳。インターシフト。副題「読書は脳をどのように変えるのか?」。
 普段何気なく読んでいる文字、文章、本・・・。今まで特に気にも留めてこなかったことだが、実は当たり前のことではない。ヒトには本を読むための遺伝子が備わっているわけではない。すなわち本を読むことは生得的にできるものではなく、生まれてからの環境、教育などによって初めてできることなのだ。そのとき脳は文字を読むことができるように、変化していく。そしてその裏では、その過程がうまくいかなかったディスレクシア(読字障害、失読症)と呼ばれる人々が存在する。ディスレクシアの人とそうでない人の文字を読むときの脳の使い方は異なる。ディスレクシアの人は右脳を多く使う。そのせいなのかどうかはわからないが、彼らの中には非常に独創的な人達も多く、過去に目を向けてみると、ダ・ヴィンチ、エジソン、アインシュタインなども、ディスレクシアだったと言われている。アメリカには15%程度のディスレクシアの人がいる。その人達はそれがために悪いレッテルを貼られたりしたりもするらしい。そうであってはならない、と著者は言う。彼らを救うためにできることは何か、ということについても、多くの研究事例を挙げて触れられている。このディスレクシアは本書の後半のテーマである。
 前半部分では、シュメール語やヒエログリフなどの誕生からアルファベットなどの文字につながる系譜を辿り、文字がどのようにしてできてきて、人々はどのようにしてそれらの文字を読むことができるようになったのかについて、考察している。この数千年に亘る読字の歴史は、ヒトが5~7歳の間に文字が読めるようになる過程とパラレルな関係にもなっている。
 ソクラテスは口承と対話を重視して、書字に対して批判的であった。これによって大事なものが失われると考えたせいである。その思いは杞憂に終わったかのようにも見えるが、著者は今の時代こそソクラテスの批判を思い起こす必要があるのでは、と問う。今は、パソコンの前に座り検索ワードを入力するだけで、膨大な知識が得られる世の中である。それによってある種の知的スキル-簡単に言えば考える力-が失われてしまうのではないか。著者の危惧もまた杞憂に終わるのかどうか、それは時代が進まなければわからない。
 最後に題名について。プルーストとイカは、それぞれ読書、神経科学のメタファーである。本書は、脳科学、心理学、教育学、言語学、文学、考古学といった様々な分野の読書(読字)に関する知識を集めた本である。読み甲斐がある。

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2010年8月20日金曜日

『ラ・ペドレラ農園』丸美珈琲店

 LA PEDRERA。ホンジュラス。柔らかい苦味の中に、少しの酸味がスパイスのように利いている。バランスはいいが、少し濁ったような味がする。個人的にはちょっと物足りない。濁るのであればもっとアクが強い方がよい。そうでないのなら、濁りを感じさせずにすっきりとしたキレを際だたせてあった方が好い。
 珈琲とは関係ないことだけど、そういえばガウディの作品に『ラ・ペドレラ(カサ・ミラ)』ってのがあったっけ。作品というか、設計した集合住宅というか。何か関係あるのかな。

丸美珈琲店』札幌市中央区南1条西1丁目2番地松崎ビル1F(地図

2010年8月18日水曜日

『Prodigal Son』Robert Wilkins

 プロディガル・サン~放蕩息子~。ロバート・ウィルキンス。1928~1935年。
 このアルバム内の曲は年代順に並んでいる。1928年頃に録音された曲を聴いて、あっ、ミシシッピ・ジョン・ハート(Mississippi John Hurt)に似ている、と思った。飄々とした歌い方や声が。ロバートはメンフィス・カントリー・ブルースを代表する人物だが、ミシシッピのブルースマンとも交流があったという。そんなわけで似た感じがするのかな、と思ったりもする。年代が進むとミシシッピ・ジョン・ハートとはまったく違った音楽になるし、初期の曲にしても彼ほどの軽妙な洒脱さといったものはないのだが。
 でも悪くない。自由な感じがいい。ギターは聴かせるタイプじゃなく、力強く歌を支えてる、って雰囲気。
 余談だが、ロバート・ウィルキンスはこのアルバム内の曲を録音した後ゴスペルに転向して、ブルースを歌わなくなったそうだ。その心境の変化の理由を知りたい。

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2010年8月16日月曜日

CLUB HARIE, Summer 2010

 『クラブハリエ』はバームクーヘンのお店。『たねや』のバームクーヘン部門なのかな。
 写真は2010年夏季限定「サマーバーム」の箱。大小の金魚があしらってあって可愛い。箱をひっくり返すと1匹だけ黒い金魚がいる。その遊び心がまたいい。

