2009年7月31日金曜日

『ザ・マインドマップ』トニー・ブザン、バリー・ブザン

 神田昌典訳。ダイヤモンド社。
 マインドマップという言葉を初めて耳にしたのは、勝間和代の「ビジネス頭を創る7つのフレームワーク力」(Discover)という本の中においてである。そのときは何のことやらさっぱりわからず読み飛ばしてしまったので、今回きちんと勉強しておこう、と思って、『ザ・マインドマップ』を手にした。
 マインドマップは思考ツールである。著者であるトニー・ブザンが、兄の協力を得て発明したものだ。1974年に本として紹介されたのが、この世に出た初めらしい。今では世界中で2~3億人の人が利用しているということで、結構な数である。マインドマップと言ってもぴんとこない人のために、この記事を書くためにフリーソフトのMindomoで作成したマインドマップ風マップを載せておいた。これにもっとイメージをいっぱい書き込んだりしたものがマインドマップだと思ってもらったらいい(本当かな?私も入門者なので)。
 この本ではまず、脳がどのような風にできあがっていて、機能として何があるのかを説明している。そしてこれを元にして、一般の人の書くノートが如何に能率的でないか、それに対してマインドマップが如何に効率的かを説明する。例えば一般のノートは直線的でイメージがなかなか膨らまないのに対し、マインドマップは放射思考的でイメージを膨らませやすい、という風に。そのため、マインドマップは自己分析、試験対策、読書、プレゼンテーション、経営など、様々な分野に対する良きツールとして有効なのだという。
 実は私が一番知りたかったのはマインドマップの作り方である。そのためのキーワードとして本書で挙げられているのは、連想、強調、中心イメージ、イメージ(絵)、色などである。正直なことをいえば、この本を読むだけでマインドマップを描けるようになるのはちょっと難しいと思う。実際のところ私はこの本の3分の2くらいまで読むまでマインドマップのことが良く理解できなかった。自分で作れないどころか、他人の書いたものを理解できなかったのだ。でも最後の方になって多数のマインドマップの例を見ていくうちに、やっと何となくわかるようになってきた。ある時自転車に突然乗れるようになったときのような感覚だ。それは自分でも何枚も描く練習をしたからでもある。本の中でも例題が載っているので、それに従って手を動かしてみるといいのだと思う。だからこの本を読むとき、私にしては珍しく電車の中や喫茶店ではなく、筆記用具片手に家の机に向かっていた。やればやるほどマインドマップの有用性がわかってくる。今では仕事でもマインドマップ風のものを使って作業することが多くなっている。
 この本はマインドマップを知るための一歩としていいと思う。その上で、もっと実践的な本を読めば本当はいいんだろうな。

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「Mindomo」のHP

2009年7月29日水曜日

『SILENCE!』Petteri Sariola

 ペッテリ・サリオラ。ロックテイストの強いアコースティックギタリスト。低音部、高音部のどちらも粒立ちが良く音がきれい。キレがある。自ら「スラム奏法」と呼ぶ奏法がリズムの肝になっていて、そのポイントは、チョッピング、スネア、そしてベース・ドラムの三つだという。
 6「VALVE 2」なんかを聴くと、この人は本当にヘッジスが好きなんだな、と感じる。そして、ギターもいいんだけど、ヴォーカル曲がなかなかいい。声がとてもいいのだ。その伸びのある声でハードロックを歌わせたくなる(このアルバムは十分ロックしてるけど)。ヴォーカル曲は4曲収録されているが、2「SILENCE」は好きな曲だ。ギターソロの曲では、パーカッシブで彩り豊かなリズムが特長の4「PRIME」が結構いい。7「UNTITLED BLUES」は初めかわいいブルースかと思いきや、途中から彼らしさが全開になってくる。10「MOTHERSONG」は静かできれいなメロディ。このアルバムの中では唯一静かな曲。
 フィンランド発のおもしろいギタリストが現れた。

