2009年12月30日水曜日

2009年を振り返って

 明日すなわち大晦日にはブログを更新する暇はないだろうから、今日簡単にこの1年を振り返ってみたい。徒然なるままに(ここが重要です)。

 1年前の大晦日、このブログは私の「メモ」として立ち上がった。最初のうちはその原則を忠実に守っていたように思う。少なくとも私は「メモ」を外れることがないように気をつけていた。それがいつしか言葉が勝手に走り始めるようになり・・・
 とはいえ私はかなり自制をしているつもりだ。「メモ」という原則から「そうは」大きく外れていないのではないか、と自分を慰めつつ勝手に思っている。
 しかし、もうそろそろ次のように定義し直した方がいいのかもしれない。

 「『S-AKI's blog』は音楽、本、嗜好飲料などを通じてS-AKIという人物像をあぶり出す機能である」

 うーん、わかりづらい。「心とは脳の機能である」とある人は言ったが、それのパロディではないか。でも実際これを狙ってはいるのかもしれない。私は人からはちょっと変わった人と見られていて、だけどそんな変わった人である自分を認めてもらいたい。だからこうして読書感想文などをネタにして自分をさらけ出している。でもさらけ出す場はリアルワールドとは切り離されていなければならない。なぜなら自分が変わった人であるということをブログの中には持ち込みたくないから。
 やっぱりわかりづらい。でもわかりづらいのはある意味当たり前なのだ。私はなるべくわかりづらくなるように婉曲的に書いているのだから(「自分」という言葉が一体何を指すのかに気をつけながら読むと、少しはわかりやすくなります。でもやっぱりわからないよね)。何故そんなことをするのか。自分でも自分のことがよくわかっていないのに、他人から簡単にわかられたくないからだと思う(ここで疑問が出てきます。「わかる」ってどういう意味なんでしょう)。でもこんなことを書くと、「こいつはめんどくさいやつだ」とレッテルを貼られるんだろうな(つまりわかったふりをされるということです)。堂々巡り・・・

 こんなに自由にブログにつぶやいたのは初めてかもしれない。でもまた明日から自制します。

 Twitterでもmixiでもなく、コメントが飛び交いトラックバックでつながっていくという濃密なブログでもない、そんな今の状態が気に入っています。来年はこのブログがどのように変化していくのでしょう。自分でも謎です。1年間お世話になりました。

『MUSCAT』LUPICIA

 マスカット。「マスカットのさわやかで豊潤な香りが深い印象を与える紅茶。アイスティーにもおすすめ。」

 飲みやすい。普通においしい。香りがマスカットで味は普通の紅茶、という感じ。『MUSCAT DARJEERING』はマスカット・フレイバーと称されるダージリンをどうしてマスカットで味付けするの?という意味で好きになれなかったけれど、この紅茶はおいしい。

LUPICIA

2009年12月29日火曜日

『Double Standards』Martin Taylor

 2008年。マーティン・テイラー。ジャズギタリスト。メロデイ、ベース、ハーモニーを同時に一人でこなすソロギタースタイルを取ることで有名。と言ってもこのブログに出てくるギタリストの多くはこのスタイルのギタリストではあるのだが。
 このアルバム中の曲はすべて、まずマーティンが一人で録音し、その後マーティン本人がオーバーダビングする、という風に作られている。つまり二人のマーティンが奏でる音楽というわけだ。そしてすべての曲がいわゆるスタンダード曲なので、『Double Standards』というタイトルになっている。
 どの曲も抜群の安定力で、本当に安心して聴ける。木々に囲まれたクールでシックな喫茶店で、木漏れ日の中ゆったりと紅茶を飲みながら過ごしていたい、そんな気にさせるアルバムだ。ずっと繰り返し聴いていても飽きない。BGMとしても最適である。ただ、逆に特徴を挙げづらいとも言える。あまりに安定している。個人的には2本のギターのどちらも同じギターで弾くのではなく、違うギターを使った方が音色が違っておもしろかったんじゃないかとは思う。
 気に入ったのは、2『Bluesette』、3『Young And Foolish』、7『Someone To Watch Over Me』、9『Estaté』あたり。特に『Someone To Watch Over Me』が好き。メロディがもともと好きなせいかな。
 余談ではあるが、アメリカの有名なギターブランドの名前を氏名にそれぞれ持つなんてすごいと思った。