CLUB HARIE

2010年8月15日日曜日

『二世古マルセラン』

 ニセコマルセラン。ホームページでは「二世故」と書いてあるけれど、パッケージには「二世古」と書いてある。どっちが正しいのだろう。
 いわゆるサン・マルセランチーズ(St.Marcelin)で、加熱も圧搾もしないフレッシュチーズである。でもウォッシュや山羊を思わせるようなクセがある。少し酸味があって、このクリーミーさとコクはどうしてもフレッシュチーズのような感じがしない。今でこそ慣れたので普通に食べられるが、初めはぎょっとした。もっと熟成が進むと、トロトロになってくるらしい。おいしい、という人もいるが、私は苦手だ。


ニセコチーズ工房HP

2010年8月13日金曜日

『2010北海道陶芸会展-帰-』丸井今井札幌

 丸井今井札幌一条館8階美術工芸ギャラリー。2010年8月11日~16日。

 会場の真ん中で作家さん達がたむろしていて怖かったので、さっと見ただけ。 
 「草の窯」の中村裕の作品が良かった。粉を吹いたような淡く柔らかな風合いの花入れは気品があった。
 他にも好きなものがあったのだが、作家の名前が覚えられなかった。さらに言えば、本当に居心地が悪かった。

北海道陶芸会HP
「草の窯」HP

『コロンビア・サン・イシードロ』横井珈琲

 やや浅めの中煎り。浅煎り気味のコロンビアは久しぶりだ。でもこれはすごくおいしい。苦味も酸味も柔らかで、フルーティな香りが口の中を潤す。香りは鼻で感じるもので、口で感じるのは味だろう、というなかれ。実際口の中に香りが拡がるのだ。甘く、南国のフルーツを思い起こさせる、この余韻は素晴らしい。

工房 横井珈琲』札幌市西区発寒9条11丁目2-11(地図

2010年8月11日水曜日

『札幌スタイル展2010』大丸藤井セントラル

 大丸藤井セントラル7階スカイホール。2010年8月10日~15日。

 札幌スタイルとは、「札幌の風土を暮らしの中に活かしながら、生活や気持ちをもっと豊かにする楽しさ、暖かさ、面白さ、新しさ、美しさを持った製品」(HPからの引用)を札幌市が認証することで、札幌ブランドを発信していこう、というものである(と思う)。少し堅苦しさというか変な真面目さがあるところが私は苦手なのだが、札幌スタイルに登録された製品自体はお洒落でスタイリッシュであるし、このブランディング戦略自体も方向性としては良いものだと思う。
 さて、今回はその認証商品を一堂に集めた展覧会だ。もちろん購入もできる。常設のショップはJRタワーイースト6F展望室エントランスにあるが、ここまで大きな規模のものではないので、この展覧会は行ってみるといい。石鹸やキャンドル(写真は「フロストフラワー」と名付けられたキャンドル)などの小物から、カバンや帽子、椅子などまで、様々な商品が登録されている。私はずっと札幌スタイルな商品がどんなものなのか知りたかったので、いい機会だった。今回は澪工房の木でできたシンプルなマグネットを購入。


札幌スタイルホームページ

大丸藤井セントラル』札幌市中央区南1条西3丁目2(地図

2010年8月10日火曜日

『Golden Slumbers』The Beatles

 実質的にビートルズ最後のアルバムと言われているアルバム『Abbey Road』のB面に収録されている(『Let It Be』が最後だけれど、録音はこっちの方が後)。このアルバムはビートルズのものとしては好きな1枚。『Golden Slumbers』は、ビートルズがそれまで世に出していなかった音源を、ポールが一人黙々とつなげて作ったと言われるメドレーの中の1曲である。その曲群がB面に収録されているのは、何か象徴的な感じが私にはする。そしてここ数日私の頭の中から離れない曲が『Golden Slumbers』なのだ。すごく短い曲で、あれっ、という間に違う曲に変わってしまう。曲がいつの間にか溶けていく。黄金のまどろみの中に。(眠くはならないです。実際は)

 ご想像のとおり、私の頭から離れないわけは、数日前に中村義洋監督の『ゴールデンスランバー(この英訳は"Golden Slumber")』を観たせいである。だから頭の中で鳴っているのは、斉藤和義バージョンだったり、劇団ひとりバージョンだったりもする。これを観たせいで、この曲は映画と不可分になってしまった。何か複雑なイメージを喚起する曲となってしまった。

以下、amazonで見てみる。
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