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2009年7月26日日曜日

『ASIA』LUPICIA

 アジア。「みずみずしいフルーツの香りに、甘いハニーとスパイシーなジンジャーをプラス。水出しアイスティーにすると、とびきり爽やかに召し上がれます。」

 水出しアイスティーにしてみた。本当に爽やかで、ミントっぽい味がした。中に入っているレモングラスのせいだと思う。結構おいしい。ちょっと薄く作りすぎたので、次回は濃いめに作りたい。ホットにすると、ちょっとくどくなる。

LUPICIA

『Worrisome Heart』Melody Gardot

 邦題『夜と朝の間(はざま)で』。メロディ・ガルドー。ジャズヴォーカル作品。
 時にフォーキーに、時にブルージーに、また時にはカントリーチックに歌い上げるその声はとても魅力的だ。年齢の割に成熟した感じがする。これは彼女が19歳の時に受けた交通事故を乗り越えたことに由来するのだろうか。リハビリとして始めた音楽治療。それが今の彼女につながっている。決して多くはない音の数。心に残るメロディ。少しだけノラ・ジョーンズと被る。
 何度聞いても飽きない。珈琲タイムにぴったりである。お薦め。

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『PEACH MELBA』LUPICIA

 ピーチメルバ。「ピーチとクリームの香りが、カフェインを含まないルイボスティーの甘みを引き立てます。ミルクも合う優しい飲み口を、デザート感覚でお楽しみください。」

 思ったよりもずっと飲みやすい。香りも味も基本的にルイボスティーなんだけど、そこに微かな桃の香りと柔らかい甘さがあって、良い。カフェインレスだから夜寝る前に飲んでも大丈夫なところもまた良い。

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2009年7月22日水曜日

『THÉ AU CHOCOLA』LUPICIA

 テ・オ・ショコラ。「ビターチョコレートをイメージし、カカオニブとココアパウダーをブレンドしました。」

 袋を開けるとチョコレートの良い香りが漂ってくる。しかしこれは紅茶である。飲むと、鼻ではチョコレートの香りを感じ、舌では何とも不思議な味を感じる。慣れるとそんなにまずいわけではないが、ブレンドとしては失敗のような気がする。

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2009年7月21日火曜日

『Words Fail Me』Rick Ruskin

 正直な話、初めのうちこのアルバムが好きではなかった。全編古くさい感じがして、地味な曲ばかりだと思っていた。「プー横丁」でも売れているみたいだし、中川イサトさんも岸部眞明さんも薦めていたから購入したのだけれど。でもCDと一緒にTAB譜まで買ってしまったので、そのままにしておくのが勿体なくて、何度も何度も聴きまくった。それで、最近やっとこのアーティストの良さが少しだけわかってきたような気がする。
 わりと好きになったのは、1「Lullaby」、2「Hey There, Baby」、3「See-Saw」、4「Model Railroad」、11「Gratitude」、13「& 50 Cents Gets You A Cup Of Coffee」の6曲。たぶんこれらの曲からコピーし始めるんだと思う。
 曲目の最後に書かれていた次の言葉がなかなかいい。

Words fail me-that's why I play guitar.

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2009年7月20日月曜日

『炭火珈房 珈琲堂』

 藻岩山麓通りを南下して、左に曲がると円山公園、という5叉路もどきの場所を右斜め前方に上っていくと、すぐ左手にある。セイコーマートを過ぎてすぐの道だ。木の温もりを残した、スキーのロッジという感じの建物である。店内は広く、客が沢山いる割には静かである。ここは数年前の建て替えで、それ以前のこぢんまりとした黒いイメージの雰囲気とは打って変わって、開放感のあふれるライトブラウンのイメージに変わった。以前の方が客同士の視線が交わることがなかったので好みに近いが、今は今でそう悪くはない。
 ストレートの珈琲と紅茶はポットで出てくるので嬉しい。味はそれほど沢山の種類を飲んだことがあるわけではないので何とも言えないが、それぞれの豆の特徴を良く引き出した焙煎と淹れ方だと思う。