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『CARAMÉLÉ』LUPICIA

 キャラメレ。「アーモンドが隠し味の、どこか懐かしく甘い香りの紅茶。ミルクでもストレートでも。」

 飲んでいるときは、微かな甘さが舌と鼻を潤す程度で主張は少ない。そしてしばらく経ってから口の中でアーモンドの香りが立ち上がってくる。鼻で感じる甘いにおいにちょっとクセはあるものの、まあまあいいんじゃないでしょうか。

LUPICIA

2009年12月28日月曜日

Sapporo White Illumination

 今日は私にとって、ある意味節目の日である。この日に大通公園でこうしてホワイトイルミネーションを見ることができる私は幸せ者なのだと思う。思えばこの時期この時間帯に大通公園を歩いていたことはかつてない。初めて間近に見るイルミネーション・・・
 札幌のホワイトイルミネーションは他都市のものにくらべると地味ではある。しかし雪の中で見るイルミネーションはこれくらいがちょうどいい。雪もまた景色の一部なのだから。

2009年12月27日日曜日

『jETSET.』

 ジェットセット。基本はカフェで、文房具や家具も売っている。エーロ・アールニオ(Eero Aarnio)のボールチェア(Ball chair)が店の看板になっており、実際ロゴのデザインの一部にもなっている。私はこの店以外で本物を見たことが無い。他にもイームズチェアとかカリモク60シリーズがあったりして楽しい。店の作りはカジュアルで肩が凝らない。ただし冬は寒い。
 ここは珈琲を飲みながらゆったりと語り合うところではない。軽食やデザートを楽しみつつ会話も楽しむ、そんなカフェだ。だからあくまで「カフェ」であり「喫茶店」ではない。
 食事はおいしい。ここのメニュー、エッグベネディクトを出しているカフェは他にほとんど見かけない。バゲットにスモークサーモン、ポーチドエッグを乗せて、特製のオランデーズソースをかけたその味は堪らない。これでアイスコーヒーの味さえ良ければ・・・(ホットはおいしい)

札幌市中央区大通西22丁目1-7(地図

2009年12月26日土曜日

『統計学でリスクと向き合う』宮川公男

 東洋経済新報社。副題「数字の読み方に自信はありますか?」。
 時に高校数学程度の数式が出てきてちょっと頭を使わなければいけないところもあるが、全体的には統計の基本をネタにした軽い読み物である。そう難しくはない。統計の知識が実生活のどういったところで役立てられているのかよくわかり、統計に興味を持たせる入門書(おはなし)として良くできた本だ。
 例えばこんな問題がある。A町からB町まで往きは平均時速80kmだったが、帰りの平均時速は20kmだった。全体の平均時速は何キロか。答えは時速50kmではない。このように、難しくはないが引っかかりやすい問題が取り上げられている。また、ダウ平均株価は平均という名が付いていながらこの価格を超える株価の会社がないのは何故かとか、満席のはずの座席指定車にいつも空席があるように感じるのは何故かなど、日常にひそむ疑問を統計学を使って答えてくれたりもする。
 この本の中で一番重要視されているのは、おそらく統計における2種類の誤りについてである。この誤りについて著者は何度も何度も繰り返し言及している。それは「正しいことを否認する」誤り(第1種の誤り)と、「誤ったことを承認する」誤り(第2種の誤り)の二つである。例えば物を捨てるか捨てないかを判断するときに、必要な物を捨ててしまうのが第1種の誤りで、必要のない物を取っておくのが第2種の誤りだという。この概念は統計において非常に重要らしい。しかしながら実際読んでいると、どっちが第1種でどっちが第2種なのかわかりづらくとても混乱する。そんなことは気にせずに、この区別があることだけを念頭に置いて読み進むのが良いのだろう。
 私がこの本の中で一番興味を持てたのは、著者が癌を宣告されてからそれを乗り越えるまでの過程である。病気を持つ者の苦しみの描写が真に迫っていておもしろい(おもしろいという表現はこの場合不適切だと思うが、他によい言葉が浮かばなかったので許して欲しい)。手術を受けるかどうか判断するときに行った統計学的考察、医者とのやりとりなど、どれも興味深い。この話題があっただけでも、この本を読む価値があった。

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『津軽』LUPICIA

 「果汁たっぷりの青森名産・サン津軽を、豊潤なアップルティーにしました。甘さを抑えたさわやかな味とすがすがしい香りが特徴です。」

 抑制の利いたリンゴの香りが紅茶と良く合っている。ここまで控えめなフレイバードティーはルピシアにしては珍しい。アップルティーはフレイバードティーの王道なだけに冒険はできなかったということか(勘ぐり過ぎかも)。
 机の上に置いたカップから漂う仄かな香りが鼻をくすぐる。良い。

LUPICIA

2009年12月24日木曜日

2009年12月23日水曜日

『CHAMPAGNE ROSÉ』LUPICIA

 シャンパーニュ ロゼ。「甘酸っぱいストロベリーとお祝いには欠かせないシャンパンの香り。ピンクとシルバーのアラザンがまるでグラスの中の泡のようにキュートな紅茶です。」

 しっかりとした紅茶の味に微かな苺の香りが心地よい。心なしかシャンパンのようなシュワッとした感じがするのが不思議である。結構好き。
 でもアラザンてどうなんだろう。お湯を入れる前の状態はキラキラしていて確かにかわいいけれど、ポットの中に入ってしまえばもう見えないし。もしかするとこのアラザンによって紅茶にほのかな甘みが付き・・・。それはないか。

LUPICIA

2009年12月22日火曜日

『PHUGURI』LUPICIA

 FTGFOP1 08-DJ21。ピュグリ。「ハーブを連想させる繊細な香りの春摘み紅茶。れんげの花蜜のような余韻の甘み。」

 インドはダージリンの紅茶。
 これは驚いた。菊を思わせるびっくりするほどの豊かな花の香りが鼻を刺激する。フレイバードティーでもないのにこんなにも香りの強い紅茶があるんだ、と思った。若草のような味にこの香りが絡まると初夏の風が吹いてくるような錯覚に陥る。虜(とりこ)になりそう。

LUPICIA

『Dreaming of Revenge』Kaki King

 2008年。カーキ・キング。大好きな女性ギタリストである。
 マイケル・ヘッジスとプレストン・リードから影響を受けたタッピング&ヒッティング系ギタリストとして知られている。小さな身体には不釣り合いなほど大きなオヴェーション・アダマス(Ovation Adamas、ギターのブランド)を抱えて指板の上下から豪快にギターをうならすその姿は、デビュー当時大きな話題を生んだ。曲もソロギターのものが多かった。
 このアルバムはそういった初期のアルバムとは一線を画している。いや、正確には徐々に今の姿に変化してきた、と言った方がいいだろう。滑らかなコードワーク、斬新な音選びはまだまだ健在であるが、初期の頃のようなテクニックを前面に出した曲はほとんど無い。歌モノ4曲を中心に構成された壮大な環境音楽といった趣である。決してうまいとは言えない歌なのに、昔のスザンヌ・ヴェガを彷彿とさせる木訥(ぼくとつ)とした語り口、まだ幼さの残るその声は十分に存在感がある。まだ成長期を脱していない少女を感じさせるその歌は不思議に魅力的だ。2『Life Being What It Is』、8『Saving Days In a Frozen Head』なんかがいい。ソロギターの曲ではタッピングが美しい9『Air and Kilometers』が印象的。とはいえ、このアルバムはアルバム全体から滲み出てくる雰囲気が何とも言えなく良いのであって、私にとっては個々の曲はどうでもいいというのが事実ではある。

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2009年12月20日日曜日

『CAROL』LUPICIA

 キャロル。「クリスマスケーキを思わせるストロベリーとバニラの香りに、ローズの花びらが華やかさを演出する紅茶です。やさしく甘い香りがミルクにぴったり。」

 封を開けたときの強い香りの印象とは異なり、ストレートで入れると驚くほどクセがない。普通のきちんとした紅茶にちょっとにおいがついた程度である。ところがミルクを入れると状況が一変する。甘いバニラとストロベリーの味が強く主張し始めるのである。ただその味は安いチョコレート菓子のそれを思い起こさせるのではあるが。