『炭火珈房 珈琲堂』札幌市中央区宮の森1条14丁目3-13(地図

2009年7月19日日曜日

『リンドレス ゴーダ』

 Gouda。オランダ原産。セミハードタイプのチーズ。リンドは表皮のこと。つまりこのゴーダチーズは皮なしゴーダということだ。熟成させたあとに皮をはいだわけではなく、初めから皮のできない作り方をしている。熟成前のチーズを真空パック状態で熟成させるのだという。だから普通のゴーダのように熟成するにつれて硬くなるということはない。
 味は、濃くて風味のあるプロセスチーズという感じだった。ちょっとしょっぱい。

2009年7月18日土曜日

『Le Bleu』Justin King

 パーカッシブな曲が多い。とは言ってもバラード系やスパニッシュ系の曲もあり、抽斗(ひきだし)の広い人だ。私はどちらかというとこの人の曲は静かな落ち着いた曲が好きだ。例えば3『after the harvest』、14『paris morning』、17『prinsengracht』といった曲だ。他には、静かではないが、4『a saucey jig』、6『northwest of ju ju』、7『loco motives』、9『pam and johns house』なんかが結構楽しげでいい曲だと思う。1回聴くだけでなく、何回も何回も繰り返し聴くと、どんどん味が出てくる。ヘッジス・フォロワーとして括られることも多いが、もっと素朴なミュージシャンだと個人的には思う。

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2009年7月14日火曜日

『名間翠玉 冬茶 06-2』LUPICIA

 ミンジェンツィーユイ。「台湾・名間産の冬摘み烏龍茶。さわやかな香り、すっきりした甘みとここちよい香ばしさ。」

 焙煎が軽いので緑茶に近い。秋から冬にかけて摘まれる翠玉は金木犀(キンモクセイ)の香りがすると言われる。
 購入してから日が経っているせいなのか、元のお茶の味なのかはわからないが、少し枯れた味がする。味は好みではない。香りはよいのだが。

LUPICIA

2009年7月13日月曜日

『ナリーニョ フレンチロースト』Gosh

 ゴーシュ。美瑛町にある珈琲とパンの店。
 ナリーニョはコロンビアの地方名。だから、この珈琲は「コロンビア・スプレモ・ナリーニョ」と呼ばれることが多い。そしてゴーシュではこの珈琲をフレンチローストで焙煎した、という意味。
 これがうまい。適度な苦みとかすかな酸味、そしてまろやかな包み込むような甘み。コロンビアの深煎りは私の好みに良く合う。前に紹介したマンデリンよりもずっとおいしい。

Gosh』北海道上川郡美瑛町美馬牛(地図

2009年7月12日日曜日

『札幌学』岩中祥史

 新潮文庫。著者は札幌に住んだことはなく、札幌フリークというわけでもない。他の著書『出身県でわかる人の性格』『名古屋の品格』『博多学』などからわかるとおり、県民性について詳しい人なのだろう。私はさほど県民性や国民性には興味が無く、この手の本を読んだのは初めてだ。上司に強く勧められたから読んだにすぎない。札幌に住んでいるんだから少しくらい札幌のことについて知っておいてもいいだろう、と思ってのことだ。
 それにしてもよく調べている。札幌の歴史、札幌人の性格、食べ物、風俗、行事、スポーツ、公園、音楽など、守備範囲が広い。しかも情報が新しい(今年、平成21年の3月に上梓されたばかりだから当たり前か)。札幌の成り立ちなど、私の知らなかったことも多く、勉強になった。事実の部分に関してはたぶんほぼ正しい(それは違うだろう、というのも中にはあるが)。だが、その解釈となると著者の主観に影響されている部分が結構あるように感じる。この辺りのことは検証のしようがないので、はっきりそうだとも言えないのであるが。
 それは違うだろう、と私が感じた部分も、案外合っているのかもしれない。私は人生の約半分を札幌で過ごしたにすぎず、純粋な札幌人とは言えないからだ。事実この本に書かれている札幌人の性格と私の性格とはかなり異なる。
 ちょっと話がずれてしまった。札幌に興味のある人、これから札幌に転勤になる人、旅行に行こうと思っている人は、本書を取ってみてもいい(ぱらぱらっとめくる程度でいいから)。これで札幌の概要はつかめる。知っているとお得な情報も多い。ただし札幌に住んでいる人の人間性については、あまりこの本のとおりだとは思わない方がいい。札幌にも多種多様な人種が住んでいる。また、内容が盛りだくさんなので、ひとつひとつの項目に対してはそれほど突っ込んだ話をしていない。まずはこの本を読んで概要をつかみ、その上でもっと詳しく知りたい人は個別に調べると良いだろう。
 なんだかこの本を薦めているのかいないのか、わけのわからないコメントになってしまった。それは本書を読んで役に立った部分が多かったにもかかわらず、気分的には不快にさせられることが多かったせいだと思う。取扱注意、というわけだ。

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『モザレラ』MOZARELLA

 デンマーク原産。いわゆるモッツァレラチーズである。現地読みすると「モザレラ」になるのだろう。フレッシュチーズに分類される。モッツァレラは普通塩水にぷかぷか浮いた状態で売られているイメージだが、これは四角にカッティングされている。もっちりとした弾力性のある歯ごたえが特徴で、味はあっさりめである。薄くカッティングしてトマト、バジル、オリーブオイルと合わせた前菜で有名だ。私は料理をするのが面倒くさかったので、ただ棒状に切って、パンと一緒にばくばく食べた。
 実のところ、この手のよくあるチーズをブログに載せるかどうかは悩みどころだった。これを載せるのであれば「さけるチーズ」だって載せていいんじゃないかと。実際「さけるチーズ」は、モッツァレラチーズと似たような製法で作ったチーズを引っ張って引っ張って繊維状にしたものだ。でもこのチーズがブログに載ることはないだろう。ただ何となく。

2009年7月11日土曜日

『青蓮茶室』


 北24条通りに面していて、札幌サンプラザのちょうど向かいにある。韓国伝統茶、台湾茶、中国茶、日本茶などを揃えており、アジアのお茶を供する店、と言えばわかりやすいかもしれない。食事、スウィーツもあり、結構おいしい。お茶の種類はかなり多いが、ここ数年はメニューを開いたことがない。店主からの「今日はどんな感じのがいいですか?」、あるいは私からの「今日のお薦めのお茶はありますか?」の一言から始まる一連のやりとりから、出されるお茶が決まってくるからだ。昨日は前者の質問から始まり、「目も楽しませてくれるのがいいです。工芸茶とか君山銀針とかみたいな」と私。店主はちょっと考えて、「じゃあ工芸茶で行きましょうか」と言って、千日紅とジャスミンの入った緑茶を出してくれた。工芸茶が考案されたのは1980年代の後半あたりで、まだ日が浅い。お湯を入れる前は直径2cmくらいのボール状の緑茶の塊で、それにお湯を注ぐと紐で縛った緑茶が開く。そして、工芸茶の種類によっては中に花を仕組んであったりする。今回はこのタイプで、開いた緑茶の中からジャスミンの花でできた2本の紐が上に伸びて、それが合わさったところ、つまり頂上に千日紅の紅い花が鎮座するという、凝った作りになっていた。手を持つところが千日紅で、紐がジャスミン、本体が緑茶のハンドバッグと言えばわかっていただけるだろうか。(本当は写真があればわかりやすかったのだろうが、不覚にも携帯電話を忘れていったので、今回購入したお茶の写真だけ掲載した。)このお茶が大きめの赤ワイングラスになみなみと注がれて出てくるのだ。「良く出るお茶だから7,8杯は行けるよ。」と店主。まさかそんなには、と思いつつ、2時間ほどで7杯飲んで帰ってきた。