LUPICIA

評価基準

 タイトルが仰々しくなってしまったが、要はこのブログで言っている「良い」「悪い」(なるべく「悪い」という言葉は使わないように気をつけているが)の基準は何か、ということだ。それは全ての分野(音楽でも珈琲でも絵でも本でも何でもかんでも)に共通している。評価基準はひとつしかない。私が「好き」か、「嫌い」か、ただそれだけである。私にとって「良い」とは「好き」と同義である。すべては主観的な私の感覚に基づく感想に過ぎない。
 そもそも客観的ということがこの世に存在しうるのか、私には判断できない。人それぞれによって感想は色々あっていい。それはすべて主観である。それらの総体は客観と言えるか。否である。それらは単なる雑多な感想の塊に過ぎず、到底ひとつの客観というものには成り得ない。ではそれらの平均(あるいは中心点)ではどうだろうか。一般にはこの主観の総体の平均を客観と呼んでいると思われる。しかし私にはこれも客観と呼ぶには心許ない定義だという感じがする。
 今でこそ「良い」と言われているモネの絵が、19世紀の終わりにもそうだったか。日本の中で良いと思われている風習が他国の人にとってもそうと言えるのか。そう、客観を決めるときの範囲が決まらないのである。どの範囲からどれだけの量の主観を持ってくれば客観を決められるかの定義がはっきりしないのだ。
 また次のような疑問もある。例えば、すべての人に同じ珈琲を飲んでもらって、おいしいという人が6割だったとして、その珈琲は「客観的においしい」と言えるか。言える、というのが大方の意見であるとは思うが、私には釈然としない。珈琲の「(一般にいう)良さ」を決めているのは、実はごく一部の人だ、という思いが私にはあるからである。それは品評会の審査員であったり、バイヤーであったりするかもしれない。その珈琲が「おいしい」という評価がもしあるとすれば、それは6割の人がおいしいと言ったからではなく、ごく一部の人がおいしいと言ったからではないのか。私にはその判断ができない。
 科学的であることが客観性を決めている、という人がいるかもしれない。しかし科学的であるとは、あくまで科学という決まり事の枠内の客観であり、それを一歩出たときには客観的な証拠とは成り得ないのではないか、と私は思っている。この辺のことは理解を得られない気がするが、もし私の言うことの意味がさっぱりわからないというのであれば、それは科学主義にどっぷりと浸かっているせいかもしれない。実は私はこの短い記事の中でこのことをうまく説明する自信がない。だからしないのであるが、興味のある人は科学哲学という分野の本を読んでみて欲しい。

 話が思いっきりわけのわからない方向に進んでしまった。私は文章で何かを人に説明するのが苦手である。私の文を読んでわけがわからなくなったとしたら、その責任は読者ではなく私にある。その苦手克服のためにブログを始めた、という話もあるのであるが、それはまあいい。
 とにかく、このブログ記事はすべて私の主観にまみれており、私の好悪しか述べていない、ということである。繰り返し言うが、「良い」とは私が「好き」ということであって、客観的に「良い」という意味でないことだけ、気をつけて欲しい。(この記事は何だったのだろう。読み飛ばしてくださって結構です。ひとりごとですから)

2009年12月19日土曜日

『クリスマス・キャロル』ディケンズ

 池央耿訳。光文社古典新訳文庫。
 ある年のクリスマス・イヴの日、守銭奴で欲深い因業爺(いんごうじじい)であるスクルージは、かつての商売仲間である故マーリーの亡霊に出会う。マーリーの亡霊は言う。これからお前は3人の精霊に出会うことになる、と。マーリーの予言どおり、スクルージは3人の精霊と対面する。そして精霊たちはそれぞれ、過去、現在、未来の光景を彼に見せる。そのときスクルージは・・・

・・・愛すべきスクルージ。

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2009年12月18日金曜日

『円山ビター』徳光珈琲円山店

 柔らかい舌触りではあるが、えぐみが少しある。苦みは結構強い。フレンチローストだから当たり前といえば当たり前である。ビターという名前の珈琲が苦くなくては話にならぬ。とはいえ今の私は昔と違い苦みが苦手になったのかもしれない。前回飲んだ『円山オーガニック』の方がずっと美味しく感じる(実は今、家ではこれを飲んでいる)。次回以降、他のブレンドに手を出すかどうかは悩みどころである。

徳光珈琲のHP
『徳光珈琲円山店』札幌市中央区大通西25丁目1-2 ハートランド円山ビル1F(地図
(注意:地図がちょっと古いです。地下鉄東西線円山公園駅5番出口のすぐ隣です)