 大きな店ではない。カウンターテーブルも含めて大きさ、形もバラバラのテーブルが4つ。椅子の種類もバラバラ。カウンターと、入って左側の壁沿いには色んなお茶や茶器が所狭しと並べられている。カウンターが空いていれば普段はそこに座るのだが(二人しか座れない)、そこにはすでに客がいたので、今回は5人掛けの丸テーブルに座った。一番大きな長方形のテーブルでは店主とお客さんがずっとポーカーをやっていて、私のお茶が無くなると席を立ってお湯を注ぎ足しに来てくれる。カウンターの客は持ち込んだジョアンのパンを店主から借りた包丁で切って私にまでくれる。客は本を読んだりおしゃべりをしたりと思い思いのことをしている。その合間に店主との軽いやりとりがあったりする。とにかくゆるいのだ。外国の田舎のバーってこんな感じなのかな、と思ったりする。日本のスナックもそうなのかもしれないが、何しろ私は酒が飲めないのでその辺りのことには疎い。でも(強く言いたい)、この店には風格のようなものが備わっている。伝統的なお茶を出すに値する不思議な風格がある。そこがまた魅力なのだ。
 さて、帰りにお茶を買った(写真)。左が韓国伝統茶である雙和茶(サンワチャ)。漢方薬のいっぱい入った薬湯である。決して飲みやすいお茶ではないが、元気のない時に飲むと効く。上が台湾の東方美人で、下が発酵度の高い、同じく台湾の文山包種。初めこちらが所望したのは文山包種と鉄観音だった。しかし昨年と今年の文山包種の出来は悪く薦められないと言うので、発酵度の高いものに落ち着いた(文山包種は東方美人や鉄観音と同じ青茶(チンチャア)であるが、本来このお茶は発酵度が低く、緑茶に近い)。鉄観音で良いのがなければ岩茶(武夷岩茶)でも、と言ったのだが、今は岩茶も良いものが手元に無く、これから買付けに行くのだという。そういえば岩茶の中でも私が特に好きな大紅袍は最近では木がだめになってきたと以前来たときに聞いた気がする。そして最後、右側が店主お薦めのプーアール茶の木の芽だけを摘んで白茶(パイチャア、バイチャア)の製法で作ったお茶。味は白茶の味なんだろうな、くらいしか想像が付かないが、店主は高級なことを強調していた。
 ここに来ると色んな意味で楽しい。

青蓮茶室』札幌市北区北23条西5丁目メルローズプレイス1F(地図

2009年7月9日木曜日

『献上加賀棒茶』丸八製茶場

 茎焙じ茶である。私は元来単なる焙じ茶よりも茎焙じ茶を好む。これは焙じ茶と言っても、完全な褐色になるまでには焙じていない。かすかに黄緑色を帯びたくらいに軽く焙じている。
 鋏で封を切ると、すぐさま素敵な香りが辺りを包む。入れたお茶はさわやかで香ばしい。一保堂茶舗の茎焙じ茶もおいしいが、この加賀棒茶はもっと上品な味がする。
 金沢に行ったときには必ず購入するお茶である(本店は加賀市であるが)。