2009年12月16日水曜日

『EXOTICA』LUPICIA

 エキゾチカ。「ルイボスティーに紫蘇とミントをブレンド。さっぱりした風味のハーブティーです。」

 紫蘇の味や香りはほとんどしないので、ミントルイボスティーといった趣。ルイボスは無発酵の緑色のものを使っている。爽やかで飲みやすい。口に残るミント臭も適度でよい。積極的に好きとまでは行かないが、夜飲むとき用に置いておいてもいいかも(カフェインレスだから)。

LUPICIA

2009年12月15日火曜日

『JOYEUX NOËL』LUPICIA

 ジョワイユ・ノエル。「パリの冬の風物、香ばしい焼き栗をイメージした紅茶です。ロースト香漂うビターな風味の後に、まろやかな甘みが広がります。ミルクティーにも。」

 「メリークリスマス」という意味。ちょっと早いね。
 甘い焼き栗の香り。渋い焼き栗の味。この紅茶は強烈な香りがついているわけではないけど、結構おいしい。ちゃんとした紅茶の味がする。うん、これはいい。ルピシアのフレイバードティーも捨てたもんじゃない。香りに甘みが少なかったらもっといける。
(今日はちょっとフランクな気分♪)

LUPICIA

2009年12月13日日曜日

『Yours』Sara Gazarek

 2005年。サラ・ガザレク。
 よく街中でかかっていそうな女性ジャズヴォーカルの声。クリスマスソングなんかを歌わせたらぴったりとはまりそう。明るい曲も静かめの曲もそれに応じてうまく歌い上げていると思う。私はどちらかというと静かめの方が好き。例えば、2『Yours』、3『Amazing』、6『You Got By』、8『The Circle Game』のような。また、ピアノが声と絡み合っていい味を出している。
 でも正直な話、音楽性とか完成度とは全然関係なく、個人的に苦手な声。好きな人は結構多いと思うんだけど。

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2009年12月12日土曜日

『チョムスキー入門』町田健

 光文社新書。副題は「生成文法の謎を解く」。チョムスキーの生成文法理論について書いた本である。ノーム・チョムスキーは言語学者としての顔と政治批判活動家としての顔を持っているが、本書は純粋に言語学の本である(余談だが、もう一方の顔として書いた著作は結構おもしろい)。
 しかしこれは看板に偽りありといわざるを得ない。この本は『チョムスキー入門』ではなくて、『反チョムスキー教科書』あるいは『チョムスキーの生成文法批判』とすべき内容である。なるほど確かに生成文法の内容と変遷を丁寧に説明してはいる。初期の表層構造、深層構造からS構造、D構造に至り、それらが無くなりミニマリスト・プログラムに至までの道筋を順を追って解説している。専門用語の飛び交う複雑怪奇な生成文法理論を、初心者でもわかるように書いてはいる(その解説が間違っているという意見もあるようだが、私は生成文法初心者なのでその辺のことはよくわからない)。でもその間にいちいち茶々が入るのだ。こういった問題点がある、ここはおかしい・・・、と。まえがきにはチョムスキーの生成文法は「言語学のパラダイムに新しい変革を呼び起こす、まさに革命的な理論」と書いてあるのだが、本文を読んでも批判ばかりが先に立ってどこがどう革命的だったのかよくわからない。この本を読むと、チョムスキーの理論は勉強する価値がない、と思えてしまう。しかしこれほど有名な理論なのだから、そんなことはないと私は思う。『チョムスキー入門』と銘打つからには、チョムスキーの理論に沿った話の展開をすべきだと私は思う。その点で、この本は生成文法の入門書だとは言えない。
 そう言えば著者は『ソシュールのすべて』(研究社)という本も上梓しているが、その本の内容もソシュール以外の話が飛び交っていて、純粋にソシュールを学んだ気にはならなかった。こういう書き方は町田の癖なのかもしれない(悪い癖だ)。
 あとどうでもいいことだが、本書には「まとめ」も「あとがき」もない。議論が尻つぼみで終わっている。最後くらいきちんとまとめて欲しい。

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『ST. JAMES』LUPICIA

 BOP QUALITY 08-1。セントジェームズ・クオリティー。セイロン(スリランカ)のウバ紅茶。「フレッシュミントのように爽やかな香りが、ほのかな甘みと共に広がる旬のウバ紅茶。」
 ウバは世界の3大紅茶に数えられる。私は紅茶の中でもウバが一番美味しいと思っている(私の好みなだけです。最近ダージリンの良さもわかってきました)。特にロイヤルコペンハーゲンのものが好きである。
 ウバの良さは味の濃厚さだと勝手に思っているのだが、この紅茶はあっさりとしている。爽やかなのかもしれないが、正直言って物足りない。もうちょっと力強さがあったらいいのに。

LUPICIA

2009年12月10日木曜日

『紅子』LUPICIA

 ベニコ。「アセロラの甘酸っぱい香りをつけた紅茶に、ハイビスカスとローズヒップをブレンドしました。」

 アセロラの香りは強すぎもなく弱すぎもなくちょうど良い。飲むと酸味で舌がぴりっとする。後味はさっぱりとしていて、ミントを口にしたときのような感じ。でも、よくあることだがベースとなる紅茶の味がいただけない。この会社のフレイバードティーでも、もとの紅茶の味がわからなくなるくらい強烈な香りをつけたものはそんなにまずく感じない。中途半端なのがよくない。中途半端、あるいは適度な香りのフレイバードティーは、質のよい茶葉を使うべきなのだと思う。

LUPICIA

2009年12月6日日曜日

『My One And Only Thrill』Melody Gardot

 2009年。メロディ・ガルドー。彼女の2作目の作品。『Over the Rainbow』以外は、フランス語の曲である『Les Etoiles』を含めて全て本人が手がけた曲である。ピアノとギターと(もちろん)ヴォーカルは全て彼女自身だが、今回はそれにオーケストラが混じったりする。でも彼女の歌声は主役であることを譲らない。
 つぶやくように、ささやくように軽く歌っているだけのように聞こえるのに、ぐっと来る。微妙なビブラートのかかり具合が胸に沁みる。デビューアルバムとはまた違う意味で良い。肩の力の抜けたメロディ・ガルドーがそこにいる。いい。

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2009年12月5日土曜日

『グァテマラ エルポルベニール』豆源

 EL PORVENIR。エルポルベニール農園。豆源の新商品。グァテマラによくあるガツンとした味。強い苦みと少しの酸味でキレがある。おいしい。私の好みのいくつかの味のうち、パンチの効いた珈琲の味。何となく『鎌倉ブレンド』に傾向が似ている気がする。不思議なことに「あ、これは豆源の味だ」と思った。焙煎の仕方などで店による特徴が表れるのだろうか。豆源のブレンドは「研ぐ」という独特の処理をしているが、ストレート珈琲は普通に焙煎しているだけのはずなのに。

『珈琲問屋 豆源』のブログ(更新されてないけど)
『北19条店』札幌市北区北19条西4丁目2-24片野ビル(地図

『焚火』LUPICIA

 タキビ。「すっきりとした渋みと香ばしさが魅力の水仙種の中国烏龍茶に、完熟マンゴーとパッションフルーツで香りづけ。焚き火を思わせる香ばしさと甘い余韻が魅力。」

 マンゴーとパッションフルーツの絶妙なハーモニーが良い。烏龍茶の味はそれほど強くない。焚き火という感じはしないけれどおいしい。

LUPICIA

2009年12月2日水曜日

『THE FALL』Norah Jones

 2009年。不勉強なせいか私はこういった音楽をするノラ・ジョーンズを知らなかった。ジャズでもカントリーでもない。強いて言えばポップス。バックで奏でられる演奏も今回は結構変わっている。今回の路線で行くなら、4『YOUNG BLOOD』が好み。
 でも私はきっと保守的なのだろう。これまでの彼女の音楽の延長線上にある次の4曲を聴いていると安心する。9『BACK TO MANHATTAN』、11『DECEMBER』、12『TELL YER MAMA』、13『MAN OF THE HOUR』。

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2009年12月1日火曜日

『LA VIE EN ROSE』LUPICIA

 ラビアンローズ。「ルイボスティーをベースに、ハイビスカスとローズヒップをブレンド。」

 すごい豪勢な名前ではあるけれど、かなり苦手な部類に入る。ハイビスカスとローズヒップはもっとクリーンなブレンドで飲みたい。ルイボスティーの土臭い味とは合わせないで欲しい。いや、ルイボスティーが嫌いでこう言っているのではない。むしろ好きなくらいである。でもこの組み合わせは・・・

LUPICIA