加賀棒茶 丸八製茶場

2009年7月5日日曜日

『急に売れ始めるにはワケがある』マルコム・グラッドウェル

 高橋啓訳、ソフトバンク文庫。副題は「ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則」。
 キーワードは原題にもなっている「ティッピングポイント」(The Tipping Point)であり、本書によると、「あるアイディアや流行もしくは社会的行動が、敷居を越えて一気に流れ出し、野火のように広がる劇的瞬間のこと。」である。これには三つの原則があり、それは「少数者の法則」、「粘りの要素」、「背景の力」だという。本書では主にこれらの原則を解説することにより、急に売れ始めるワケを説明している。
 爆発的感染を起こすのに大量の人々に訴えかける必要は必ずしも無い。ごく少数の人がきっかけを作り、感染が広まっていくのだ、というのが「少数者の法則」。この少数者には3種類の人間がいる。知り合いが多く、沢山の分野に接点がある「コネクター(媒介者)」。コネクターが人脈の専門家に対して、情報の専門家が「メイヴン(通人)」である。「メイヴンには、口コミによる伝染を始動させるための知識と社交的技術が備わっている」という。そして最後が説得のプロである「セールスマン」である。この3種類の特性が一人の人間に備わっている例も取り上げられる。
 「粘りの要素」はちょっと説明しづらい。著者は「記憶に粘る」という表現をしている。『セサミ・ストリート』、『ブルーズ・クルーズ』というTV番組を例に出して、番組が成功した理由を「粘りの要素」という観点から解説している。
 「背景の力」とは、「感染は、それが起こる時と場所の条件と状態に敏感に反応する」というものである。この説明には、『ブルー・オーシャン戦略』でも取り上げられていたニューヨークの犯罪率低下についての事例が使われている。両書の視点の違いがおもしろい(矛盾したことを述べているわけではない)。「割れ窓理論」という言葉は覚えておいて損はないかと思う。「行動の方向性を決めるにあたって、心に抱いている確信とか、今何を考えているかというようなことは、行動している時のその場の背景ほど重要ではない」との記述は衝撃である。また、「150の法則」というものはおもしろい(読んでみてのお楽しみ)。
 ざっと説明するとこんな感じである。個人的には「第7章 自殺と喫煙」以外は楽しめた(この章は統計値の扱いに恣意性を感じるし、倫理的に好きではない)。事例が豊富でわかりやすい。ただ外国の固有名詞(特に人名)に慣れていないために起こる読みにくさは感じた。これはしょうがないことだ。全体としては悪くない。

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2009年7月4日土曜日

『ウルトラマンデリン』Gosh

 ゴーシュ。美瑛町にある珈琲とパンの店。お土産でもらった。ホームページを見ると、ランチメニューがかなり美味しそうで、一度行ってみたくなる。
 さてウルトラマンデリンの話。豆の表面に油が浮くぐらいのかなりの深煎り。ただ苦い。私の好みではないが、普通においしい、という人もいるので参考に。

Gosh』北海道上川郡美瑛町美馬牛(地図

2009年7月3日金曜日

『CAFÉ de NORD』

 ジャズの流れる大人の雰囲気の店内で、冷たいカフェオレの柔らかな甘みが私の寝不足を癒してくれる。
 カフェ・ド・ノール。これと同じ店名の店は2店舗あるが、今回は札幌駅前通沿いにある方。オフィスビルの地下1階の西側を陣取っている瀟洒なつくりの店だ。数年前、大通地区にあるビルの建て替え工事に伴って店を閉じた同じく「カフェ・ド・ノール」は、ポップな感じの若者ウケする賑やかなカフェだった。私の記憶違いでなければ、その後この店がオープンしたのだが、当時はまるっきり異なる店の雰囲気に軽い戸惑いを覚えたものだ。不思議なもので、今となってはこちらの方が気持ちが落ち着く。

CAFÉ de NORD』札幌市中央区北2条西4丁目1北海道ビルB1F(地図

2009年7月1日水曜日

『Café La Bastille』その後

 カフェ・ラ・バスティーユ。以前残念なことに閉店してしまったと書いたのであるが、先々週また営業を始めた。店長が店をやめて数ヶ月営業していなかったことは事実で、店の外の塀に埋め込まれていた店名の入ったプレートがはぎ取られていた痕が痛々しく残っている(代わりのプレートがはめ込まれてあったが)。店内は店の雰囲気から調度品の隅々まで全く前と変わっていない。変わったのは店長と、店内の煙草臭さが多少薄れたことくらいか。ケーキはまだ2種類しかメニューにないが(大好きなレアチーズはあった)、今後少しずつ元の通りに戻していくようだ。ケア・ブレンド、ロア・ブレンドも健在だ(ちなみにこのブレンドの名前はハワイの二つの火山、マウナ・ロアとマウナ・ケアから来ていると踏んでいるのだが、店のコンセプトがハワイとは相容れないので、私の思い違いかもしれない。)。
 とにかく店が復活したことを素直に喜んでいる。

『Café La Bastille』札幌市中央区大通西1丁目KHビル1F(地図